現在、給食委託は病院や学校などをはじめとする多くの施設で利用されています。特別養護老人ホーム(以下、特養)もそのうちの一つで、超高齢社会が進む近年は需要が増加。今回の記事は、そんな特養の給食委託についてお届けします。特養に最適な給食委託会社の選び方をポイント別に解説。後半では、給食委託以外の選択肢についてもお伝えします。ぜひ最後までお読みいただき、ご参考になさってください。
目次
特養の給食では何が求められるか
特養は在宅生活が難しい高齢者向けの介護施設で、正式名称を介護老人福祉施設といいます。令和6年10月1日時点で全国に8,621施設あり、公的に認められた介護保険施設の中では最も多い施設です。原則として要介護3以上の認定を受けた高齢者が対象。入浴や食事といった日常生活に関する介護のほか、健康管理や機能訓練なども行っています。ちなみに、“特別”が付かない養護老人ホームは身体的に自立した高齢者が対象。環境的・経済的に在宅生活が難しくなった高齢者の支援を行っています。特養と養護老人ホームは一見似ているようで、実は目的が大きく異なるのです。
先にお伝えしたように、特養には要介護3以上=中度〜重度の介護を必要としている高齢者が集まっています。何らかの疾患を抱えている場合もあり、身体的機能は個人差が大きいでしょう。食事に関することでいうと「大きなものは食べにくい」「歯がなくてしっかりかめない」「水も飲み込みにくい」など、嚥下機能が低下している方も少なくありません。

つまり、特養の給食は個別の細かい事情に合わせて提供する必要があるのです。献立作成では、栄養価やカロリーへの配慮が欠かせないでしょう。さらに、介護食としての食形態(ミキサー食など)を増やし、食材の下ごしらえや調理の仕方も考えなくてはなりせん。しかし、現実にはこうした業務に手が回らない特養もあります。そこで注目されているのが給食委託なのです。次の項目では、給食委託会社の選び方を詳しく見ていきましょう。
給食委託会社を選ぶためのポイント

特養で給食委託会社を利用する際、何を重視すればいいのか、成功事例から考察した選び方のポイントをまとめました。
①高度な品質・衛生管理
多くの人が口にする給食において、品質の安定や安全性の確保は最も重要といえる部分です。厚生労働省は、食品等事業者に対しHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理を義務付けています。
また、給食の品質を安定させるため委託に切り替える特養もあります。品質・衛生管理の方法については、事前に確認しておくと安心できるでしょう。
②柔軟性のあるコミュニケーション
先に述べたように、特養で過ごす高齢者の健康状態はさまざまであり、給食も個別の事情に合わせなくてはなりません。長い目で見ると、企業や担当者との信頼関係が築けることはとても重要。「厨房運営の悩みを聞き、コスト削減を実現するための提案をしてくれた」という事例もあります。些細なことでも親身になってくれる企業は、トラブルなどが生じたときも頼れる存在になりそうです。
③給食の味やバリエーションへのこだわり
ある特養の事例では「おいしいだけでなく、献立の種類も多いので高齢者の方々に喜ばれる」という声がありました。特養で豊かな生活を送ってもらうためにも、味やバリエーションにこだわった給食を提供している点は重要といえるでしょう。
④コストパフォーマンスの良さ
給食のおいしさと価格のバランスがとれていることも重要です。いくら給食の質が良くても、価格が高くて経営を圧迫するようでは本末転倒。長くお付き合いしていけるように、コストパフォーマンスも納得した上で選びましょう。
⑤サービスやサポート体制の有無
給食委託に付随するサービスやサポート体制は、企業によってさまざまです。緊急時のサポートが受けやすいことを重視し、施設の近くにある給食委託会社を選んだ事例もあります。日本では災害も多いため、非常食などの物資までカバーしてくれるのであれば、より心強いでしょう。
特養における食事の多様性

特養で提供される食事は、主に嚥下機能が弱った高齢者向けであることを前提とし、常食より食べやすいように調理するのが基本です。では、その食事内容と食形態について詳しく解説します。
ユニバーサルデザインフードの区分に沿った食事内容
日本介護食品協議会が制定したユニバーサルデザインフード(UDF)の区分は、食事内容の基準となります。各区分について、ご飯に置き換えたイメージと共に解説していきましょう。
区分①容易にかめる:普通のご飯〜やわらかご飯
ほぼ常食と同じものが食べられる人向けの区分。かむ力はありますが、かたい食材や大きな食材がやや食べづらく、飲み込む力は問題ないレベルです。食事によっては、わずかなとろみを付けることもあります。
区分②歯ぐきでつぶせる:やわらかご飯〜全粥
かたい食材や大きな食材が食べづらく、飲み込む力が少し弱っている人向けの区分。区分①に比べて食材は小さく、やわらかく調理します。とろみもやや濃厚で、とんかつソース程度です。
区分③舌でつぶせる:全粥
細かくやわらかな食材なら食べられる人向けの区分。水やお茶などが飲みづらいと感じることがあるレベルです。区分②よりも食材本来の形がわかりにくくなり、とろみはケチャップ程度になります。
区分④かまなくてよい:ペースト粥
大きさにかかわらず固形物が食べづらく、飲み込みづらい人向けの区分。水やお茶なども飲みづらいレベルです。とろみは強くなり、マヨネーズ程度のこともあります。
食形態の種類
特養では、ユニバーサルデザインフードの区分に加え、以下のような食形態を採用しています。
ソフト食や軟菜食
食材をやわらかくなるまで長時間煮込んだり、ゆでたりした食事のこと。舌でつぶせる程度が目安で、中期の離乳食に相当します。食材の見た目は常食と大きく変わらない場合も。
きざみ食
食材を5mm〜1cm程度に刻んだ食事のこと。主に、かむ力が弱っている場合に適しています。食材の見た目は変わりますが、味は大きく変わりません。
ミキサー食
調理済みの食材をミキサーにかけ、液体状にした食事のこと。かむ力も飲み込む力も弱っている場合に適しています。飲み込みづらいときは、とろみを追加。食材の見た目が完全に変わるため、彩りや味のバリエーションにも配慮する必要があります。
流動食
スープや果汁、重湯など、最初から液体状になっている食事のこと。手術後や体調不良などで食事ができない人向けのため、個別で栄養バランスやカロリーが調整されることもあります。
特養の食事では、このような細かい配慮や対応が求められるのです。改めて、給食委託会社の選び方が重要であることがお分かりいただけるでしょう。
給食委託以外の選択肢はある?

特養における給食の提供方法は、給食委託以外にも直営給食と配食サービスがあります。それぞれ詳しくご説明しましょう。
選択肢①直営給食
施設内に厨房などの給食設備を配置。栄養士や調理師などを直接雇用し、給食運営を行います。喫食者の声が聞きやすくなる一方、給食を担当するスタッフの業務量は増えがちに。また、食材は必要量のみ仕入れるため、選び方によってはコストが高くなるかもしれません。
選択肢②配食サービス
調理済みのお弁当やお惣菜を冷蔵・冷凍、レトルトパックなどで配達してもらうサービス。施設は設備費や人件費などが大きく削減できます。サービスによっては少数から注文でき、急な変更やキャンセルも可能です。
特養の給食委託でお悩みなら、ナリコマへお問い合わせください
今回は、特養における給食委託会社の選び方などを中心にお届けしました。最後の項目で給食委託以外の選択肢についてお伝えしましたが、ナリコマでは医療/介護福祉施設に向けて委託、直営、配食サービスのメリットを取り入れた“直営支援型”の厨房運営をご提案しております。
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