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17年の病院栄養士経験は、”そのまま武器”になる。中村さんが見つけた、栄養士の次のキャリア

「17年も病院でやってきた経験が、転職したら無駄になるんじゃないか」
元病院栄養士・施設栄養士の方が、キャリアを考えるときに一番こわいのは、たぶんこれだと思います。

今回お話を聞いたのは、公的医療機関グループの病院で長く管理栄養士として働いたのち、
ナリコマのアドバイザー職に転職し、2026年4月から「MML」という専門ポジションに就いた中村さんです。

「むしろ、これまでの経験が、いまいちばん役に立っている」。
そう言い切れるようになるまでに、一体何があったのか。たっぷり聞いてきました。

この記事でわかること

  • ナリコマの「アドバイザー職」は、実際どんな仕事をするのか
  • 病院・施設での専門経験が、転職後に「どう活きる」のか
  • あまり知られていない専門ポジション「MML」とは

プロフィール

中村 亜由美:営業統括本部 東海支店 CS一課 /2025年中途入社
病院で管理栄養士として約17年勤めたのち、「ナリコマの商品」「直営支援」という点に惹かれナリコマへ。
現在は既存顧客の厨房運営に寄り添う「アドバイザー」として活躍し、2026年4月からは病院のサポートに特化したチーム「MML」も兼務。
現場の懐に入り込む頼られ上手。

 

「やりたいこと」がなかった私が、食の道を選んだ理由

――管理栄養士を目指したきっかけから教えてください。

正直、大学に進むとき『これがやりたい!』というのはなかったんです。ただ、手に職をつけたかった。

たとえ将来が大学と関係ない道でも、学んだ4年間が無駄にならないことって何だろう、と考えたとき……食事って、死ぬまで絶対についてくる。栄養士の仕事に就かなくても無駄にならないし、親を悲しませることもないかな、と思って選びました。

――新卒で入職したのは、公的医療機関グループの病院だそうですね。

はい。新卒からずっと同じグループの病院で約17年。グループのうち5病院を、転勤転勤で回りました。1人部署への転勤もあったので、『一人だから課長の仕事も主任の仕事もやらなきゃいけない』状態で。直営給食だったので、当然守るべき厨房スタッフたちもいる。そんな環境で、おのずとマネジメントも経験しました。

直営給食だったのでそのノウハウも積めたし、NST(栄養サポートチーム)で栄養管理の専従もずっとやってきて、医療面の知識も経験させてもらいました。

――17年のなかで、特に印象に残っている出来事は?

ひとつは、3年目で経験した病院の移転です。病院の引っ越しって、何十億円もかかることで、経験できる栄養士は本当に少ない。しかも当時の私は26歳。役職こそないけど、一人部署で部下を持っていて。3年間『こうだよ』と教わってきた常識が、場面が変わるとまったく通用しないんです。白だと思っていたことを黒にしなきゃいけなかったり、その逆だったり。

『いかに現場に入り込んで、その場その場のやり方を見つけるか』がどれだけ大事か、痛感しました。直営給食でよかった、給食業務にも栄養管理にも全力を注ごうと思えたのも、このときです。

――10年目以降は、どんな学びが?

人の育て方ですね。給食スタッフと栄養士では、育て方がまったく違うんです。給食のスタッフさんとは、わきあいあいと丸め込みながら(笑)、同じ方向を向いてもらう。でも栄養士は、知識を貯めて動くタイプだから、見えないところでどんなベースを積んできたかを考えながら前を向かせる、これがすごく難しい。

試行錯誤の末にたどり着いたのが、『何のためにこの仕事をするのか、目的さえ共有できれば、人は絶対に同じ方向を向ける時が来る』という考え方でした。今でも私の軸になっています。


“出入り禁止”にした会社に、自分から飛び込んだ

――そもそも、ナリコマとの出会いは?

