最低賃金改定は、人件費の増加だけでなく、扶養内で働くための勤務時間制限などにより、人手不足を加速させる可能性があります。厨房の人手不足に対応するには、最低賃金と厨房業務改革を同時に進めることがポイントです。
この記事では、最低賃金改定で懸念される課題を整理しながら、「メニュー固定化」「再加熱導入」「業務分離」に注目した厨房業務改革の施策をご紹介します。これらの施策を組み合わせる際に役立つ、ニュークックチル方式を活用した業務設計のヒントも解説します。病院や介護施設の厨房運営に課題を抱える担当者さまは、ぜひご参考ください。
目次
最低賃金改定で懸念される課題

2025年度の最低賃金改定により、全国的に大幅な引き上げが行われました。引き上げ額は63円~82円、引き上げ率は5.4%~8.6%で、最低賃金の時間額は全国で1,000円を超えています。最低賃金改定により、仕事への意欲向上や生活水準の改善などのメリットが期待される一方で、企業側にはデメリットもあります。
最低賃金改定で懸念される課題としては、以下のような点が挙げられます。
- 人件費増額による経営負担
- 時給ベースの上昇による採用競争力の低下
- 扶養内で働く従業員の勤務時間削減
- 役職間の給与差縮小による従業員のモチベーション低下
これらはいずれも人手不足につながる要因です。すでに慢性的な人手不足が続く病院や介護施設の厨房では、最低賃金改定による影響を最小限に抑えるための対策が求められます。
厨房業務改革に役立つ施策3選

ここでは、厨房業務改革に役立つ施策として「メニュー固定化」「再加熱導入」「業務分離」を軸にポイントを解説します。
メニュー固定化で生産性をアップ
メニューの固定化は、生産性の向上につながります。厚生労働科学研究成果データベースにある「特定給食施設等における適切な栄養管理業務の運営に関する研究」では、医療施設の給食運営で効率的・効果的な業務の推進に必要な要点の一つとして「食数の低減」が挙げられています。また、介護老人保健施設の給食運営においても、提供する副食の食形態数が7種類以上になると労働生産性が低くなるため、6種類までの集約が望ましいことが考察されています。
とはいえ、食数や食形態数を単純に減らすことは容易ではありません。そのため、献立を整理し、できるだけ無駄を省いて効率的に作れるメニューを固定化する工夫が役立ちます。カット野菜や冷凍食材、調理済食品などの活用も労働時間の短縮に効果的です。メニューを固定化する際は、人気メニューを残しつつ飽きの来ない構成を意識しましょう。食事の質を維持し、栄養不足を招かないよう配慮することも欠かせません。

再加熱導入で調理工程を効率化させる
新調理方式と呼ばれる、クックフリーズ・クックチル・真空調理などは、調理工程を効率化させるのに役立ちます。従来のクックサーブ方式では、加熱調理後にすぐ提供する必要があり、毎食ごとに同じ工程を繰り返さなければなりませんでした。クックフリーズ・クックチル・真空調理はいずれも、加熱調理後に急速冷却を行い、冷凍や冷蔵保存したうえで提供前に再加熱して盛り付けや配膳を行います。調理後に保存できるため、クックサーブ方式と比べて調理の効率化が可能です。
中でも、クックチルの進化系であるニュークックチル方式は、チルド状態で事前に盛り付けまで行い、専用の再加熱機器に保存して自動で再加熱できる点が特徴です。あらかじめ食事を準備できるため、朝食のための早朝勤務を削減でき、厨房の人手不足対策としても注目されています。
業務分離で厨房業務を整理
厨房の効率化では、役割分担などの業務分離も役立ちます。スタッフごとの作業を明確にし、効率が上がるように分担しましょう。分担を行う際には、作業動線の確認も欠かせません。スタッフ同士がぶつからずスムーズに作業できるよう、動線を意識した役割配置がポイントです。また、自動調理機器や配膳ロボットなどの活用も、業務分離を支え、人手不足対策に効果的です。
病院や介護施設では、自施設の厨房で調理する方法だけでなく、給食委託会社のサービス、セントラルキッチン、他社の完全調理済み食品などを活用した施設外調理を取り入れる方法もあります。厨房業務の全体像を俯瞰し、コストも含めて検討しながら、自施設に最適な業務分離の形を探してみてください。
「メニュー固定化」×「再加熱導入」×「業務分離」は統合可能

