最低賃金の引き上げが続く中、同時に進められているのが働き方改革です。一見すると別々のテーマに見えますが、現場では「人件費が上がる一方で、人は増やせない」「業務負担は減らしたいが、やり方が分からない」といった悩みとして重なって表れています。
とくに厨房業務を抱える現場では、働き手不足や欠員による人的リスクが顕在化しやすく、従来のやり方のままでは立ち行かなくなるケースも少なくありません。最低賃金と働き方改革をどう受け止め、どこから手を付けるべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、最低賃金と働き方改革の関係を整理しながら、業務負担軽減や人的リスク低減の考え方を解説します。あわせて、厨房業務の省人化を進める手段の一つとして、ナリコマのクックチルという選択肢についても紹介します。
目次
最低賃金の引き上げが現場の働き方を変えている理由
最低賃金の引き上げは、単に「時給が上がる」という話にとどまらず、現場の働き方や人の配置、業務の進め方にも影響を及ぼしています。特に人件費の比率が高い現場では、最低賃金の動向が、そのまま運営や働き方の見直しにつながります。
最低賃金の引き上げによって、なぜ現場の働き方を変えざるを得ないのか、その背景を整理していきましょう。

最低賃金の引き上げは人件費と採用条件に影響する
最低賃金が引き上げられると、アルバイトやパートの時給が底上げされ、正社員との給与差が縮まりやすくなります。その結果、役割や責任の違いがあっても賃金差を感じにくくなり、正社員側のモチベーションや評価のバランスに悩む現場も出てきます。労働者一人あたりの賃金が上がれば、企業が負担する人件費や社会保険料も増加し、限られた予算の中で人材確保や運営を行う難しさが高まっていきます。
一方で、厚生労働省の調査では、賃金の引き上げが、従業員のやる気の向上や離職率の低下につながる可能性があることも示されています。最低賃金の引き上げは、単にコスト増につながるだけでなく、働き手の定着や職場への安心感に影響を与える側面も持ち合わせているのです。
しかし、すべての事業者が十分な賃上げ余力を持っているわけではありません。特に中小規模の現場では、人件費の増加がそのまま経営や採用条件に跳ね返り、「人を増やしたくても増やせない」「条件を上げたくても難しい」といった状況に直面しやすくなっています。
その結果、最低賃金の引き上げは、採用や人材確保のあり方を見直すきっかけとなり、人を増やす前提の運営から、業務の進め方そのものを見直す必要性を現場に突きつけているともいえるでしょう。
業務の見直しが避けられなくなる
最低賃金の引き上げによって人件費が増えると、これまでと同じ人数・同じ業務量を前提とした運営は、徐々に成り立ちにくくなっていきます。人を増やして対応しようとしても、採用が難しく、コスト面でも負担が大きくなりがちです。そのため、現場では「人を増やす」ことよりも、「仕事の量や進め方をどう減らすか」という視点が求められます。負担が集中している作業や、工夫次第で減らせる業務がないかを見直すことが、避けて通れない状況になっています。
最低賃金の引き上げは、単なるコスト増ではなく、次の章で触れるような業務の見直しにつながるきっかけにもなっています。
働き手不足を悪化させない業務負担軽減策
最低賃金の引き上げや働き方改革が進む中で、現場では「これ以上人を増やせない」という前提での運営が求められるようになっています。だからこそ大切なのは、限られた人数でも無理なく回せるよう、業務の負担をどう軽くしていくかという視点です。
働き手不足をさらに深刻化させないために、現場で取り組みやすい業務負担軽減の考え方を整理してみましょう。

業務を見える化すると負担の偏りが見えやすくなる
日々の業務は、忙しさの中で当たり前のようにこなされているものが多く、どこに負担が集中しているのかが見えにくくなりがちです。業務を一度書き出して整理してみると、「特定の人に作業が偏っている」「実は手間がかかっている工程がある」といった点が浮かび上がってきます。業務を見える化することで、無理が生じている部分に気づきやすくなり、負担軽減の第一歩につながります。
属人化を解消すると働き手不足でも回しやすくなる
特定の人しか対応できない業務が多い状態では、欠員が出た際に現場が一気に回らなくなってしまいます。働き手不足が続く中では、「その人がいないと困る」業務をできるだけ減らし、誰でも対応できる形に整えていくことが重要です。手順を整理したり、役割を分け直したりすることで、業務を属人化させず、少ない人数でも回しやすい体制をつくることができます。
設備投資と運用変更で省人化が進めやすくなる
業務負担の軽減は、人の工夫だけで行おうとすると限界があります。設備の導入や運用方法の見直しによって、作業そのものを減らすことができれば、働き手不足の影響を受けにくい体制につながります。こうした取り組みを後押しする制度として、業務改善助成金などの支援策も用意されています。業務改善助成金は、事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げる計画とあわせて、生産性向上につながる設備導入や業務改善に取り組む場合に、その費用の一部が助成される制度です。制度を活用しながら、少しずつ省人化を進めていくことも、現実的な選択肢の一つといえるでしょう。
働き手不足による人的リスクを減らすために
働き手不足が続く現場では、日々の業務を回すことが優先されがちですが、その裏で人的リスクが静かに高まっていくケースも少なくありません。

