近年、病院や介護施設の厨房では人手不足が深刻化しています。原因には、調理師の減少や調理業務の負担、スタッフの高齢化、人件費の上昇など複数の要因が重なり、簡単には解決できない状況です。そこで注目されているのが、厨房業務を効率化する「機械化」です。この記事では、厨房の人手不足の原因から、機械化のポイント、人手不足対策として期待されるニュークックチルの概要を解説します。
目次
厨房の人手不足が深刻化する原因

近年、病院や介護施設をはじめ、食事提供を行う多くの業種で厨房スタッフの人手不足が深刻化しています。調理業務の負担の大きさや賃金水準、施設の経営状況など複数の要因が重なっており、問題の解決は容易ではありません。ここでは、厨房の人手不足が深刻化している背景を解説します。
調理師の減少
厨房の人手不足は、病院や介護施設だけでなく、宿泊施設や飲食店などでも共通の課題です。直接的な要因の一つとして、調理師の減少が挙げられます。厚生労働省の「調理師免許交付数の推移」によると、2009年度の免許交付数は42,522人でしたが、年々減少し、2024年度には22,771人まで落ち込みました。調理師免許を取得する人が減少する背景には、収入が上がりにくいことや、業務負担の大きさなどが影響していると考えられます。
調理師免許がなくても調理補助として働くことはできますが、職場環境の厳しさは調理師と大きく変わりません。調理の業務に就くことで調理師免許の受験資格が得られることは、調理補助として働くやりがいの一つですが、そもそも調理師を目指していない場合には動機づけにつながりにくいです。調理師の数が減ってきている現状は、調理の仕事に対するモチベーションの低下もうかがえます。
過酷な厨房業務
厨房の業務が大変だといわれる理由には、以下のような内容があります。
- 長時間勤務
- 立ち仕事が多い
- 限られた時間での調理
- 厳しい衛生基準
病院や介護施設では3食の提供が必要なため、厨房では食事の時間に合わせて調理を進めなければなりません。そのため、朝8時の朝食を提供するためには、早朝の4時頃からの勤務が求められることがあります。また調理は作って終わりではなく、後片付けまでが業務の一部です。夕食の調理後に片付けを行うと、勤務終了は夜10時頃になってしまうこともあります。シフト制であっても早番や遅番の勤務が続くと、生活リズムに影響することがあります。
また、調理は立ち仕事が多いため、長時間の勤務に加えて体力も必要です。このような中で、時間内に厳しい衛生基準を満たした食事を作ることは、大きなプレッシャーにつながる場合があります。
高齢化がもたらす障害
社会的な課題となっている人々の高齢化は、厨房業務にも影響を及ぼしています。若い世代の応募が少ないため、厨房のスタッフが徐々に高齢化してしまうことは現場の課題の一つです。スタッフの高齢化が進むと、、作業効率の低下や、もともと負担の大きい調理業務が年齢を重ねるごとにさらなる負担になることも考えられます。
また、病院や介護施設においては、患者さまや利用者さまの高齢化によって、介護食の提供内容が複雑になり、調理工程が増えることも業務負担につながります。こうした業務負担の増加は、新たな応募者の意欲低下や離職につながり、人手不足を招く要因です。
人件費の高騰と人手不足がさらに現状を悪化
厨房の人手不足には、人件費の上昇も影響しています。十分な人数を雇うための予算を確保できない施設も少なくありません。限られた人員で従来どおりの業務をこなす必要があるため、一人ひとりの負担はさらに大きくなります。その結果、離職が増えることで、さらに人手不足が進む悪循環に陥りやすくなります。
厨房の機械化を進めるポイント
厨房に人手が集まらない場合、厨房の機械化や外部委託は役立つ解決策です。専用の機器を取り入れて調理工程を自動化する方法や、セントラルキッチンに調理を委託して施設内の業務量を減らす方法などがあります。人手不足が深刻化する中で、いかに早く先端技術を取り入れて厨房業務を効率化するかが求められています。
ロボットの活用で調理を自動化させる
厨房の調理工程にロボットを活用することで、作業の自動化が可能になります。焼く・茹でる・揚げるなど、各工程に特化した機器が開発されており、メニューを設定すれば自動で仕上げてくれるのが特徴です。調理工程が標準化されるため、、経験の浅いスタッフでも任せられるメリットもあります。
セントラルキッチンに調理を委託する
厨房の人手不足を解消する方法では、セントラルキッチンの活用も有効です。セントラルキッチンで主な調理を行うため、施設内の厨房では、再加熱や盛り付けなどの簡単な作業で食事を提供できます。自社でセントラルキッチンを運営する場合だけでなく、調理そのものを外部に委託する方法でも、施設側は厨房業務の大部分を効率化でき、結果として人手不足の緩和につながります。
食事の準備を機械化できる?「ニュークックチル」とは
セントラルキッチンの調理方式には、クックチル・クックフリーズ・クックサーブ・真空調理がありますが、この中のクックチルを進化させたのがニュークックチルです。厨房の人手不足の解決策として、ニュークックチルは注目されています。
クックチルよりも機械化できるニュークックチル

