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近年の人手不足の影響も受け、厨房業務にはさまざまな課題があります。今回は、どうすれば厨房業務の効率化ができるのか?について、効率化のコツや人手不足の解消にもつながる対策方法、クックチルが役立つポイントについて解説します。病院や介護施設の厨房業務管理にお悩みの際にもぜひご参考ください。

厨房業務を効率化する基本ポイント

厨房業務をいかに効率良く行うかについては、病院や介護施設に限らず一般の飲食店でもさまざまに検討されています。まずは、厨房業務を効率化させる一般的なポイントを解説します。

メニュー内容を調整する

厨房業務の時間や手間がかかる原因には、作る料理の内容や献立も大きく影響します。時間がかかる料理や、作るのに手間がかかる作業が多い献立だと、時間や労力の負担も大きくなるでしょう。そのため、まずは根本的なメニュー内容を見直して調整すると効率化に役立ちます。

 

同一の献立内に仕込みや調理に時間がかかる料理を複数含めないようにするなど、組み合わせを工夫するのも一つの方法です。献立の質をキープするために、メニュー内容の調整では人気の度合いもあわせて検討してみましょう。

作業の動線を見直す

厨房業務の効率化では、動線の見直しも役立つポイントです。調理作業時に、コンロと作業台を行ったり来たりする時間のロスがある、混雑していて上手く動けずほかのスタッフとぶつかることが多い、などがあるとスムーズな動きができず作業の効率が悪くなります。

 

調理・提供・片付け・掃除などの全工程で動線を意識して、個々のスタッフが動きやすく、スムーズに作業が進む環境にすることが大切です。そのためには厨房のレイアウトを変えることも意識してみましょう。調理器具や食器の置き場所を変えるだけでも改善につながることがあります。

調理時間の短縮を工夫する

調理全体の時間が負担になっているときは、個々の料理の調理時間を短縮させる工夫も役立ちます。下処理、加熱、盛り付けなど、調理の工程ごとに無駄な作業がないかを見直してみましょう。複数の料理や多量に使う食材をまとめて下ごしらえする、一つの調理作業を行う担当を決めるなど、導線を意識して時間を短縮できる部分を探すのもポイントです。

 

また、調理に使う機器選びも効率化につながります。例えば、フードプロセッサーを使えば手間のかかるみじん切りも簡単に行えます。近年では便利な調理機器がさまざまにあり、焼く・炒める・茹でる・揚げるなどの自動調理が可能です。食器洗浄機を使えば、片付けの手間も削減できるでしょう。

厨房業務をマニュアル化する

効率良く作業を行うためには、スタッフ全員が改善点を理解したうえで行動できることが大切です。そのために、改善したことを共有するためのマニュアルを作りましょう。調理前の準備から掃除まで全体の流れをマニュアル化し、個々のステップについてもわかりやすく共有するのがコツです。

 

マニュアル化されていない部分を見つけることで、さらなる効率化の糸口も見えてくるでしょう。マニュアル化は、厨房業務の効率化だけでなく、以前と同じ品質を保ち衛生面も含めて安全な作業を行ううえでも役立ちます。マニュアルによって効率が悪くなってしまうケースもあるため、マニュアルは適宜見直しを行うことも大切です。

厨房業務の効率化を妨げる人手不足問題

近年、社会全体の雇用情勢において人手不足は重大な問題となっており、厚生労働省でも「令和6年版 労働経済の分析-人手不足への対応-」の中で詳しく取り上げられています。中でも、介護分野の人手不足は深刻化しており、厚生労働省が2024年に公表した「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」では、2026年度には今よりもさらに約25万人の介護職員が必要とされ、2040年度までにはその2倍以上となる約57万人の介護職員が必要とされています。

 

また、2024年に公表された日本医療労働組合連合会による「2023年 日本医労 病院給食実態調査」では、病院給食の運営形態として全面委託や一部委託が約70%を占めており、その理由の1位は人手不足です。しかし、人手不足は社会全体の問題になっているように、給食業界そのものの人手不足問題も深刻化しています。

 

