バリュークリエイト・佐藤明さんと北窓佐和子が語る、見えない価値と組織文化の力
木の根が描かれたオフィスの壁。
バリュークリエイトのオフィス「ザ・ネスト」に足を踏み入れると、1階から3階へと木が伸び上がるような空間が広がっています。
会社のロゴは、ひび割れたたまご。
割れていくたまごの中で、きっとヒナが懸命に殻を突いているのでしょう。
「見えないけれど頑張っている。そういうものを大事にしたい」
外からは見えないけれど、確かに何かが育っている。
このオフィスの細部に「場」そのものの息づかいが感じられました。
ウェルビーイングって、つまり「なんかいい感じ」
経営視点で語られるとき、ウェルビーイングという言葉はどこか難しく、見えないがゆえに遠い響きを持つことがあります。
佐藤さんは、それをひと言で言い切りました。
「ウェルビーイングは大まかに言うと、『なんかいい感じ』ということです」
マイナスをゼロに戻すのではなく、上向きを増やしていくこと。
個人のウェルビーイングと組織のウェルビーイングは、重なり合いながらそれぞれに存在する。
その土台にあるのが、関係性だと佐藤さんは言います。
一人ひとりがいい状態でも、関係性が壊れていれば、組織としての「なんかいい感じ」は生まれません。その関係性を育てるものこそが組織文化なのだ、と。

風土は育つもの、文化はデザインするもの
風土は、気候や天気のようなもの。
自然と出来上がってくる、良いものも悪いものも含んだ空気。
「風通しが良い・悪い」という言葉そのものが、風土を指しています。
一方で、文化は違います。
意識して「こういう文化にしよう」と言える。つまり、デザインできるものです。
「組織文化の眼鏡をみんなでかけよう」
かつて戦略の眼鏡が経営を変え、財務の眼鏡が企業を変えたように、今、組織文化の眼鏡をかけることで、これまで見えていなかったものが見え始めている。
それが企業の価値になっていくのです。

定量化できるのは過去。企業価値は、未来のこと
「定量化できるのは過去のこと。企業価値は未来のことです」
数字で測れるものは、すでに起きたことの記録に過ぎません。
5年後、10年後の価値を支えるのは、組織文化です。
誰よりもクリエイティブなものを作り続ける文化があれば、やがてプロダクトは生まれる。DNAが流れていれば、原点に立ち返ることができる。
そしてそのオリジン(起点)こそが、オリジナルを決めていく。
個性も、競争力も、他との違いも、どう生まれてどう育ったかに根ざしている。
人を資産として扱うこと。行動で示すこと。
その積み重ねが、やがて数字を超えた価値になっていきます。

土(文化)・光(顧客)・風(社会)
「会社の中だけで考えると良くならない。植物に水だけでなく、光と風が必要なのと一緒です」
土は、組織文化。光は、顧客との接点。風は、社会との対話。
この3つが揃い、ようやく、企業は内側から育っていく。
「変えたくないものを守るために、変わり続ける。それが文化なのかもしれませんね」
と、北窓は言いました。
見えないものが、企業の未来をつくる。
ナリコマが「ALL for ONE SPOON.」という言葉に込めた想いも、こうして対話の場を作り続けてきたことも、その土を耕し、光と風を招き入れようとする試みなのかもしれません。
動画はこちらから
▼文化の眼鏡で見る 組織の見えない価値
▼未来を担保する「組織資産」への転換
▼組織文化に必要な「光と風」
