手探りで始まった介護食開発
これまでナリコマは、セントラルキッチンの導入や
物販サービスの展開などを通じて、
より多くの施設様に安定した食事提供を届ける仕組みづくりを進めてきました。
その一方で、もう一つ大きなテーマとして取り組んできたのが、
介護食の開発です。
振り返ってみると、ナリコマの介護食開発は、
最初から明確な答えがあって始まったものではありませんでした。
どこかで大きな壁にぶつかったというより、
手探りで少しずつ歩みを進めてきたという感覚に近いものです。
まるで人が成長していくように、
最初は何もわからないところから始まり、
5年、10年と試行錯誤を重ねる中で、
少しずつできることが増えてきました。
「介護食」を目指したわけではない
ナリコマの介護食は、既存の介護食を参考にして開発してきたわけではありません。
企業理念である
「お食事を通じて、ご高齢者の皆さまに生きる喜びを」
この考え方を出発点に、
ご利用者様が心から満足できる食事とは何かを考え続けてきました。
ご利用者様一人ひとりが持つ、
噛む力や飲み込む力に合わせて、安心して食べられること。
そして同時に、食事としてのおいしさも大切にすること。
その両立を目指して改良を重ねてきました。
その取り組みの中から生まれたのが、
ナリコマの介護食の中でも特徴的な「ソフト食」です。
ナリコマのソフト食が生まれた理由
ナリコマのソフト食が開発される以前、
噛む力が弱い方への食事は、包丁で細かく刻んだり、
フードプロセッサーで細かくしたりして提供されることが一般的でした。
しかし、限られた人手で運営されている施設の厨房では、
この作業が大きな負担となります。
また、細かく刻まれた食事は口の中でまとまりにくく、
介助する方にとっても扱いづらい場合があります。
さらに、まとまりがなくなることで誤嚥のリスクが高まることもあり、
現場にとって大きな課題でした。
こうした背景から、より安全で、食べやすく、
そしておいしさも感じられる食事として開発されたのがナリコマのソフト食です。
ナリコマのソフト食は、食材本来の味わいを大切にしながら、
出汁の風味を活かしたやさしい味付けを基本としています。
濃い味でごまかすのではなく、素材の美味しさを感じられる食事を目指しています。
設備導入による進化
介護食の改良は、現在も続いています。
例えばミキサー食では、水や出汁を加えて撹拌する必要があり、
同じ量でも栄養価が低下してしまうという課題がありました。
こうした課題を解決するため、ナリコマでは新たな設備を導入しました。
従来の撹拌方式ではなく、食材をカットすることで加工する仕組みにより、
粘りを抑えながら栄養価を保った食事を製造することが可能になりました。
設備投資には大きなコストが伴いますが、
より良い食事を届けるための取り組みとして、
今後も積極的に進めていきたいと考えています。
食事は生活の楽しみ
外出が難しいご利用者様にとって、
食事は生活の中でも大きな楽しみのひとつです。
だからこそナリコマでは、どの食形態であっても、
季節感や家庭のぬくもりを感じられる献立づくりを大切にしています。
安心して食べられることと、食事としてのおいしさ。
その両方を大切にしながら、これからも介護食の改良を続けていきます。

▶︎タイトルデザインについて
今回は、「職人」「信念」「仕組みの構築」をテーマとし、過去の歩みを現在の強固な基盤へと至る開拓プロセスとして視覚化しました。画面の直線は目標への「一本槍」を、途切れた線や不揃いな図形は、現場や社内外からの多様な意見を取り入れながら、試行錯誤を経て仕組みを形作る途上の軌跡を表現しています。
