施設厨房の人手不足が深刻化するなか、少しでも厨房を省人化できないかと考える施設は少なくありません。発注管理の自動化や調理工程のロボット化など、AIや自動化機器の活用によって、現場のあり方は少しずつ変わり始めています。
一方で、「どの機器を導入すればよいのか」「外部サービスを活用するべきか」といった判断に悩むケースも多いのではないでしょうか。厨房省人化は、単に機械を導入するだけで実現できるものではなく、現場に合った方法を選ぶことが重要です。
厨房業務のどこを効率化できるのかを整理しながら、AIや自動化機器、さらにはクックチルのような外部サービスも含めた選択肢について解説します。
目次
AIは厨房省人化にどう役立つのか

厨房の省人化と聞くと、調理ロボットのような設備を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし実際には、調理だけでなく、厨房内の管理や判断といった部分でもAIは力を発揮します。まずは、厨房省人化においてAIがどのように役立つのかを見ていきましょう。
そもそも厨房省人化とは
厨房省人化とは、ただ人数を減らすことではなく、人手を抑えながらも業務を効率よく回せる体制を整えていく考え方です。AIや機械、ロボットなどを活用し、少ない人数でも厨房が無理なく回る状態を目指します。
ここであわせて押さえておきたいのが、「省力化」との違いです。省力化は、作業そのものの負担を軽くすることを指します。たとえば、これまで2人で行っていた作業が機械の導入によって1人でも進められるようになれば、もう1人は別の作業を担当できます。こうして一つひとつの作業負担を減らした結果として、人員配置を見直しやすくなり、省人化にもつながっていきます。
こうした取り組みが求められている背景には、厨房の慢性的な人手不足があるためです。厨房業務は、早朝勤務や遅い時間の片付けが発生しやすく、業務負担のわりに人が定着しにくい傾向にあり、従来どおりのやり方だけでは回しにくくなっている現場も少なくありません。だからこそ、AIや自動化も取り入れながら、無理のない運営体制を整えていくことが重要になっています。

発注管理AIによる管理業務の効率化
厨房業務の中でも、受発注や納品時の検品といった管理業務は、毎日発生するぶん負担がかかりやすい部分です。特に紙やFAXを使ったやりとりが残っている現場では、確認や転記、保管の手間が積み重なりやすくなります。
発注管理のデジタル化が進むと、FAXでのやりとりを減らし、タブレットに登録された献立をもとに必要な食材リストを確認しながら数量を入力するだけで発注できるようになるほか、手書きや電話確認の手間が減ることで、発注担当者の負担軽減につながります。
さらに、納品検品をシステム化すれば、これまで賞味期限や食材の状態を目視で確認し、紙に記録して保管していた作業も、タブレット上でチェックしてクラウドに保存できるようになります。記録の管理がしやすくなるだけでなく、確認漏れの防止にもつながります。
また、過剰発注や不足のリスクを抑えやすくなるため、在庫ロスの削減にもつながるほか、データをもとに判断できることで、これまで特定の担当者の経験に頼っていた業務も共有しやすくなります。
日々の業務をよりスムーズに進められる点は、厨房省人化を進めるうえで大きなメリットと言えるでしょう。
調理工程はどこまで自動化できるか

AIや自動化の活用は、厨房省人化において管理業務だけでなく調理工程にも広がっています。厨房のすべてを完全に無人化するのは難しいものの、工程の一部を機械に任せることで、業務負担の軽減や品質の安定化は十分に目指せます。まずは、どのような工程で自動化が進めやすいのかを見ていきましょう。
調理ロボットが活躍する工程とは
調理ロボットは、いま世界的に注目が高まっている分野の一つです。市場規模は2027年に約200億円超まで拡大すると予測されており、今後も導入が進んでいくと考えられています。
こうした調理ロボットは、大量調理や繰り返し作業が多い工程で特に力を発揮します。たとえば、炒め物や揚げ物のように一定の動作を繰り返す調理では、自動化によって作業負担を抑えられるでしょう。加熱や攪拌の工程も、温度や時間をあらかじめ設定することで仕上がりを安定させやすく、人の手によるばらつきを減らすことで、味や品質の均一化にもつながります。
また、AIを活用した機器の中には、食材の状態や量、室温・湿度などに応じて、加熱時間や動作のタイミングを自動で微調整できるものもあります。こうした機能によって、より安全で安定した品質を保ちやすくなります。