以前勤めていた病院で、ナリコマが新規の飛び込み営業に来たんです。でも正直、病院としては“出入り禁止”をくだしたんですよ(笑)。『何の知識もないのに、なんで病院に営業に来るの』って。病院栄養士って、営業を試す人が多いんです。わざとふっかけて、どんな答えが返ってくるかを見る。当時の課長がふっかけて、私も同席していたんですが……『これはあかんな』と笑。

――かなり辛口な第一印象ですね(笑)。でも、印象が変わったとか。

商品そのものを見たときに、印象が変わったんです。『営業ありき、アドバイザーありきで回そうとすると弊害は出る。でも、商品として、栄養士が頭を柔らかくして使えば、絶対に病院の助けになる』と。

むしろ『そんなに知識がないなら、私が入ったら役に立てることがあるんじゃないか』『私だったらこう進めるのに』って、自然に考えている自分がいて。当時は転職する気なんて、まったくなかったんですけどね。

――その後、実際に転職を決めた。決め手は?

転職を考えた時に、まずそのエピソードが浮かんで、調べたら募集していて。受けたのはナリコマ1社だけです。

決め手は大きく2つ。ひとつは、会長の給食への思い入れが、自分のそれと完全に一致していたこと。
もうひとつは、営業が取って終わりじゃなく、その先まで自分たちが関わり続けられること。『私だったらこうするのに』と『私はこうしたい』が、まるごと一致したんです。

――一般企業への転職は、不安ではなかったですか?

正直、不安はなかったです。私の座右の銘が『理想の職場なんてない。理想がほしいなら、自分で作るしかない』です。大学時代の同級生がポロッと言った言葉なんですが、ずっと残っていて。

どこへ行っても不満も不安もある。だったらそれを抱え込まずに、理想の形が築けるように自分が動けばいい。17年間そうやってきたので、新しい環境への楽しみしかなかったですね。


そもそも「アドバイザー職」って、何をする仕事?

――アドバイザー職を、まったく知らない人に説明するとしたらなんと説明しますか?

営業が取り終わった後も、親身になって隣に寄り添う存在です。一般企業の営業って、契約を取ったら終わり、年1回挨拶に来て終わり、という認識が強いですよね。でもそれだと、本当の関係性は築けていない。ナリコマはそれを良しとしないから、私たちアドバイザーという職種を作って、契約後も月1回、問題点を一緒に見つけて、寄り添って、解決していくんです。

――具体的には、どんな課題に向き合うのですか?

多いのは『人はいるのに育たない』という悩みです。そこでは『何に詰まっているのか』『その人に伸びしろがあるか』『そもそも評価をしているか』を見ます。評価項目を一緒に作って、『これができたら良い、これができないと困る』を整理して、ときには『見切りをつけることも大事』というところまで、レールを引いてあげる。

――お客様の評価制度にまで踏み込むんですか!?

踏み込みます。特に委託からの切り替えだと、そもそも人のマネジメントをしてこなかった現場も多いので。次の段階では『顧客満足をどう上げるか』。ただ、単発で困りごとを潰すだけだと“トカゲの尻尾切り”で、大元が変わらないから同じことが起きる。だから、私がいなくても現場が自走できる状態、経営層も栄養士も『こういう人が来たから、こう評価して、こう動いた』と自分の口で言えるようになることを、最終ゴールにしています。

――印象的な事例はありますか?

ある施設さまは、人の入れ替わりが激しくて。最初は原因を聞いても『ここは呪われてるんや』なんて、根拠のない責任転嫁ばかりで(笑)。でも関わり続けるうちに『私たちが厨房を知らなすぎた、任せすぎたからだ』と自分たちで原因を言語化できるように変わっていったんです。そこから施設全体を巻き込んで、会議で思いを共有し、足りない人員の募集を出すところまで、一段ずつ階段を上っていけました。

――新規営業担当とは、どう連携を?