ニュークックチルは、クックチルよりも自動化できる工程が多く、機械化による省人化に優れています。クックチル方式では、セントラルキッチンで加熱調理した食品を急速冷却し、施設の厨房へ配送します。厨房では、届いたクックチル食品を再加熱してから盛り付けて提供する手順です。クックチルの場合、食事のタイミングに合わせて、食品を温めて盛り付けを行う必要があります。
一方、ニュークックチル方式では、再加熱機器を利用することで、食事の時間に合わせて自動で温めることが可能です。クックチル食品を盛り付けてから機器の中にセットしておけば、提供時間に合わせて自動で再加熱してくれるため、よりスムーズに食事を提供できます。厨房の作業負担を大幅に軽減し、機械化による効率化が期待できる仕組みです。
ニュークックチルのメリットとデメリット
先述のように、ニュークックチルはクックチルの利点をさらに発展させた方式で、省人化に役立つメリットがあります。一方で導入におけるデメリットもあるため、双方を理解したうえでバランス良く検討しましょう。
少人数で衛生的!ニュークックチルのメリット
ニュークックチルのメリットは、事前の盛り付けと提供前の自動再加熱によって、作業の前倒しと自動化ができる点にあります。クックチルは、作業のマニュアル化や水道光熱費の削減といった利点がある一方で、食事の提供ごとに温めと盛り付けを行う必要があり、提供数が多いほど「冷めやすい」「提供までに時間がかかる」といった課題がありました。
ニュークックチルでは、提供数が多くても、温かい食事を含めそれぞれの料理を適温で提供することが可能です。作業を前倒しできるため、早朝や遅番のシフト削減にもつながります。また、調理開始から提供までの時間が短縮されるため、衛生面や安全面でもメリットがあります。
導入環境の調整が必要!ニュークックチルのデメリット
ニュークックチルには、専用機器の購入などの初期コストや、機器を設置するためのスペースが必要になるといったデメリットがあります。ニュークックチルの導入には「再加熱カート」や「リヒート」といった専用の機器が必要で、機能やサイズ、移動式と据え置き型などの違いがあります。とくに再加熱カート」は、一定のスペースの確保が必要です。
そのため、コスト面と設置環境の両方を踏まえて導入を検討することが重要です。ただし、初期コストは長期的に償却できる可能性があるため、ある程度長期目線での計画が役立つでしょう。
ナリコマのニュークックチルをご検討ください

厨房の人手不足は多くの病院や介護施設などを悩ませる深刻な問題ですが、新しい技術を上手に使うことでより効率的に改善することができます。ナリコマのニュークックチルもさまざまな施設さまにご利用いただいています。
ナリコマのクックチル食品は、身体機能に合わせた4形態で、介護食・医療食にも対応しています。対応エリアも幅広く、北海道と沖縄を除く全国でご利用できますので、ナリコマのニュークックチルをぜひ一度ご検討ください。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
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