高齢者施設の非常食は、一般的な非常食だけでは十分とは言えません。高齢者はかむ力や飲み込む力、健康状態にも個人差があるため、利用者が食べやすい食形態や栄養バランスを考えて、非常時でも提供しやすい献立を準備しておくことが大切です。
災害時、停電や断水、物流の停止などにより、高齢者施設では食事の提供が難しくなる可能性があります。必要な備蓄量を確保するだけでなく、「限られた人員や設備でも提供できるか」まで考えておく必要があります。
今回は、高齢者施設で非常食を備える際に押さえておきたいポイントを紹介します。非常時でも利用者のニーズに合った食事を提供できるよう、備えを見直していきましょう。
目次
高齢者施設では高齢者に適した非常食の備えが重要

日本は地震や台風などの自然災害が多い国であり、ライフラインの停止や食材の供給不足から、給食の提供が困難になる可能性もあります。そのため、高齢者施設においても非常食の備蓄は欠かせません。
非常食を備蓄するだけでなく、利用者が実際に食べられる内容であるかも確認しておくことが重要です。一般的な非常食では、かむ力や飲み込む力が低下している人に対応できなかったり、必要な栄養を確保できなかったりする場合があります。
非常時にも利用者に適した食事を提供するために、高齢者施設の非常食において、チェックしておきたいポイントは下記の3つです。
- 非常時でも必要な栄養を確保できるようにする
- 高齢者でも食べやすいよう配慮する
- 非常時こそ食事のおいしさにも配慮する
非常時でも必要な栄養を確保できるようにする
災害時には停電や断水、物流の停止などにより、食材が確保できず通常の給食を提供することが困難になります。特に高齢者は、食事によって身体的影響を受けやすく、必要な栄養が確保できないと、体力の低下や健康状態の悪化を招く可能性があります。そのため、非常時でも必要な栄養や水分を確保できるよう、あらかじめ非常食を備えておくことが大切です。
高齢者でも食べやすいよう配慮する
噛む力や飲み込む力など、身体機能が低下している高齢者にとって、一般的な非常食は食べにくく、摂取量の低下や誤嚥を起こしかねません。乾パンやレトルトカレーなどは硬すぎたり、味が濃すぎたりするため、高齢者には適していないのです。
飲み込みやすさの3つの条件「やわらかい」「まとまりやすい」「ベタつかない」が揃った食品や、普段の食形態(やわらか食・ミキサー食など)に近い非常食を用意しておくことが大切です。
非常時こそ食事のおいしさにも配慮する
非常時には、環境の変化やライフラインの途絶による不安など、普段と違う様子から精神的な負担が大きくかかります。特に高齢者は、慣れない状況にストレスを感じやすく、いつもよりやわらかいものしか食べられなかったり、食欲の低下につながったりすることも。こうした状況だからこそ、非常食には栄養面だけでなく、食べやすさや味や見た目など、おいしく食べられることにも配慮が必要です。
高齢者施設の非常食献立を考えるポイント