営業の方とは、『営業とCS(アドバイザー)の間に壁はいらない』とよく話しています。経営層を動かす術を持っているのは営業、現場に寄り添って安心してもらうのはCS。お互いの強みが出る場面では、スッと引いて、強い方が前に出る。商談前には『明日はこう振ろう』と作戦を立て、終わった後は車の中で『あの時、顔色が変わったよね。あれはこういう理由だ』と反省会をしたりしてますよ。


病院での経験は、転職後「武器」になった

――病院での経験が「役立った」と実感したエピソードは?

監査対応は、すごく役立っています。ナリコマは企業としてルールを設けますが、最終的には施設判断の部分も大きい。直営を経験した栄養士って『食事提供の時間と書類記載の時間は同じだけかかる。そんな細かいことやってられない』という現場のリアルが分かるんです。ナリコマが100点を言うとして、現実的な平均点が80点なら、どう80点まで落とすのか、この“減点(落としどころ)”は、現場経験がないと、なかなか出せません。

――白か黒か、で迷う場面でも違うと。

そうなんです。ルールの中だけで生きてきた人は、白からずれた瞬間に『減点方式』ができなくて、監査員に聞いてしまう。でも監査員は100点の立場だから、減点を聞く相手としては違う。私は前職での監査対応の積み重ねから、その落としどころを自分で出せる。そこは楽だなと思います。

――病院栄養士ならではの専門性は、どんなところに?

病院は、施設と違って“治療の一環”として食事が求められる場面があります。たとえば糖尿病ひとつでも、インスリン治療が多いのか内服治療が多いのかで、食事の位置づけがまるで変わる。そういった”臨床栄養の専門性”は、コンサルを行う食品メーカーにとっては大きな武器になる。それに、医師・看護師・検査技師・歯科衛生士・栄養士と、言い分の違う多職種をどう一つの輪にまとめるか。チーム医療で鍛えたこの感覚は、今のアドバイザーの仕事とまったく一緒。直営給食とチーム医療、このどちらが欠けても、今の私はなかったと思います。


「MML」という役割──支店全体の”病院商談力”を底上げする

――2026年4月から、MMLという専門ポジションに就かれたそうですね。MMLとは?

MML(Medical Management Leader)とは病院のサポートに特化したチームです。正直に言うと、ここは上手にまとめてほしいんですけど(笑)。私の考えるMMLは、ナリコマの製品を“いかに上手に使ってもらうか”を提案する人です。管理栄養士って『こだわりが強い』と言われがちですが、そのこだわりが“単なるこだわり”なのか“正論”なのか、畑の違うナリコマには白黒つけにくい。でも、同じ土俵に立っていた私なら、それを見極められる。正論ならきっちり寄り添い、会社の製品をどう活かすか、お互いがWin-Winになる“間”に入るのがMMLだと思っています。

――施設向けと、病院向けで一番違うのは?

栄養価のすり合わせです。施設だと『1ヶ月平均でOK』という書式上の管理で流れることも多い。でも病院は、種別によって目指すものが違う。さっきの糖尿病の例のように、向こうが求める食事への要望を、施設以上に聞き取って提案を変えていく必要がある。満足度だけを求める病院、治療の一環として求める病院、その両方を見極めて提案を変えるのが、一番大きな目的です。

――支店全体の“病院商談力”については、どう底上げを?

たとえば診療報酬の改定があったときは、課長やMML担当が集まって勉強会をします。文章で読むだけの知識と、自分が現場で動いてきた土台がくっついて初めて、診療報酬は“使える”知識になる。『このコストも売りになるね』『ナリコマが入って栄養士を出せるなら、この部分のコストが取れる』、そういう現場目線の翻訳をして、みんなに撒いていく役割です。


ナリコマのお食事と、これから

――元病院栄養士の目線で、ナリコマのお食事の強みは?

私の中での一番の強みは、“直営給食を続けていく”ための武器になること。直営を続けたいという意欲のある現場にクックチルが入ってこそ、120%の力が出る。仕込みや調理の手間、何より“人の管理”という負担が減る。お互いの強みを出して、並走していける、そこがナリコマの強みだと思います。つまり、直営の良さを理解してもらう働きかけが、ナリコマの強みを引き出す最初のカードになる。

――お客様の反応で、印象的だったものは?

