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食支援の可能性を、ひと口から。タベマチフォーラム出展レポート

食支援の可能性を、ひと口から。タベマチフォーラム出展レポート

やわらかさや舌触り、そこに感じる食材の味わい。
言葉や写真だけでは伝わらない、リアルな食の感覚は、実際にひと口を口に運んで初めてわかるものです。

2026年9月6日、ナリコマは東京富士大学二上講堂で開催された「第8回 最後まで口から食べられる街づくり(タベマチ)フォーラム」に出展しました。

医療・介護・福祉の専門職をはじめ、市民の方々や企業が集まり、「食べること」をともに学び、考える本フォーラム。午後の体験イベント「タベマチフェス」で、ナリコマはソフト食の試食をご用意しました。

食べる力に合った食事を、体験として

ソフト食は、噛む力が低下した方に向けて、歯茎や舌でつぶせるやわらかさに仕上げたお食事です。食べやすさに配慮することはもちろん、味や見た目、食材の食感も楽しんでいただけるよう、さまざまな工夫を重ねています。

介護食を説明だけで知るのではなく、実際に味わっていただく。今回の試食で大切にしたことでした。そして、やわらかさとおいしさは、どちらか一方だけのものではないと感じていただくきっかけになればと考えました。

当日のアンケートでは、味や舌触り、食感について高い評価が寄せられました。一人ひとりの「食べる力」に合わせながら、食事の楽しみも大切にすることを、ひと口の体験を通して共有できた時間になりました。

その先にいる「誰か」の「おいしい」を思い浮かべて

講演や体験ブースを通して語られていたのは、食べる機能だけでなく、その人がどのような生活を送り、どのような食卓を取り戻したいのかを考えることの大切さでした。

主催者である新宿食支援研究会は、開催後のレポートで「食支援は生活支援である」と記しています。
https://shinnshokukenn.org/posts/post10.html

食べることはその人らしい一日や、人と過ごす時間にもつながっています。
ナリコマのブースで専門職の方々から聞かれた「おいしい」という声は、ご自身の感想であると同時に、その先でこの食事を口にする誰かへ向けられた言葉のようにも感じられました。

特に心に残ったのは、ご家族のために、普段からミキサー食をつくられている方との出会いです。

自分がつくった料理を食べてもらいたい。けれど、安全に食べてもらうための難しさも感じている。その言葉からは、毎日の食事に込められた想いと、試行錯誤の日々が伝わってきました。

食べることを支えるのは、食事を用意することだけではありません。どのような食形態が合っているのか。安心して食べてもらうにはどうすればよいのか。そして、本人が食事を楽しめているか。多くの想いを巡らせて、一人のひと口にたどり着くのだと改めて感じました。

食支援は、可能性をみんなで見つけていくこと

フォーラムの講演では、食べられる可能性が残されていても、安全への不安から、口から食べることをあきらめてしまう場合があるというお話もありました。

もちろん、誰もが必ず口から食べられるわけではありません。身体の状態を見極める専門的な判断と、周囲の連携が欠かせません。それでも、「食べられるかもしれない」と気づき、適切な専門職へ相談することは、その人の選択肢を守る一歩になります。

食支援について知ることは、食べることを無理にすすめるためではなく、残されている可能性を見落とさないためにあります。講演を通じて、その大切さをあらためて考えました。

食支援は、専門職、ご家族、地域、そして食事をつくり届ける人が、それぞれの知恵や経験を持ち寄ることで成り立ちます。そうすることで、一人ひとりに合った食のあり方が見つかっていきます。

ナリコマにできるのは、食べる力に配慮した食事を届けること。そして現場の皆さまとともに、安心して食べられることと、食事を楽しめることの両方を考え続けることです。

ひと口を味わうことから始まった対話を、これからの一食へ。ナリコマはこれからも、食べる人と、その人を支える皆さまの声に耳を傾けながら、「食べる楽しみ」が続く方法を考えていきます。

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