Project Story 03

開発課・献立課・管理課

新製法の確立に向けた
新レシピの構築

プロジェクトの概要

安定した製造の実現と5年10年先の労働人口減少を見据え、より生産性が高いミキサー・ゼリー食を導入するためのプロジェクトが発足。製造機器の選定の上でレシピを作成し、新しい製造工程を確立することにより、「介護食の物性並びに粒度の安定化」「使用食材の適正化」「安定生産」「SDGs・ロス削減」の実現を目指した。なお、本プロジェクトは2024年1月の製造開始で一旦区切りではあるが、現在もより良い商品を作るために日々、改善を重ね続けている。

プロジェクトメンバー

  • M.H

    商品企画部 部長

    商品企画部の部長として、本プロジェクトの全体マネジメントに携わる。

  • S.K

    商品企画部 開発課 主幹

    工場で介護食製造経験を積んだ後、商品企画部開発課に所属し開発分野に携わる。本プロジェクトでは、レシピ開発を担当。

  • U.A

    商品企画部 開発課 係長

    食品会社で生産管理を経験後、ナリコマへ入社。商品開発で介護食を担当している。本プロジェクトでは、レシピ開発を担当。

プロジェクトの背景

安定した商品製造を実現するために、従来の製法の課題を解決する。

M.H

従来の製造方法は、人によって調整するところが大きく、粉砕する際の水分量などが統一できないなど、さまざまな課題がありました。そして、この課題によって、安定した製造ができないという問題につながっていました。この課題を解決し、安定した製造、日々同じクオリティーで仕上げられる新製法の検証に入ったことが本プロジェクトの趣旨でした。

S.K

旧製法では、食材粉砕にオペレーターのスキルを要し安定した商品づくりに苦慮していました。また、安定した製造と同時に、物性の安定化や食材の味をさらに感じていただきお客様に喜んでいただけるような商品開発も求められていました。

プロジェクト進行の方向性

PDCAを回しながら都度相談。最適解を模索しながらプロジェクトを進行。

S.K

新製法で新規導入予定のデモ機を使用し、試作を繰り返し行いました。物性測定、粒度分析、官能評価を経てレシピを確立していく、という流れで進行を進めていきました。

U.A

進行については、都度、上長と相談しながら進めていきました。大きなプロジェクトということもあり、スタート当初は期日の製造日に間に合うようにレシピが確立できるかどうか不安な部分がありましたが、上長や部署内メンバーに相談することで、レシピの作成や修正などに対する協力体制を作ってくれたことや、商品のクオリティーについても、その都度相談しながら進めていくことができたため、当初の不安というのは解消されて進めることができました。

プロジェクトで待ち受けた課題

製造クオリティーに対してのバランス感覚と1から商品レシピを確立していく必要性。

M.H

ナリコマの理念にある「食を通じて喜びを提供する」という部分から解離しないよう、製造のクオリティーをどこまで上げられるかという課題が大きかったです。食材比率が上がり、嚥下基準、栄養価を整えたあと、舌触りや凝固性をお客様の求めるレベルに合わせるためのバランスをどこでとるのか。製法を変え、食材の味を生かすとなった時に、食材をどこまで入れるのが最適かという判断が必要になるのですが、お客様の好みによるところもあるので、商品製造にはさまざまな要素を考慮したバランス感覚が必要でした。

S.K

新製法になることで粉砕機も変わりますので、ナリコマの持つ数多くの商品レシピを全て1から構築する必要もあり、頭を抱えました。

U.A

数多くの商品をスケジュール通りに検証しながらレシピを確立していくというのは本当に厳しい状況でした。

どのように課題を乗り越えたのか

製造クオリティーについては現在模索中。レシピはシステム化によって課題を解決。

M.H

製造のクオリティーに関しては、試行錯誤を繰り返した結果、最適なバランスで提供できたとは思っていますが、現在、お客様からのお声を集めている最中で、今まさに探っている状態です。

U.A

レシピ作成に関しては、他部署と連携し、レシピ作成をシステム化させることによって、半自動での作成が可能となり、レシピ作成の効率化を図れたことで、滞りなく進めることができました。

プロジェクトによって得られた成果

滅多に経験できない大プロジェクト。メンバーの成長につながる大きな学び、経験となった。

M.H

製造方法を一新し、全商品を対象とすることは、これまでもこれからも続く会社の歴史の中でも滅多に経験できることではないと思います。チームメンバーは、さまざまな課題に直面し大変だったこともあったと思いますが、とても良い経験ができたと思っています。特に、今後5年、10年後に、このプロジェクトに参加した若手メンバーが活躍するための経験になったと確信しています。

S.K

このプロジェクトでは、本当に良い経験をさせていただきました。チームメイトの大切さ、アドバイスをいただける上司の助言のありがたさ。そして、困難に直面した際の、自身のメンタルコントロール。本当に多くのことを学ぶことができました。

U.A

全商品のレシピ構築を任せていただけたことで、開発課としての自信のスキルアップができたこと、また他部署との連携の大切さを学びました。
今回のプロジェクトでは、検証段階で関係性を構築出来ていたことから、本製造開始してからの更なる商品改良のへの早めの対応が可能となり、今後の他のプロジェクトでも活かせる経験となりました。

プロジェクトを通じて感じた仕事のやりがいと面白さ

関わったメンバーみんなの成長と、お客様に新しいレシピを召し上がってもらえるという喜び。

M.H

マネジメントの立場になると、自分がどうこうではなく、会社の最大限の利益を生み出すことや安心安全な商品を提供することに注力することになります。もちろん人材育成もその一つですので、自分が全てやるわけではなく、みんなを成長させていきながら進めていくことを求められています。そんな中で、部下やチームメンバーの成長をともに経験できることが仕事のやりがいであり面白いところだと、本プロジェクトを通して改めて強く感じました。

S.K

今回のプロジェクトで、従来の製法から新製法に代わるという大きな変化に自身が携われたということ。そして、その経験を通じて成長できたことが仕事の本質であり面白いところだと感じました。

U.A

大変だったこともたくさんありましたが、多くのお客様に自分たちで作ったレシピの商品を召し上がっていただけることが、今何よりも嬉しいと感じています。

プロジェクトの完了後

新製法の製造開始で一区切りも、より良い商品づくりのために終わりなき改善を続けていく

プロジェクト自体は新製法での製造開始をもって一区切りしましたが、まだ新製法がスターしたばかり。これから先の工程整備や、セントラルキッチンへの移管をもって完了となります。ただ、より良い商品づくりへの開発業務には完了がありません。現在もなお、本製造確認しながら都度レシピや工程を改善し続けています。

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