立ち上げをお手伝いした施設の責任者の方が、広島へ異動されたんです。それからしばらくして、まったく面識のない広島のアドバイザーから、突然連絡があって。異動された責任者の方が『あの子の気遣いと、思慮深さに救われた。一番最初に、みんなが分からない厨房業務をまとめてくれた』と、私の名前を出してくださっていると。本当に嬉しくて、すぐ上司に報告しました(笑)。『首を突っ込みすぎかな、おせっかいかな』と悩むこともあったけど、やってることは間違ってなかったのかも、と自信がもてました。

――なぜ、そこまで踏み込めるのですか?

安定した厨房を築くためには、マネジメント能力を養うことも、そのためのおせっかいも、すべてが必要なことだと思うからです。でも、これが正しい、と思って押し付けると『なんなんこいつ』ってなるんです(笑)。だから、まずは関係性をどう築くか。頼ってもらえた、安心してもらえた、となったら、そこまでやります。相手から『自分でやってみたい』という言葉が出てきたら、よしよし、と。

――管理栄養士に、これから必要な力とは?

管理栄養士って一括りにできなくて、臨床栄養、スポーツ栄養……ドクターと同じで専門があるんです。そのうえで、自分の経験から言うなら、『全ての基盤は“食事”だよ』ということ。栄養管理がやりたくて病院に行くけれど、その栄養管理は食事あってこそ。“数字じゃないよ、食事だよ”と。

たとえば『タンパクを60gに』と言われて数字だけ合わせても、その通りに食べてもらえなければ意味がない。数字を合わせることが第一の目的じゃない。“食べていただく”というゴールを、思いやりを持って忘れないこと。先人の栄養士の想いごと、大事にしてほしいです。


転職を迷う、元病院・施設栄養士のあなたへ

――アドバイザー職は、どんな人に向いていますか?

やっぱり、人のサポートをしたいと思える人。自分が主役、という人には向いていません。私が思う向いている人は、ナリコマの食事を見たときに、“作っている人”ではなく“食べている人”が浮かぶ人です

――それは、どういう意味でしょうか?

食事の“その先”をゴールにしているか、食事そのものをゴールにしているか、の違いだと思うんです。

何も考えずに与えられた仕事だけしていると、どうしても『厨房の中が自分の職場、食事を提供することがゴール』になってしまう。

でも会長は、“笑顔で食べてほしい”という思いで献立を作ってきた。『食事ができた』じゃなくて、“その食事を食べた人が笑顔になった”をゴールにできる人こそ、良きアドバイザーに育っていくと思います

――最後に、同じように転職を迷っている方へメッセージをお願いします!

これも、かつての上司の言葉を借りるんですが『自分が主役になるな』です。

病院栄養士って、自分のプランが通ったり、結果が出たりするとうれしい。でも、“結果が出た”という工程の達成で満足すると、主役が自分になってしまう。大事なのは、その結果にたどり着くまでに、患者さんがどれだけの努力をしてきたか、どれだけの苦労を乗り越えたか、ということ。そこに目を向けられる栄養士でないといけない。

『自分が主役じゃない、患者さんが主役。自分は、そのためのサポーター』その認識を持って働いてきた人なら、職種が変わっても絶対に活躍できます。その土台ができていることが、何よりの強みですから


編集後記(東海エリア採用担当より)

取材中、何度も「この人と一緒に働けたら心強いだろうな」と感じました。中村さんは、相手の現場に深く入り込み、『あの時、顔色が変わったよね』と人の機微まで拾う。それでいて、白か黒かで迷う現場に“落としどころ”を示せる強さがある。寄り添う優しさと、判断を引き受ける頼もしさ。その両方を持っている先輩は、転職後の不安な時期に、何よりの伴走者になってくれると感じました。同じようにキャリアに迷う元病院・施設栄養士の方にこそ、ぜひとどけたい一本です。

 

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