これらの現状を踏まえると、人手不足が厨房業務の妨げになっている場合、単に現在の厨房業務を効率化しただけでは課題解決には不十分であることもうかがい知ることができます。

 

参照:厚生労働省「令和6年版 労働経済の分析-人手不足への対応-」2024年

参照:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」2024年

参照:日本医療労働組合連合会「2023年 日本医労 病院給食実態調査」2024年

厨房環境の見直しで人手不足も解消

人手不足の課題解決には、少人数で効率良く業務をまわす工夫に加えて、多くの人が働きやすい業務に改善することもポイントです。病院や介護施設の給食現場は早朝勤務などもあり、勤務時間のシフトがきついことで人が集まりにくい場合もあるでしょう。そのため、厨房環境そのものを大きく見直すことも役立ちます。下記では、具体的な解決策のポイントを解説します。

自動化できる調理機器の活用

厨房業務の一般的な効率化に役立つ自動調理できる機器は、セットしておけば調理時間中はほかの作業を行えるため、人が行う調理工程を直接削減できます。また、焼き具合や揚げ具合の目安なども機械にセットするだけで良いため、調理の専門知識や技術がなくても使いやすく、スキルの差に関係なく誰でも活かせるメリットがあります。

給食管理システムの導入

給食に関する業務には、実際の調理以外に、食材管理や献立考案などの業務もあります。これらの業務管理に、給食管理システムを導入するとより効率良く行えるでしょう。給食管理システムによって手作業の手間を減らせば、費用の管理や給食管理の人的な労力を削減することができます。

調理方式の変更

厨房の人手不足解消や業務効率化では、調理方式の変更も注目されています。調理方式には、クックサーブ、クックチル、ニュークックチル、クックフリーズ、真空調理などの種類があります。以下はそれぞれの特徴です。

 

  • クックサーブ:調理の下処理から提供までを食事の度に行います。
  • クックチル:まとめて調理してチルド保存しておき、食事ごとに再加熱と盛り付けをして提供します。
  • ニュークックチル:クックチルの進化系で、チルド保存状態で盛り付けまで行い、食事直前に再加熱して提供します。
  • クックフリーズ:調理後に急速凍結させ冷凍保存し、食事ごとに再加熱と盛り付けをして提供します。
  • 真空調理:下処理をした食材を調味料と共に真空パックに入れ、低温加熱調理を行い、チルド保存または冷凍保存しておき、食事ごとに再加熱と盛り付けをして提供します。

 

従来のクックサーブ方式で上手くいかない場合は、その他の調理方式に変更することで解決につながることがあります。

クックチルで厨房業務をさらに効率化!

調理方式の変更では、クックチルの活躍も目立っています。クックチルは、一度に大量調理してチルド保存しておけば最大で5日間の日持ちが可能なため、効率良く調理するのに最適です。食事ごとに再加熱と盛り付けのみで提供できるため、1食ごとの業務量を大幅に削減できるでしょう。

 

クックチル食品は、自社で一から準備する場合に限らず、他社の製造したクックチル食品を利用する方法もあります。クックチル食品を活用すれば、栄養士が献立を考える必要もなくなり、厨房に関わる業務負担の軽減にも役立ちます。

病院や介護施設のクックチル運営はナリコマにおまかせください

ナリコマには、病院や介護施設に特化したサービスがあり、クックチルとニュークックチルに対応しています。それぞれの調理方式に適した献立があり、炒める・煮る・焼く・茹でる・蒸す・揚げるなどの加熱方式を適宜組み合わせることで、家庭料理に負けないおいしい食事の提供に努めています。

 

最低限の厨房設備で食事提供が行えるほか、ニュークックチルなら朝夕の無人化が可能となり人手不足の課題解決に役立ちます。専任のアドバイザーが運営状況から分析を行い、厨房運営を根本から支援しますので、厨房業務改革が初めての施設さまもご安心ください。導入実績も豊富にあり、さまざまな施設さまからお喜びの声をいただいております。資料請求や無料相談から承っておりますので、まずは一度お気軽にご相談ください。

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