医療・介護施設の厨房では、人手不足が深刻化しています。早朝からの仕込みや複雑な調理工程、シフトの調整など、スタッフにかかる負担は少なくありません。そんな現場の課題を解決する手段として注目されているのが、ニュークックチルという調理方式です。
調理フローをシンプルにし、厨房業務軽減・シフト最適化・早朝勤務削減・スタッフ負担軽減を実現できる仕組みとして、多くの施設で導入が進んでいます。今回は、ニュークックチルを活用した人手不足対策の具体例や、現場でのメリットを解説します。
目次
厨房業務の人手不足が深刻に|現場で起きていること
厨房現場では限られた人員で大量の調理や配膳をこなすため、日々の業務がスタッフの大きな負担になっています。厨房現場が人手不足に陥る背景と、見直すべき厨房の仕組みとは一体なんなのでしょうか。

厨房業務の負担が大きくなる背景とは
医療・介護施設では、1日3食、365日の給食提供を止めることはできません。早朝からの仕込みや、さまざまな食形態に対応するための複雑な調理工程のほか、発注・片付け・清掃など、多くの業務に対応しなければなりません。
そのため、医療・介護施設の厨房では限られた人数で効率的に回すことが求められているのです。しかし、早朝勤務や遅い時間の勤務に加えて、業務量に対して給与や待遇が見合わないケースも多く、結果として採用難や離職につながり、人手不足の悪循環が起こりやすい環境にあるとされています。
人手が足りない今、見直したい厨房のしくみ
このように慢性的な人手不足を抱える施設にとって、「現場の努力だけで解決する」にはどうしても限界があります。今、厨房業務に求められているのは、ただ人手を補うことではなく、「作業そのものを効率化」し、少ない人数でも安定した給食提供ができる厨房の仕組みづくりです。
業務の中でメインとされる調理や盛り付けのプロセスを見直すことで、誰でも同じ品質で安定した食事を提供できる体制づくりが可能となるでしょう。
厨房業務を軽減するしくみ|ニュークックチルの工夫
人手不足は、現場の努力だけではなかなか乗り越えにくいもの。そこで注目されているのが、調理フローそのものを変える「ニュークックチル」という調理方式です。
従来の「作ってすぐ提供する」流れを見直し、作業を分散させて効率化できるのが大きな特徴です。ニュークックチルが厨房業務をどのように軽減するのか、その具体的な工夫を紹介します。
作業をシンプルにする調理フロー
ニュークックチルは、セントラルキッチンで調理した料理を素早く冷却したものをチルド状態のまま盛り付け、喫食時間に合わせて器ごと再加熱、提供する調理方式です。厨房でのメイン作業はチルド状態の料理の盛り付けとなり、食形態対応のための作業も不要となります。また、配膳直前に器ごと再加熱することにより、加熱後に人の手が加わらず、提供までの動線がスムーズです。
再加熱によって食材の中心部まで均一に温まるため、食中毒などのリスクを低減し、衛生面でも高い安全性を確保できます。このシンプルな調理フローにより、調理工程の複雑さや時間のロスを抑えられます。人手不足の現場でも、限られた人数で効率的に食事提供可能な環境が整うのです。

再加熱カートの活用で動きやすい厨房へ
ニュークックチルの強みのひとつは、再加熱カートなどの再加熱機器を活用できる点です。盛り付けを済ませた食事をカートに載せて各フロアへ運び、喫食時間に合わせて再加熱すれば、厨房スタッフ以外の現場スタッフでも安全に利用者に提供することも可能になるでしょう。
従来の調理方式では、食事提供の直前に厨房へ業務が集中し、「忙しいピーク時間帯」が生まれることが課題でした。しかし再加熱カートなどの再加熱機器を使えば、事前に準備を済ませておけるため、配膳時に大勢の調理員を配置する必要もなくなります。
その結果、朝や夕方の厨房を無人化できるほど業務が分散され、スタッフの負担を大幅に減らすことも可能に。忙しい時間を減らし、動きやすい厨房づくりを叶えるのがニュークックチルなのです。
シフト最適化と早朝勤務削減をどう実現する?
人手不足を抱える施設では、朝食対応のための早朝勤務に人が集まりにくく、スタッフ確保が難しい現場も増えています。ニュークックチルを活用して仕込み作業を減らせば、シフトの自由度を高められます。