先述した厨房業務改革施策3選の「メニュー固定化」「再加熱導入」「業務分離」は、組み合わせて進めることも可能です。例えば、自施設に再加熱機器を導入してニュークックチル方式を採用すると、料理の作り置きが可能となり、メニューの固定化も行いやすくなります。また、外部のクックチル食品やクックフリーズ食品などを活用すれば、自施設の厨房では再加熱と盛り付けのみの作業で提供できるため、業務分離が行いやすいです。現在の厨房の課題を整理したうえで、よりメリットの大きい統合方法を検討してみてください。
ニュークックチルの業務設計のヒント

ニュークックチルの導入では、自施設の厨房環境や運営計画に適した導入方法を見極めることが大切です。ニュークックチルにはデメリットもあるため、あらかじめ対策方法を検討したうえで業務全体の設計を進めていきましょう。
ニュークックチルの導入方法とは?
ニュークックチルの導入方法は、調理を行う場所によって異なります。自施設内にある厨房で調理から行う場合や、自社で運営するセントラルキッチンを活用する場合は、メニューの調整や環境整備、スタッフのトレーニングなどさまざまな準備が必要です。
一方で、他社が製造したニュークックチル食品を導入する場合は、調理工程を大幅に削減でき、チルド状態での盛り付けから作業を開始できます。ただし、どの導入方法であっても、再加熱機器は必要です。
ニュークックチルのデメリットと対策ポイント
ニュークックチル導入で大きなデメリットとなるのは、再加熱機器の準備などにかかる初期コストです。初期コストは避けられないため、現状と比較して将来的に人件費をどれだけ削減できるかが検討のポイントです。また、専用機器や食品をストックしておくスペースも必要になるため、厨房の面積も踏まえて最適な配置を検討しましょう。
さらに、ニュークックチルでは、ニュークックチルに適したメニュー選定が必要です。再加熱の工程と相性の悪いメニューもあるため、献立が限定されることでマンネリ化する可能性があります。ニュークックチル用のメニュー開発を新たに行う、または外部製品を活用するなど、工夫を取り入れながら対応していきましょう。
ナリコマのニュークックチルの特徴
ナリコマでは、ニュークックチルと相性の良い食材を考慮したうえで、ニュークックチル専用の献立をご用意しております。献立サイクルは以下の2種類です。
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種類 |
すこやか |
やすらぎ |
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献立サイクル |
365日 |
28日 |
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おすすめの施設さま |
入院生活が長い患者さまのいる病院や福祉施設 |
入院期間が短い急性期・回復期病院 |
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魅力 |
・和食から洋食まで種類豊富で、行事食や歳時食、郷土料理がある ・普通食と介護食の4形態は、横並びの同一献立 |
・制限したい成分別に治療食への展開が可能 ・食事摂取基準に従った献立で、栄養価差異を1日±5%以内に抑制 |
ナリコマには、嚥下力や咀嚼力に合わせた、普通食・ソフト食・ミキサー食・ゼリー食の4形態のお食事をご用意しております。アレルギーなどの禁食には別献立で対応可能なためご安心ください。
ナリコマは導入前から導入後まで一貫してサポートします!

ナリコマでは、厨房の現状を詳しくお伺いしたうえで最適なプランをご提案し、導入までのサポートはもちろんのこと、導入後も運営状況に応じて継続的にサポートいたします。
【サービスご利用の流れ】
1.ヒアリング:食数や運営費、スタッフ数など現状を詳しくお伺いいたします。
2.計画・お見積りのご提案:厨房運営のプロが最適な運用プランをご提案いたします。
3.ご契約:お見積り金額にご納得いただけましたら契約へと進みます。
4.運営開始後:スムーズな施設・厨房運営をサポートいたします。
5.導入後:運営状況の把握や分析を行い改善策をご提案いたします。
HPやお電話にて、無料のご相談を承っております。まずは一度お気軽にご相談ください。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
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