自分の口から食事を摂ることは、とても大切なこと。
栄養補給だけでなく、健康維持や認知機能の衰えを防いだり、高齢者にとって食事はとても重要なものです。嚥下機能が低下してくると、通常の食事では摂取が困難になってしまうため、低栄養状態に陥り、筋肉量の減少にもつながりかねません。
そのため、身体機能に合わせた食事形態で提供することがなにより大切ですが、嚥下食の準備は手間も時間もかかるため、調理する側の負担も大きくなってしまいます。
「嚥下食を手軽に準備するためにもっと便利な方法はないだろうか…。」
そんなお悩みにはクックチルを活用するのも一つの手です。
今回は、嚥下食が抱える課題をもとに、クックチルで叶える効率的な嚥下食の提供についてご紹介します。
目次
介護施設における嚥下食の課題
介護施設では、嚥下機能が低下した利用者に安全な食事を提供することが求められます。しかし、嚥下食の調理や管理には課題があり、施設の負担も大きくなっているのが現状です。

嚥下食の必要性
加齢や病気の影響で嚥下機能が低下すると、むせたり、咳き込んだり、上手に飲み込めなくなるなど、通常の食事を安全に摂取することが難しくなります。誤嚥による肺炎のリスクを防ぎつつも適切な栄養を確保しなければなりません。そのためには食材の形状や硬さ、粘度を調整した嚥下食の提供が必要不可欠です。
「自分の口から食べる」という行為は、単に栄養を摂るだけでなく、咀嚼や嚥下といった身体機能の維持にも大きく関わってきます。身体機能に応じた嚥下食の提供は、QOL(生活の質)の低下も防ぎ、利用者が食事を楽しめる環境を整えられるのです。
嚥下食の提供にあたっては、「嚥下食ピラミッド」を基準にすることが一般的とされています。「嚥下食ピラミッド」とは、摂食・嚥下の難易度に応じて、食事をレベル5(普通食)からレベル0(開始食)までの6段階に分類し、状態に適した食事形態を選ぶための目安とされるものです。嚥下食の形態は、医師・看護師・管理栄養士・ST(言語聴覚士)など多職種で情報を共有し、状態に合わせて見直すことが大切です。
しかし、各段階に適した嚥下食の調理と提供には、多くの手間と専門的な知識が求められます。
介護施設の厨房での負担・提供の難しさ
上記のように、利用者ごとに異なる嚥下機能に対応するためには個別に食事形態を調整する必要があります。介護施設の入所者においては、その64%が摂食嚥下障害を持っており、経口摂取には支援が必要な人が多いことがわかります。しかも嚥下食は「作る」だけでなく、「取り違えなく配膳する」「温度管理する」まで含めて現場負担になりやすいのが特徴です。嚥下食の調理には通常の食事以上に手間がかかり、以下のような課題が発生します。
調理工程の多さ
嚥下食は食材を細かく刻んだり、すりつぶしたり、とろみを付ける工程など、調理工程が常食に比べると複雑です。そのため、提供までに時間がかかってしまいます。工程が増えるほど、仕上がりの硬さやとろみの加減にばらつきが出やすく、提供品質を一定に保つのが難しくなります。
人手不足
嚥下食の調理には専門的な知識を持つスタッフが必要です。しかし、介護施設利用者が増加しているにもかかわらず、介護施設などでは人材の確保が難しい傾向にあります。嚥下食の調理は時間がかかるため、人手不足な施設では、厨房スタッフの負担がより大きくなってしまう傾向にあります。
衛生管理の課題
嚥下食が必要な高齢者においては、抵抗力が弱まっている傾向にあります。そのため、細菌感染には十分な注意が必要です。嚥下食は加工工程が多く、その途中で細菌が混入する可能性も高くなってしまいます。嚥下食の調理には徹底した衛生管理が重要です。特にミキサー加工や成形など、手を加える回数が増えるため、温度・時間・器具の管理をルール化しないとリスクが上がりやすくなります。
コストが高い
嚥下食については、加工品を使用するとどうしてもコストが高くなってしまいます。全国の通所介護事業所や介護老人保健施設、特別養護老人ホームなどを対象に行った調査では、食事コストの統計で「0円以上300円未満」が常食では26.2%に対し、嚥下食の場合には21.7%と少なくなっています。また、「300円以上500円未満」が常食では29.1%のところ、嚥下食は31.8%となっており、食事コストは嚥下食の方が高くなっています。とろみ剤や成形材などの資材費がかかることに加え、加工に要する手間(人件費)が上乗せになりやすい点も、コスト増の要因なのです。
このように、介護施設における嚥下食の提供には、多くの課題が伴います。施設の負担を軽減しながら、安全で美味しい嚥下食を提供するための方法が求められています。
参考:『施設入居者に対する栄養管理、口腔管理のあり方に関する調査研究』介護保険施設における摂食・嚥下機能が低下した高齢者の「食べること」支援のための栄養ケア・マネジメントのあり方に関する研究 報告書概要版
参考:摂食嚥下機能低下者への介護保険施設等における食事提供及び退院退所時等における連携の実態等、嚥下調整食の提供のあり方に関する調査研究事業報告書
クックチルで嚥下食の調理負担を軽減
嚥下食の調理は手間と時間がかかり、提供する側にとって大きな負担となります。しかし、クックチルを活用すれば、嚥下食を効率的かつ安全に提供できるようになります。

