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安心安全な給食を提供するうえで食材管理は欠かせませんが、やるべきことが多くあるため効率良く行うことも必要です。この記事では、厨房の食材管理のポイントや、食材ロス削減への取り組みで得られるメリットを改めて振り返りながら、給食管理・発注システムで在庫管理や賞味期限管理を効率化する方法、食材管理の負担を軽減するニュークックチル食品の導入などについて解説します。

厨房の食材管理でやるべきこと

病院や介護施設に限らず、給食を提供する環境では厨房の衛生管理と共に食材の衛生管理が重要な役割を担っています。食材管理で主に重要なのは下記の3つです。

 

  • 日付管理:消費期限や賞味期限の確認
  • 温度管理:食材に適した温度環境での保存
  • 保管方法:衛生的に区分された場所での保管

 

ここでは、厨房の食材管理のポイントについて解説します。

日付管理は忘れない工夫が大切

食材の消費期限や賞味期限を守ることは非常に重要ですが、全ての食材の期限を暗記するのは難しく、冷蔵庫の中でも忘れ去られがちです。そのため、消費期限や賞味期限をわかりやすく記載したシールを貼るなど、見やすい管理の仕方を心掛けましょう。さらに、誰が見てもわかりやすいような表示の工夫も大切です。

 

食材を保管している場所を定期的に確認するルールを設けて、期限の迫っている食材を把握することも役立ちます。また、期限の近い食材や長く保管してある食材を手前に置いて、順番に使いやすくする「先入れ先出し」のルールを徹底することも期限切れを防ぐのに効果的です。

 

仕込み品のようにあらかじめ期限が設定されていない食品は、適切なルールに沿って期限を設けることを忘れないようにしましょう。また、調味料などのように、開封前と開封後で期限や保管方法が変わる食品も見落とさずに管理することが大切です。

温度管理は受け入れ時にも忘れずに

食材の温度管理は、細菌の増殖を防ぐためにしっかりと管理する必要があります。食材を自社施設で受け取る際などの温度確認は、見落としやすいため注意しましょう。食中毒菌の中にはウェルシュ菌のように加熱で死滅しない菌があるため、加熱調理の安全性を過信せずに管理することが重要です。仕入れた食材は、食材ごとに決められた温度に合わせて、すぐに冷蔵庫や冷凍庫で保存するようにしましょう。冷蔵庫や冷凍庫の庫内温度管理も見落としのないように行います。

 

また、食材の温度管理は、加熱調理時にも確認することが決められているため、改めて認識しておくことも大切です。ニュークックチルのように食材の加熱調理後にすぐ提供しない場合は、常温のまま置いておくと細菌が増殖しやすいため、素早くブラストチラーなどの専用機器を使い急速冷却して保存しましょう。

保管方法は汚染源になる食材に注意

食材は、魚や肉、野菜、調理済み食品などに分けて、適切な場所で管理を行いましょう。とくに、生の状態の肉や魚などから出るドリップは、他の食材に付着して汚染しやすいため注意が必要です。冷蔵庫の上の段にあると垂れたり落下したりして下の段の食材に付着する危険があるため、最下段で保管するようにしましょう。

 

調理済み食品や生のまま食べる野菜などは、とくに慎重に衛生管理を行い、上段に保管することが大切です。また、細菌の付着を防ぐために、フタ付きの容器やラップなどで覆って管理することも忘れないようにしましょう。また、冷蔵庫内に限らず、ゴミ置き場などの不衛生な環境や薬剤の近くに食材を置かないようにすることも大切です。

厨房の食材ロス削減で得られるメリット

消費者庁による2025年の「食品ロス削減関係参考資料」によると、日本全体の食品ロス量は年間464万トンに及び、年間一人当たり毎日おにぎり1個分の食べ物を捨てている計算となり、環境への影響やSDGsの観点からも問題視されています。464万トンのうち、事業系の食品ロス量は約半分を占めており、病院や介護施設の厨房においても意識しなければならない状況です。

 