朝の仕込みがいらないからシフトにゆとりが生まれる
これまでの調理方式では、食事提供時間に間に合わせるために早朝から仕込みを行い、大量の調理を同時進行する必要がありました。朝5時出勤や夜明け前からの作業といった勤務が避けられず、これが人材確保の大きな壁となっている部分です。
一方、ニュークックチルでは、「再加熱カートの活用で動きやすい厨房へ」でもご説明したように、事前に調理した食事をチルド状態で盛り付けて保存し、食事時間に合わせて自動で再加熱します。早朝の仕込みがほぼ不要となり、勤務開始時間を遅らせること、早朝勤務削減も可能になります。こうしてシフトに余裕が生まれることで、スタッフの負担を軽減し、働きやすさや定着率の向上にもつながっていくのです。
少人数でもまわせる柔軟な厨房体制へ
ニュークックチルでは、従来のように食事提供の直前にスタッフが集中する必要がなく、2〜3人の少人数でも効率的に厨房をまわせる体制が整うことが大きな特徴です。
さらに、作業のピーク時間がなくなることでシフトが組みやすく、「早朝からフル勤務」ではなく、「日中だけ」「週3日勤務」など、多様な働き方に合わせた体制を整えることが可能です。さまざまな働き方にも柔軟に対応できる環境へ変えていくには、ニュークックチルが最適です。
スタッフの負担軽減とサービスの質・どちらも大事に
厨房業務の効率化はとても大切ですが、それと同時に食事の品質やサービスの質を落とさないことも重要です。ニュークックチルは、厨房業務軽減やスタッフ負担軽減とおいしさの両立を叶える調理方式です。

おいしさと効率を両立できる仕組み
ニュークックチルは、調理後すぐに冷却し、盛り付けた状態で配膳直前に再加熱することで、できたてのような温かさとおいしさを維持します。食材の形や風味を損なわず、見た目もきれいに仕上がるため、利用者の満足度を高めることができます。
ナリコマのニュークックチルでは素材の持ち味を引き立てるため、塩分控えめでもおいしく感じられる出汁の活用や、国内メーカーの調味料を使用するなど、味にも妥協をしません。
地域ごとの味の好みにも配慮し、なじみのあるおいしさを感じてもらえるよう味付けを調整。
また、定期的に利用者アンケートを実施し、寄せられた意見をもとにメニューや調理法の改善を続けています。ナリコマの食事は常にブラッシュアップされており、効率化とおいしさの両立を実現しているのです。
だれでも迷わず動けるオペレーション
ニュークックチルは、調理・盛り付け・配膳の手順がシンプルに統一されているため、調理経験がほとんどない方でもすぐに作業を覚えられる分かりやすさが特徴です。再加熱後に形崩れの心配もなく、誰が作業しても同じ品質で仕上げられます。
また、ナリコマでは実際の厨房オペレーションを想定したマニュアルや研修サポートが充実しており、現場に合わせた導入プランを提案します。これにより、スタッフ全員が迷わず動ける効率的な体制が整い、現場の負担をさらに軽減します。
ナリコマのサポート体制があるから導入もスムーズ
ニュークックチルを導入する際には、再加熱機器などの機材選定や設置レイアウト、スタッフ教育など、事前に多くの準備が必要となります。新しい調理方式への切り替えは、費用や労力の負担も少なくありません。
ナリコマはこれまで、数多くの導入サポート実績を積み上げてきました。ニュークックチル導入時には、この豊富なノウハウを活かして、機器の選定・導入プランの設計・現場オペレーションの立ち上げまで一貫してサポートします。
さらに、導入後も定期的なフォローや改善提案も行います。私たちナリコマはニュークックチルを「導入して終わり」ではなく、長期的に現場を支え、伴走していきます。
ニュークックチルで人手不足に強い厨房づくりを

