近年の日本は少子高齢化と物価高騰が急速に進んでおり、あらゆる業界で人手不足の解消やコスト管理の難しさが課題となっています。病院や介護福祉施設の給食を提供する厨房も、同様の影響を受けている現場の一つ。長時間労働や職員の高齢化、給食運営コストのアンバランスなど、いろいろな問題が生じているのです。
ニュークックチルは、そんな病院や介護福祉施設での導入が増えている新調理方式。今回の記事はニュークックチルのコスト面に注目します。導入補助金や助成金などの支援制度についても触れていきますので、ぜひ最後までお読みいただき、参考になさってください。
目次
ニュークックチルは初期コストが高め
病院や介護福祉施設における給食の提供方法
病院や介護福祉施設では、規模や食数にもよりますが、一般的には以下のような方法で給食が提供されています。
①施設内での調理
給食提供の全工程を施設内で完結させます。主な調理方式は、提供時間から逆算して調理と盛り付けを行い、そのまま配膳するクックサーブです。施設の厨房職員が調理する直営のほか、厨房に給食委託業者を入れて調理してもらう運営パターンもあります。
②外部施設での調理
セントラルキッチンなどの外部施設で調理し、適切な保存状態で施設に配送後、盛り付けや配膳などを行います。主な調理方式は、クックフリーズ(冷凍保存)、クックチル(チルド保存)、ニュークックチル(チルド保存)、真空調理法(冷凍・チルド保存)です。セントラルキッチンは委託業者による運営が多くみられますが、自社で設備や人員を整えるパターンもあります。
③配食サービス
配食サービスには法人向けと個人向けが、内容はさまざまです。届いてそのまま提供できるお弁当のほか、調理されたおかずのみが届くパターンなどもあります。

ニュークックチルの導入時にかかるコスト
ニュークックチルは、ほかの調理方式と比べて初期コストが高いといわれています。導入する際にどのようなコストがかかるのか、詳しくみていきましょう。
厨房機器や設備の導入、レイアウト変更
前述したように、ニュークックチルはセントラルキッチンでの採用が多い調理方式です。基本的には次のような作業工程があります。
◆セントラルキッチンでの作業
食材の仕入れ→下ごしらえと加熱調理→調理後90分以内に中心部が3℃以下になるよう、急速冷却してチルド保存→適切な保存状態を保ちながら病院や介護福祉施設へ配送
◆施設内厨房での作業
チルド状態のまま器に盛り付け→器ごと再加熱カートに入れ、提供時間にあわせてタイマーをセット→再加熱完了後、そのまま配膳
初期コストが高くなってしまう理由は、各工程で使う厨房機器にあります。主なものは調理用のスチームコンベクションオーブン、急速冷却用のブラストチラー、再加熱カートなどですが、どれも高額な大型厨房機器です。自社でセントラルキッチンを運営すると、こうした厨房機器やそのほかの設備をすべて準備する必要があります。
委託によるセントラルキッチン方式なら、施設で新たに導入する厨房機器は再加熱カートのみで済むかもしれません。ただし、届いた完全調理済み食品を保存する冷蔵庫の容量が足りなかったり、最適な動線を確保するためにレイアウトを変更したりすることも考えられます。その場合は、再加熱カート以外にもコストがかかってしまうのです。
再加熱カートに対応した食器やトレイの準備
ニュークックチルに欠かせない再加熱カートは、対応可能な食器やトレイが限られています。バリエーションは豊富で、さまざまな素材や大きさ、デザインから選ぶことができます。通常の食器も完全に使えないとは言い切れませんが、劣化が早まる恐れもあり、あまり推奨されていないようです。再加熱カートをはじめて導入する場合は、食器やトレイも新調しなくてはなりません。
ニュークックチル導入時に活用できる公的制度の有無
ニュークックチルを導入する場合、補助金や助成金などの支援制度は活用できるのでしょうか。結論から先にお伝えしておくと、「ニュークックチルの導入を直接支援するような公的制度はない」ということになります。ただし、支援制度によって要件や条件などが異なるため、絶対に活用できないとは言い切れません。本項目では、支援対象となる可能性がある公的制度をいくつかピックアップしました。申請方法等を含めた詳細については、各制度の公式サイトにて必ずご確認ください。

業務改善助成金(厚生労働省)
「業務改善助成金」は、生産性向上のために設備投資を行い、事業場内の最低賃金を引き上げることを条件とした制度です。いろいろな業界に向けて整備された制度で、医療・介護福祉系サービス業も対象となっています。「資本金が5千万以下」「常時使用する労働者が100人以下」のどちらかを満たす事業者のみが申請可能。賃金を引き上げる労働者数や引き上げ金額などによって、助成金の上限が決まります。ニュークックチルは厨房業務の効率化や省力化に貢献できるため、支援対象として認められる可能性がありそうです。
地域医療介護総合確保基金(各都道府県)
「地域医療介護総合確保基金」は、その名の通り、医療・介護福祉系サービス業のための制度です。政府が推進する「地域医療構想」や「地域包括ケア」をより実現しやすくするために整備されました。医療・病院の再編統合に伴う施設・設備整備費用、介護保険施設の開設準備に必要な経費をはじめ、幅広い事業が支援対象となります。ニュークックチルの導入も、事業計画の一部として認められるかもしれません。
ニュークックチルに期待できる費用対効果

厨房職員の負担軽減と人員削減
セントラルキッチン方式のニュークックチルでは、HACCPに基づいた衛生管理が徹底しやすくなります。大量の食材を仕込んだり、大きな鍋を振ったりする作業もなくなるため、厨房職員の負担はかなり軽減されるでしょう。また、1日3食の食事を提供する施設の場合、通常なら準備や片付けのために早出・遅出のシフトが欠かせません。しかし、ニュークックチルを導入すれば、朝と夕方の時間帯を無人化することも可能です。
水道光熱費・人件費の削減
厨房職員の負担軽減や人員削減は、水道光熱費・人件費の削減にもつながります。あらゆるコストが高騰している近年においては、非常に大きな費用対効果といえるでしょう。ある導入事例では、50.5時間/日の労働時間が24.5時間/日になったとあります。令和7年度の最低賃金時間額は1,121円(全国加重平均額)。仮に、この数値を使って計算してみると、日に29,146円の人件費が削減できるということになります。年間で1,000万円ほどに到達するため、適切な運用を続ければ初期コストは償却できるでしょう。
喫食者の食欲増進
病院や介護福祉施設が提供する食事は、治療や健康管理としての役割があります。そのため、きちんと食べてもらうことが非常に重要なのです。温かい料理は温かいまま、冷たい料理は冷たいまま提供できるニュークックチルは、食事の質を高める効果も大きいといわれています。食事がおいしければ、喫食者の食欲増進につながり、治療や健康管理における問題も起きにくくなるでしょう。
ニュークックチルの導入はナリコマにおまかせください

ナリコマでは、ニュークックチルを採用した365日日替わりの献立サービスをご提案しております。弊社セントラルキッチンから、完全調理済み食品を配送。栄養バランスのとれた献立は、バリエーション豊かな介護食や医療機関と連携した治療食への展開も可能です。
専任アドバイザーが丁寧にヒアリングし、導入時のお手伝いはもちろん、運用開始後のトラブルもしっかりサポートします。ニュークックチルの導入に関するお悩みやお困りごとがありましたら、ぜひ一度ナリコマにご相談ください。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
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