給食の食品ロスについては、食べ残しや作り過ぎなどの影響もありますが、食材自体のロス削減に注目することも役立ちます。例えば、食材ロスの原因には、下記のような事柄が挙げられます。

 

  • 下処理の段階で皮の剥き過ぎなどによる調理残渣(ちょうりざんさ)が過剰になっている
  • 期限管理や衛生管理の不備などで食材を傷めてしまう
  • 実際に使用する量よりも過剰に食材を発注している

これらの課題解決には、セントラルキッチンでまとめて調理することで各施設の食材ロスを少しでも減らしたり、調理した食品を急速凍結や急速冷却するなどで衛生的に少しでも長く保存できる調理方式を利用したりすることが役立ちます。いずれの場合も、期限管理や衛生管理の不備や過剰発注などを防ぐために、食材管理は欠かせません。

 

このような食品・食材ロス削減に取り組むことで、環境への配慮だけでなく、コスト削減にもつながります。消費期限の切れた食品を提供してしまうといったトラブルのように、食品の期限管理や衛生管理の不備には重大なトラブルが伴うため、食品・食材ロス削減として日頃から気を付けることで給食の品質も向上するメリットがあります。

 

参照:消費者庁消費者教育推進課 食品ロス削減推進室「食品ロス削減関係参考資料」2025年

 

在庫管理や賞味期限管理を給食管理・発注システムで効率化

病院や介護施設の厨房は人手不足が深刻化しており、毎日の食事提供と共に食材管理を自社施設で行うのは大変な作業になることもあるでしょう。慢性的な人手不足でスタッフが疲弊している状態ではミスも起きやすいため、食材管理の負担を少しでも軽減できるような効率化が望まれます。

 

食材管理の効率化では、給食管理や栄養管理、在庫管理などを行えるシステムを活用するのもおすすめです。これらのシステムは、食品の在庫管理や賞味期限管理に役立つシステムのほかに、食材の自動発注や発注書作成などの発注システム、クックチルやニュークックチルなどの調理方式に適した機能を持つシステムなど、製品によって機能がさまざまに異なります。複合的に活用できるシステムも多いため、自社の厨房環境に合わせて選ぶと良いでしょう。

ニュークックチル食品の導入で食材管理が楽になる!

食材管理にまで負担が及ぶ病院や介護施設の厨房の人手不足には、調理方式の変更も解決策として注目されています。その一つがニュークックチルです。ニュークックチルは、加熱調理した食品を急速冷却してからチルド保存を行い、チルド状態で事前に盛り付けをして再加熱カートにセットすることで、食前に自動で再加熱されそのまま提供できる方法です。

自社施設の厨房で調理する場合は食材管理が必要ですが、ニュークックチルの導入方法では、他社のニュークックチル食品を導入する方法もあります。ニュークックチル食品として導入する場合は、完全調理済み食品の状態で施設に届けられるため、施設の厨房では盛り付けの作業などから業務を開始することができます。

 

また、トレイメイクまで外部のセントラルキッチンなどで行う場合は、再加熱カートの操作と配膳や下膳のみの作業で完結することも可能です。業者によって対応範囲が変わるため、導入の際は事前に確認するようにしましょう。

 

ニュークックチル食品のように完全調理済み食品を利用すると、細かい食材管理が不要となるため、業務内容を大幅に削減できるでしょう。

ナリコマのニュークックチルなら食材管理だけでなく厨房業務全体を効率化できます!

自社施設で食材の調理から行う負担が大きい場合は、ナリコマのニュークックチルの導入によって厨房運営自体をよりシンプルな環境に変化させることができます。早朝や遅番のシフト削減が可能となるため、人材不足の悩みも解決できるでしょう。完全調理済み食品としてお届けするため、不要な食材が発生せず、食材ロスを削減できます。また、生ゴミの削減にもつながるため、厨房の衛生環境を整えるうえでもメリットになるでしょう。無料相談や資料請求の受付も行っておりますので、まずは一度お問い合わせください。

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