病院や介護施設の厨房をはじめ、給食業界や飲食業界など食に関わる幅広い分野で人手不足の課題解決が求められています。そこで近年注目されているのが、AI調理ロボットや自動調理システムです。限られた人員でも効率的に食事を提供できるように、さまざまな技術が開発されています。
加えて、高齢者に提供する食事では介護食作りが必要です。しかし介護食作りは手間がかかるうえに、メニューのマンネリ化や見た目がおいしそうに見えないなどの課題もあり、食べてもらえないことで低栄養につながるリスクもあります。
そこでこの記事では、人手不足解消や介護食作りの課題解決に役立つ最先端技術について解説します。AI調理ロボットの機能や、導入事例、コスト比較のポイントに加え、介護食自動調理の可能性を踏まえたこれからの未来像や、嚥下食対応に役立つクックチル食品についても解説しますので、ぜひご参考ください。
目次
AI調理ロボットに任せられる機能とは?
調理ロボットの主な特徴は、今まで人が行ってきた調理作業の自動化です。省人化を成功させると共に、人の作業に劣ることのない品質を提供できることも望まれます。調理ロボットには、センサーや制御アルゴリズムと呼ばれる操作のための法則や実現させる手順などが組み込まれており、さまざまな調理作業を担うことができます。例えば、調理ロボットは下記のような調理作業の自動化が可能です。
- 食材を切る
- 食材を混ぜ合わせる・調味料の追加
- 茹でる・炒める・揚げるなどの加熱調理
- 調理後の食品を盛り付ける
- 調理器具を洗浄する
調理ロボットの多彩な機能
調理ロボットの機能は個々に異なり、独自性に優れた機械がさまざまにあります。茹でる・炒める・揚げるといった一般的な加熱調理作業を自動化できる機器は家庭用にも見られ、複数の調理方法を一台でこなせるシステムを備えた機器もあります。業務用の機器では、焼くのみ・茹でるのみ・揚げるのみなど個々の調理方法に特化した機器から、調味料を鍋に入れる作業や鍋の洗浄までを自動化できる機器まであり、対応業務範囲は幅広いです。

調理ロボットにおけるAIの役割
調理ロボットは求められる機能に合わせたシンプルな構造もあり、全ての調理ロボットにAIが組み込まれているわけではありません。より人の作業に近い繊細な業務を任せたいといった場合には、調理ロボットにAIを取り入れると複雑な調整が可能となります。
例えば、AIに調理の品質や料理人の技術などを学習させると、数値化した情報を元に調理時により詳細な調整ができるようになります。カメラやセンサーなどで食材の状態を認識し、調理時間や火加減を調整するといった作業を自動で行うことが可能です。また、レシピデータをAIに学習させて活用する機能も見られます。
従来のAIは情報を学習して適切な回答を提示するという性質にとどまっていましたが、生成AIの登場によって新たなオリジナルの回答を生み出すことが可能となりました。近年では、AIを取り入れて、入力した材料に合わせたオリジナルレシピを生成するツールや、料理動画を見て料理を再現できる調理ロボットなどが開発されており、今後の調理ロボットの発展も期待できます。
参考:ケンブリッジ大学 Robot ‘chef’ learns to recreate recipes from watching food videos 2023年
調理ロボットの導入事例とコスト比較
調理ロボットはさまざまな飲食店で導入され始めており、下記のような導入事例があります。
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調理ロボットの種類 |
得られたメリット |
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かき氷調理ロボット |
・かき氷の調理技術習得時間を約1/3に短縮できた。 ・氷を削らせている間に他の作業をすることができ、作業効率が向上した。 ・かき氷の品質が安定した。 |
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炒め調理ロボット |
・混雑時の料理の提供時間を短縮でき、客数が増えた。 ・新メニューの提供につながり人気を得られた。 ・導入店舗の拡大に成功。 |
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パスタ調理ロボット |
・1食あたり約45秒のスピードで連続調理が可能。 ・従来と比較して2倍以上の高温調理が可能となり、品質の向上が期待できる。 |
いずれの場合も、スタッフの業務負担を軽減でき、作業の自動化で省人化や業務効率化に役立ち、よりメリットの多い環境につながったことがうかがえます。
参考:PR TIMES 研修時間が約1/3に短縮。プロントコーポレーションにおけるかき氷の全自動調理ロボット「Kakigori Maker」の導入事例インタビューを公開 2025年