厨房業務の効率化、スタッフの負担軽減はナリコマのニュークックチルで叶えられます。
医療・介護施設の厨房業務は、人手不足や早朝勤務などの課題を抱えながらも、毎日欠かせない食事を提供し続けなければなりません。業務フローを根本から見直さなければ、負担ばかりが増えて現場が回らなくなるのは時間の問題と言ってもいいでしょう。ニュークックチルは、厨房業務軽減・シフト最適化・早朝勤務削減・スタッフ負担軽減など、厨房現場が抱えるさまざまな課題を同時に解決へ導く調理方式です。
新しい仕組みへの切り替えには、コストや事前準備などの負担も伴いますが、ナリコマが徹底的にサポートし、導入から運用までしっかりバックアップします。「人手不足でも回せる厨房へ」「現場の負担軽減と同時にサービスの質も向上したい」このような想いがあるのなら、今こそニュークックチル導入のタイミングかもしれません。
ナリコマと一緒に、これからの未来に強い厨房づくりをはじめませんか?
ニュークックチル導入をお考えの場合には、ぜひ一度、ナリコマへご相談ください。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
こちらもおすすめ
クックチルに関する記事一覧
-
完調品とクックチルを比較!介護施設や病院に最適な給食運営モデルとは?
完調品(完全調理済み食品)の活用やクックチル方式の導入は、介護施設や病院の給食運営で注目される方法です。いずれも厨房の人手不足対策などの課題解決に役立つ一方、目指す方針によって適する運営モデルは異なります。
この記事では、それぞれの特徴を解説しながら、完調品とクックチル方式を活用した給食運営モデルを比較します。また、完調品とニュークックチル方式を組み合わせることで、さらなる業務効率化も可能です。自施設に最適な給食運営を検討する際にぜひご参考ください。 -
厨房業務と最低賃金の関係とは?調理師不足時代に求められる食事提供体制の見直しと外注化
最低賃金の引き上げが続く中、厨房業務を抱える現場では人件費の上昇が避けられない課題となっています。とくに調理師不足が慢性化する医療・介護・給食の現場では、「人を確保したいが、人件費が合わない」という悩みを抱える施設も少なくありません。
今回は、厨房業務と最低賃金の関係を整理しながら、最低賃金の上昇が続く中での課題と、食事提供体制の見直し、そしてナリコマのクックチルを含めた外注という方法について解説します。 -
2025年最低賃金 引き上げ率の最新動向|2025年の地域別・年次比較を厚労省データから読み解く
2025年の最低賃金の引き上げ率は、医療・介護・給食をはじめとする施設運営にも影響が出やすい水準となりました。とくに地域別の違いは人件費の見通しに直結するため、年次比較も含めて、どれくらい上がってきたのかを押さえておくことが大切です。
今回は、厚労省のデータをもとに2025年の最低賃金動向を整理し、業界ごとの影響を踏まえつつ、厨房運営の見直しといった視点も交えながら、自施設に合ったコスト対策を解説します。
人材不足に関する記事一覧
-
育成就労制度とは?技能実習制度の制度変更による違いや特徴を解説
「育成就労制度」は、2024年に創設され3年以内に施行される制度です。この記事では、旧制度である「技能実習制度」の概要や課題を振り返りながら、制度変更によりどう変わるのかを、育成就労制度の特徴や受け入れ企業の実務のポイントも押さえながら解説します。
-
医療・介護施設の災害対策を!BCPセミナーで学ぶ備えの重要性
病院や介護施設は、災害や緊急事態の発生時、入院患者や施設利用者の安全と健康を守りながら、必要な医療・介護サービスを継続しなければなりません。そのために不可欠なのが、実効性のあるBCP(事業継続計画)の策定と運用です。BCP(Business Continuity Plan)とは、災害時において、業務を継続するための計画を指しています。病院・介護施設では特に「建物や設備の損壊」「インフラの停止」「人手不足」などのリスクを想定した備えが求められます。
しかし、BCPは「作ること」が目的ではありません。実際に機能する計画に落とし込むには、専門的な視点と具体的な事例の理解が必要です。そこで有効なのが、BCPセミナーの活用です。今回は、病院・介護施設におけるBCPの重要性と、セミナーを活用して効果的に備える方法について詳しく解説します。 -
厨房省人化につながるDX事例を解説!人手不足やコスト削減に有効な方法とは
デジタル技術の活用によってビジネスモデルや組織のあり方に変革をもたらすDX(Digital Transformation)は、政府が推進している取り組みの一つです。今回の記事では、厨房業務におけるDXの必要性を詳しく解説し、具体的な事例をご紹介します。ぜひ最後までお読みいただき、参考になさってください。