自動化機器による負担軽減
調理ロボットだけでなく、日々の業務を支えるさまざまな自動化機器も、厨房の省人化に役立ちます。
たとえば、プログラム調理が可能な加熱機器を使えば、設定した条件に沿って調理が進むため、作業に付きっきりになる時間を減らせます。そのぶん、ほかの作業を並行して進めやすくなる点は、人手が限られる現場にとって大きなメリットです。
また、洗浄工程を自動化することで、食器や調理器具の洗浄・乾燥にかかる手間も抑えやすくなり、作業時間の短縮につながるだけでなく、衛生管理の面でも安定した運用を目指しやすくなるでしょう。さらに、搬送や配膳をサポートする機器を取り入れれば、重いものを運ぶ負担を軽減しながら、作業全体の効率化も図れます。
このように、それぞれの工程に合った機器を組み合わせて活用することで、現場全体の負担をバランスよく減らしやすくなります。
機器導入以外にもある厨房省人化の方法

厨房の省人化を進める方法は、AIや自動化機器の導入だけではありません。調理工程そのものを見直したり、デジタルを活用しながら業務の進め方を変えたりすることで、より無理のない施設厨房運営につなげられる場合もあります。ナリコマが提案する厨房DXの考え方をもとに、省人化の進め方を整理しましょう。
ナリコマの厨房DXとは
ナリコマでは、デジタル技術を活用しながら、施設厨房の働き方そのものを見直す「厨房DX」を提案しています。人手不足や業務負担といった課題に対して、単に人員を増やすのではなく、業務の進め方や仕組みを変えることで、持続的な給食運営を支える考え方です。
具体的には、クックチル・ニュークックチルの導入によって調理や盛付の工程を効率化するとともに、受発注や帳票管理のデジタル化によって事務作業の負担軽減も図ります。こうした取り組みによって、厨房業務の省力化と運営の安定化を両立しやすくなります。
🔎 ナリコマの厨房DXについて詳しくは下記ページをご覧ください
調理工程そのものを見直すナリコマのクックチルという選択肢
厨房の省人化を進めるうえでは、業務内容をそのまま機械に置き換えるだけでなく、調理工程そのものを見直すことが重要です。従来のように、厨房内で仕込みから調理、盛付までを行う体制では、多くの人手と時間が必要になります。特に仕込みや加熱工程は作業量が多く、調理スキルを持った人材に依存しやすい部分でもあります。
一方で、ナリコマのクックチルのように、あらかじめ調理された食材を活用する方法に切り替えることで、現場では加熱と盛付を中心とした運用が可能になります。調理工程の大部分を外部に切り出すことで、厨房内の作業を大きくシンプルにできる点が特徴です。その結果、これまで必要だった仕込みや大量調理の工程が減り、早朝からの勤務負担の軽減にもつながります。また、作業内容がシンプルになると特定の職員に依存しにくくなり、人員配置の見直しや新人スタッフの受け入れもしやすくなります。工程そのものを見直すことで、単なる作業の効率化にとどまらず、厨房全体の運営を安定させやすくなるのが大きなポイントです。

AI活用とクックチルの組み合わせという考え方
厨房省人化を考える際は、管理業務にはAIやデジタル化を活用し、調理工程にはクックチルを取り入れるなど、両面からアプローチすることが効果的です。というのも、管理業務だけを効率化しても、現場の仕込みや調理の負担が重いままでは、人手不足の解消にはつながりにくいからです。反対に、調理工程だけを見直しても、受発注や帳票管理に手間がかかり続ければ、現場全体の負担は残ってしまいます。
たとえば、受発注のデジタル化を進めれば、食数や献立に応じた発注作業を行いやすくなり、日々の管理業務の負担軽減につながります。さらに、クックチルによって調理工程の負担を抑えることで、現場での作業量そのものを減らすことができます。管理と調理の両方を見直すことで、特定の業務に負担が偏りにくくなり、厨房全体をバランスよく回しやすくなります。特に、限られた人数で運営している施設や、スタッフの確保に悩んでいる現場では、こうした組み合わせが現実的な省人化の方法になりやすいでしょう。
AIと厨房省人化は組み合わせで考える

厨房の省人化を進めるうえで大切なのは、なにを導入するかだけでなく「どうしたら現場が無理なくまわっていくか」という考え方です。AIや自動化機器は厨房省人化のためには有効な手段ですが、それだけでは解決しきれない課題も多く、調理工程そのものの見直しを含めて考える必要があります。
厨房管理のための業務はAIで整えて、調理は工程から見直すといった形で複数の手段を組み合わせることが重要です。どれかひとつの方法に頼るのではなく、自施設の課題や体制に併せて最適な形を選ぶことが、結果的に安定した厨房運営につながります。
人手不足が続くこれからの時代においては、「今ある人員でどう回すか」を考えることが欠かせません。AIやクックチルといった選択肢をうまく取り入れながら、自施設に合った省人化の形を見つけていきましょう。
クックチル活用の
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