コスト比較はメリットと導入方法を検討
調理ロボットの導入では、コストが高額になるデメリットがあり、機種によって費用が大きく変わることがあります。例えば、一つの機能に特化した調理ロボットは、1台数十万円で購入できる場合もあります。しかし、高性能な調理ロボットでは、1台5百万円を超える場合もあり、機種によって金額はさまざまです。また、運用ではメンテナンス費用も必要です。
そのため、導入前に運用計画を綿密に立てるのがおすすめです。先述したように、調理ロボットの導入でさまざまなメリットが期待できますが、現在の課題解決に必要な機能とのバランスも大切です。調理ロボットのメリットはケースバイケースで万能ではないため、導入によって現状の全ての課題を解決できるとは限りません。導入したい調理ロボットで得られるメリットを想定し、コストをかけても利益を得られるかどうかをよく検討しましょう。
介護食自動調理が可能な未来
介護食作りに役立つ専用機器は一般的に見られるものの、介護施設ではまだ介護食を自動調理できるAI調理ロボットは広く活用されていません。しかし、年数を追うごとに介護ロボットの開発が進み、移乗支援や食事配膳などに役立つロボットの導入事例も見られることから、今後の発展が期待できます。

近年では、3Dフードプリンターで通常食のように見える介護食を作り出す技術や、AIに味を推定させて再現させる技術なども開発されています。こうした技術の発展により、おいしい介護食を自動調理できる調理ロボットが介護施設で一般的に普及する未来も夢ではないといえるでしょう。
参考:山形大学 3Dプリンタで介護食革命、「食べる」を楽しく、介護を楽に。 2019年
明治大学 AIに味を推定させ、産地の違いも再現する調味装置「TTTV3」を明治大学 総合数理学部 宮下芳明研究室が発表 2023年
介護食作りの課題解決&人手不足解消のコツ
介護施設の厨房の課題解決では、クックチルやニュークックチルなどの新調理方式による自動調理システムに注目するのも役立ちます。厨房の業務効率化や省人化にもつながるため、人手不足解消も期待できるでしょう。
クックチルとニュークックチルの特徴
クックチルは、加熱調理した食品を急速冷却させてからチルド保存しておき、食事のタイミングで再加熱を行い、盛り付けて提供するシステムです。ニュークックチルはクックチルを応用したシステムで、チルド状態で盛り付けまで行っておき、食事のタイミングに合わせて専用機器で自動で再加熱を行い、そのまま提供することができます。どちらも事前に調理を行い食品を保存しておけるため、食事提供前の業務負担を軽減できます。

スチコンや再加熱カートの自動調理システム
クックチルやニュークックチルの調理に使用されるスチコン(スチームコンベクションオーブン)は、温度や時間などを設定するだけで簡単に加熱調理のコントロールができます。焼く・蒸す・茹でる・煮る・揚げるなど、調理可能なメニューは多岐にわたり、料理の再加熱も可能です。食品を機器にセットした後は自動調理のため、その間に他の作業を行うこともできるでしょう。メニューを記録できる機能も見られ、最初に設定しておけば簡単な操作で調理を任せることが可能です。
また、ニュークックチルに使用する再加熱カートは、配膳時間までカート内でのチルド保存が可能で、配膳時間に合わせて再加熱設定をしておけば、配膳のタイミングで自動的に温めてくれます。温食と冷食のスペースが分けられており、個々の料理に合わせた最適な温度で仕上げられるのも便利なポイントです。
嚥下食対応のクックチル食品
クックチルやニュークックチルシステムでは、他社のクックチル食品の導入でさらに業務効率化や省人化を実現できます。クックチル食品には、ソフト食やミキサー食などの嚥下食対応の製品もあるため、これらの製品の利用で介護食作りの作業自体を削減することも可能です。
ナリコマは介護食や食物アレルギーに対応しています!
ナリコマは、クックチル・ニュークックチルシステムに対応しており、介護食や食物アレルギーへの対応も可能です。嚥下力や咀嚼力に合わせて4形態の食事をご用意しており、普通食・ソフト食・ミキサー食・ゼリー食があります。全て横並びの同一献立で提供しておりますので、見た目が変わっても普通食と変わらない味わいをお楽しみいただけます。
導入においては、詳細なコスト予測に役立つコストシミュレーションサービスを設けておりますので、まずは一度お気軽にご相談ください。

クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
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