高齢者施設の非常食献立は、実際の災害時を想定して献立を組むことが大切です。必要な日数や人数を確認し、ポイントを押さえて準備を進めましょう。非常食の献立を考える際には、下記のチェックリストを参考にしてください。
<高齢者施設の非常食を備える際のチェックリスト>
非常時でも利用者に必要な食事を提供できるよう、献立を考える際は次の項目を確認しておきましょう。
①栄養バランスを考える
②嚥下機能や健康状態に応じた食品を用意している
③必要な日数と人数に応じた量を備蓄している
④ローリングストックなどを活用して定期的に内容を見直している
非常時にも利用者に適した食事を提供できるよう、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
栄養バランスを考えて組み合わせる
非常食は、素早くエネルギーに変えられるご飯や麺などの炭水化物が中心になってしまいがちです。たんぱく質やミネラル、ビタミンなどがどうしても不足しやすくなってしまいます。
健康を維持するためには、栄養バランスの確保は欠かせませんが、補助食品を組み合わせたり、非常時に栄養バランスを考慮した献立作成は、スタッフの負担も大きくなってしまいます。
あらかじめ非常食の組み合わせや提供する順番なども決めておけば、限られた人員でも対応しやすくなるでしょう。
嚥下機能や健康状態に応じた食品を選ぶ
高齢者の中には、嚥下機能の低下だけでなく、持病により特別な食事が必要な方もいます。一般的な非常食では対応が難しいため、普通食だけでなく、やわらかい食事やミキサー食、ゼリー食など、施設で提供している食形態と同様の介護用非常食を備えておきましょう。
また、個別の栄養管理が必要な利用者についても、非常時にどのような食事を提供するか、事前に確認しておくと安心です。
必要な日数と人数から備蓄量を考える
災害時は、物流の停止などによって食料の供給が途絶える可能性があります。利用者だけでなく、災害時に対応する職員も含めて必要な備蓄量を確認しておくことが大切です。
国の防災対策では、食料や飲料水などについて「最低でも3日分、可能な限り1週間分程度」の備蓄が推奨されています。高齢者施設では、施設のBCPや自治体が定める基準・指針なども確認したうえで、必要な日数や人数に応じた量を備えておきましょう。
ローリングストックで定期的に見直し
非常食は備蓄して終わりではなく、賞味期限や備蓄量を定期的に確認し、必要に応じて入れ替えることが大切です。2026年には、厚生労働省の「災害情報共有システム」に、介護施設等が平時の物資の備蓄状況を報告する機能が追加されました。飲料水や食料品については、備蓄量や更新予定日などが報告項目となっており、備蓄状況を定期的に確認・更新することが求められています。
非常食を無駄なく管理する方法の一つが、普段から食品を少し多めに備え、消費した分を買い足していく「ローリングストック」です。
ローリングストックは、次の流れで行います。
- まずは、ふだん食べている食材を多めに買って、蓄える
- ふだんの食事で食べる
- 食べたら買い足して補充する
このように、定期的に消費しながら買い足す方法で、非常時でも常に新鮮な食品を確保できます。古いものから消費していくため、消費期限の管理もしやすくなります。
先述したとおり、非常時には食べ慣れていない食品が食べにくいと感じる利用者もいますが、普段から備蓄食を取り入れておけば、災害などの非常時にも抵抗なく食べられる環境を整えられるでしょう。また、非常食もローリングストックに組み込み、定期的に試食して食べやすさや提供手順まで確認できると安心です。
高齢者施設の備えに役立つナリコマの介護用非常食

高齢者施設だからこそ、しっかり備えておきたい介護用非常食。ナリコマの介護用非常食は、非常時でも普段に近い食事を提供しやすいよう設計されています。ナリコマの介護用非常食の主な特徴は、次の3つです。
- 3日分の非常食献立をご用意
- 調理不要で食べやすい
- 常温で長期保存可能
3日分の非常食献立をご用意
非常食は、非常時にどのような組み合わせで提供するかを決めておくことが大切です。しかし、市販の介護用非常食は種類が少なく、栄養バランスなどを考慮しながら、非常食や補助食品を組み合わせて献立を作るのはとても手間のかかる作業です。非常時だからこそ、なるべく手間を少なく食事を提供できるようにしたいものです。
ナリコマの非常食では、3日分の献立が標準化されているため、複数メーカーの商品を組み合わせる必要がありません。また、普通食、ソフト食、ミキサー食、ゼリー食の4形態を取り揃えており、食べやすく加工する必要もなく、簡単に栄養バランスの整った食事を提供できます。
調理不要で提供しやすい
ナリコマの非常食は、パウチを開けて盛り付けるだけで誰でも簡単に準備でき、手間なく提供できます。温めなくてもそのまま食べられるので、停電などで加熱調理ができない場合にも提供しやすく、限られた人員で対応する際の負担軽減にもつながります。また、個食パックに加えて、5食・10食パックもご用意しており、施設のニーズに合わせて柔軟に対応できます。
常温で長期保存可能
ナリコマの非常食は長期の保管にも最適です。ゼリー食は賞味期限が1年以上、その他の3形態は2年以上のものをお届けするため、非常時に備えて長期保存が可能です。また、パッケージも保存性能を考慮して、通常よりも強度の高い段ボールを使用しています。段ボール箱の側面には商品名と最短賞味期限を記載しており、賞味期限の確認もしやすく、備蓄食の管理もスムーズに行えます。
高齢者施設では利用者に適した非常食を備えよう

高齢者施設の非常食は、備蓄量を確保するだけでなく、利用者が実際に食べられる内容になっているかを確認することが大切です。栄養バランスや食形態、非常時の提供方法などを踏まえて献立を考え、必要な日数や人数に応じた量を備えておきましょう。また、非常食は一度準備して終わりではありません。賞味期限や備蓄量を定期的に確認するとともに、施設のBCPや自治体の基準・指針なども確認し、非常時に活用できる状態を維持しておく必要があります。
ナリコマの介護用非常食は、「非日常を感じさせない食事提供」を目標に開発されており、普段の食事と変わらないおいしさと栄養バランスを兼ね備えています。介護用非常食の見直しをお考えの場合には、ぜひナリコマにご相談ください。
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