クックチルとは?
クックチルとは、事前に調理した食品を急速冷却し、冷蔵保存する調理法です。料理を通常の加熱処理で調理した後、すぐに急速冷却を行い、温度を3℃以下に素早く下げます。このように急速冷却を行うことで、食材の風味や栄養素を保ちつつ、細菌の繁殖を抑えられ、製造日を含めて5日間保存が可能になります。
クックチルはチルド状態で保存され、必要な時に再加熱するだけで提供できるため、調理経験の少ない方でも簡単に食事の準備が行えます。再加熱後も調理直後の味をそのままに提供可能です。クックチルは厨房業務の負担軽減、時間短縮が期待できるでしょう。介護施設における課題も解決できる画期的な調理法がクックチルなのです。
特に病院や介護施設などでは、クックチルの導入によって、食事の提供時間を柔軟に調整でき、提供スピードも向上します。
クックチルのメリット
食事の準備と提供に多くのメリットをもたらすクックチルですが、嚥下食を必要とする現場では、「個別対応」と「安全管理」が同時に求められるため、クックチルのメリットが特に出やすい領域と言えるでしょう。
個人に合った嚥下食を選べる
クックチルは嚥下食にももちろん対応しています。それぞれの嚥下機能に合わせた食事を選択可能です。
衛生管理の向上
「衛生管理の課題」でも解説した通り、嚥下食の調理には徹底した衛生管理が必要です。嚥下食を調理する際には、作業工程の中で細菌が混入する可能性があります。クックチルはHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のもと、適切な温度管理で食品の調理を行っているため、安心安全な食事提供を叶えます。
食材ロス削減
食材ロスの削減もクックチルの大きなメリットです。クックチルは必要な分だけを加熱調理し、使わないものは保存が可能です。無駄な食材の使用を減らせるため、コスト管理もしやすくなります。施設の食材運用がより効率的に行えるでしょう。
厨房業務の効率化
クックチルは厨房業務の効率化も叶えます。事前に調理して冷蔵保存するため、厨房での調理は不要になります。厨房では温めて盛り付けるだけ。嚥下食にかかる調理時間を短縮、厨房スタッフの負担も軽減でき、少ないスタッフでも十分に食事の準備が可能です。
嚥下食に最適!ナリコマのクックチル
病院や介護施設にお食事サービスを提供しているナリコマ。少量高栄養の実現に向けて、日々クックチルのおいしさや栄養バランスを追求しています。30年以上、厨房業務に携わってきたナリコマだからこそ、嚥下食についても十分に追求を重ねたものを提供しています。

4形態に対応・嚥下レベルに合わせた提供が可能
ナリコマのクックチルでは、嚥下力や咀嚼力に合わせて下記の4つの食事形態をご用意しています。
嚥下状態が違う方が同じ食卓を囲む場面でも、形態を分けて準備しやすいのが特長です。
- 普通食
- ソフト食
- ミキサー食
- ゼリー食
普通食と介護食(ソフト食・ミキサー食・ゼリー食)は形態は違うものの、同一の献立を提供します。食事の形態が変わっても、味は変わらずに楽しんでいただけます。病院食、介護食に持たれがちな「物足りなさ」や味の違いを感じることなく、安心して食べることができます。
ミキサー食においては、薄めることなく水や出汁で調整することで、少量でも十分な栄養が摂取できるようになっています。個々の嚥下能力に応じて最適な栄養がしっかりと摂取できるのが、ナリコマのクックチルの特長です。
季節を感じられる行事食
ナリコマのクックチルは行事食や歳時食にも対応しており、麺類なども普通食・介護食の4形態でご用意しています。食べやすさを重視し、普通食でも柔らかく調理しています。

厳格な品質管理によって安心・安全
ナリコマのクックチルは、全国6か所のセントラルキッチンでHACCPの理念に基づいたルールのもと調理・製造されています。
食中毒の原因ともなりうる細菌などの増殖を防ぐためにも、厳格な衛生管理は必要不可欠です。ナリコマのクックチルなら安心した食事提供ができます。
簡単な準備で厨房負担を軽減
ナリコマのクックチルは調理済みの食事を厨房で温めて盛り付けを行うだけで提供可能。スタッフの作業負担を大幅に軽減します。調理に関わる手間や時間を削減し、スタッフは他の業務に集中できるようになります。
また、ナリコマには、より食事の準備が簡単な「ニュークックチル」も用意しています。ニュークックチルの魅力はなんと言ってもその提供スピードにあります。専用容器にあらかじめ盛り付けた食事を、専用の再加熱カートなどの専用機器にセットしておけば、時間になったら配膳するだけ。人手不足の朝食準備の時間にも簡単に準備ができます。
クックチルで嚥下食の提供をもっと簡単に!

「嚥下食調理の負担を減らしたい…」
「人手不足でも簡単に嚥下食を提供する方法を知りたい…」
嚥下食の提供の効率化には、ナリコマのクックチルを活用するのがおすすめです。ナリコマのクックチルは、摂食・嚥下レベルに応じた4形態に対応しており、施設厨房での調理負担を大きく減らします。
食べることは生きる力につながります。食を通じて、私たちナリコマは幸せと喜びをお届けします。安全で美味しい嚥下食をもっと簡単に提供してみませんか?
まずは、現在の食形態の内訳(普通・ソフト・ミキサー・ゼリーの人数)と、提供数・シフト状況を整理するだけでも改善の方向性が見えやすくなります。
365日、毎日の食事の楽しみはナリコマのクックチルから。嚥下食対応にお悩みを抱えているなら、ぜひお気軽にナリコマへご相談ください。課題解決に向けて、ナリコマが全力でサポートいたします。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
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◆健康管理:歯科健診による口腔ケアを行い、ウォーキングなどの軽い運動を取り入れる。
◆嚥下調整食(介護食)の活用:摂食機能のレベルにあわせた食形態に変更し、安全な食事環境を整える。
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