人的リスクとは
人的リスクとは、従業員の行動や健康状態、心理的な負担などに起因して発生するリスクのことを指します。人手が足りない状態が続いてしまうと、一人ひとりにかかる業務負担が大きく増え、ミスや体調不良、メンタル面の不調などにつながりやすくなります。単に業務が回りにくくなるだけではないのです。結果として、現場の安定運営そのものに影響を及ぼしてしまう可能性があるため、早めの対策が必要でしょう。
働き手不足で支障がある業務を洗い出す
働き手が不足すると、どうしても一人あたりの業務量が増えてしまいます。無理のある働き方を避けるためには、どんな業務で負担が大きくなっているのか、どの工程が障壁になっているのかを洗い出すことが大切です。人的リスクにつながりやすい作業が見えて来るでしょう。
業務軽減対策を考える
病院や介護施設の厨房は、早朝勤務や毎日3回の食事の提供、食形態変更への細かな対応など、業務量はどうしても多くなってしまいがちです。負担が大きい状態が続くと、疲労やストレスの蓄積から欠勤や離職する、といった人的リスクにつながる場合もあります。
働き方改革を進めるには、個々の努力に頼るのではなく、業務量そのものを減らしていく動きが必要です。厚生労働省が実施している働き方改革推進支援助成金では、労働時間の短縮や業務効率化につながる取り組みに対して支援が行われており、設備導入や運用変更を進める際の後押しになります。こうした制度も活用しながら、無理のない働き方につなげていくのもひとつの方法といえるでしょう。
厨房業務の省人化で働き方改革を進める
働き方改革という言葉を聞くと、制度やルールの話を思い浮かべる方も多いかもしれません。ですが、厨房の現場で感じる変化は、もっと身近なところにあります。「早朝勤務が当たり前」「急な欠員でシフトが回らない」といった日常の積み重ねが、働き方を見直すきっかけになっているのです。

業務負担軽減にはナリコマのクックチルを
厨房業務の負担を軽くする方法は、人を増やすことだけではありません。働き方改革を進めていくには、人の手に頼りきった工程を整理して、業務量そのものを減らすという考え方がとても重要です。その手段のひとつとして挙げられるのが、ナリコマのクックチルです。
クックチルとは、セントラルキッチンで調理された料理をチルド状態で保存、施設に配送し、厨房では再加熱と盛り付けを行って提供するしくみです。材料の調達から仕込み、調理などの工程は不要となり、業務負担を大きく減らせます。クックチルによって業務量を抑えることで、早朝勤務や時間に追われる作業負担の見直しも叶えます。
ナリコマのクックチルでできること
厨房の現場では、人数が足りないわけではなくても、「この人がいないと回らない」といった状況や、忙しい時間帯は特定の人に負担が集中することが起こりがちです。
クックチルは、省人化や業務効率化だけを目的としたしくみではありません。人手が足りない中でも、無理なく厨房業務を持続していくための運営の考え方を支えるものです。業務に追われていると「今日はなんとか乗り切れた…。」と感じる場面も少なくないでしょう。欠員が出る度にシフトを組み替えたり、現場に残った「だれか」が頑張って乗り切っているような状況が続くと、運営そのものが不安定になってしまいます。
クックチルは、そんな誰かひとりの頑張りに頼らなくても、厨房業務がきちんと回る状態を作りやすくします。厨房受託業務を30年以上続けてきたナリコマだからこそ、人手が足りない現場で「何が起こりやすいか」を前提にした提案ができます。
だからこそ、省人化だけを目的にするのではなく、最低賃金の上昇や欠員があっても、そのたびに現場が疲弊しない運営の形を、クックチルを通して一緒に整えていくことができます。
最低賃金と働き方改革への対応は業務負担軽減と人的リスク低減から始めよう
最低賃金の引き上げと働き方改革は、どちらか一方に対応すればよいものではなく、同時に考えていく必要があります。人件費が上がる中で人を増やすことは難しく、現場にはこれまで以上に安定した運営が求められています。厨房業務のように、毎日の食事提供を止めることができない現場では、誰かの頑張りで回している状態が続くほど、業務負担や人的リスクが積み重なりやすくなります。だからこそ、業務の組み立て方そのものを見直す必要があるのです。

少ないスタッフでも回りやすい体制を整えることは、最低賃金の上昇や、働き手不足に備えるために大事なポイントです。ナリコマのクックチルは、無理なく食事提供を続けていくための強い味方になります。
「いまの体制で、この先も続けられるだろうか」
そんな不安を感じたときは、ぜひナリコマにご相談ください。現場の状況をふまえながら、食事提供体制の見直しをお手伝いします。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
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