食材費の高騰や人件費の増加により、給食費のやりくりに悩む病院や介護施設が増えています。「少しでもコストを抑えたい」「人手不足でも質の高い食事を提供したい」と考えている施設も多いのではないでしょうか?
今回は、給食予算の課題やコスト削減の工夫や、ナリコマの完全調理済み食品(クックチル)を活用した改善策をご紹介します。給食費の見直しを考えている病院・介護施設の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
病院・介護施設における給食の現状
病院や介護施設において、食事は患者や入所者の健康を支えるために提供される大切なものです。しかし近年、食材費の高騰や人手不足の深刻化によって、給食提供の現場には大きな負担がかかっています。限られた予算の中で、いかに高品質な食事を継続的に提供できるかが課題となっています。
給食が果たす重要な役割
病院や介護施設の給食は、ただ食事を提供するだけではなく、入院中の方や入所者の健康を支える大切な役割を担っています。栄養バランスの取れた食事は、体調を整えたり、治療やリハビリのサポートのためになくてはならない存在です。
また、単調になってしまいがちな入院生活などの中で、食事は毎日の楽しみのひとつです。「おいしく、楽しく食べられること」は生活の質(QOL)にもつながっています。だからこそ、病院・介護施設においては限られた予算の中でも、栄養価やおいしさを両立させる工夫が求められているのです。
給食提供における課題と現場の工夫
病院や介護施設の現場ではさまざまな悩みを抱えています。特に給食提供に関しては、運営を続けるうえでの課題が増えているのが現状です。
現場で直面している主な課題と、それに対する工夫について紹介します。
食材費の高騰
近年、食材の価格が大きく上昇しています。その要因としては、円安の影響による輸入食品の価格上昇や、燃料費や物流コストの高騰、異常気象による農作物の収穫量減少などが挙げられます。
特に輸入に頼る食材は影響を受けやすいために、安定した価格での仕入れが難しくなっているのが現状です。
人手不足と業務負担の増加
病院・介護施設では調理スタッフの確保が難しく、現場の負担が増えている施設も多いです。その背景には、少子高齢化による労働人口の減少、飲食・調理業界の人材確保の難しさ、他業種との人材競争などが関係しています。
特に介護食は、利用者の嚥下機能や健康状態に合わせた細かい調整が必須です。介護食の調理には細かい技術やノウハウが求められ、通常の調理よりも手間がかかることからも、スタッフの疲労感は大きくなっています。さらに人手不足によって一人ひとりの業務量が増え、調理や配膳の負担が大きいことも挙げられます。
こうした課題に対し、完全調理済み食品(クックチル)を活用した業務改善によってコスト削減も期待できます。完全調理済み食品(クックチル)とは、加熱調理した食材を急速冷却し、チルド状態で保存できる調理システムです。施設内で調理を行わず、提供時に再加熱を行います。こういったシステムを活用することで、調理の負担を減らしながらも食材ロスを少なくすることも可能です。
給食予算に関わる課題と原因
病院や介護施設では、給食の質を維持しながらも限られた予算内で運営しなければなりません。しかし、近年の物価上昇やエネルギーコストの高騰などにより、食材費や人件費の負担が増しており、給食予算に関わる多くの課題と向き合っていかなくてはなりません。
物価上昇とエネルギーコストの影響
特に2022年度以降、ウクライナ侵攻の影響で小麦や食用油の供給が不安定になり、価格が急上昇してしまいました。加えて、円安の進行により、輸入に頼る食材のコストが大幅に増加しており、給食提供に関わる負担は増すばかりです。
食材価格の高騰は病院・介護施設に限らず、家庭やその他の飲食業や給食業界に大きな打撃を与えています。給食を提供するために必要な電気・ガス・水道などの光熱費も上昇しており、調理や保存にかかる費用の増加が止まりません。
予算不足が引き起こす現場への影響
給食の運営は、施設の経営状況にも大きく左右されます。「給食提供における課題と現場の工夫」の項でも述べましたが、人件費や物価の高騰に加え、施設自体の運営費も増加しており、経営が厳しい病院・介護施設では、給食予算の確保がますます難しくなっているのが現状です。
給食事業の継続が困難になる施設も増えてきており、予算の不足は、現場の運営にも深刻な影響を与えてしまっています。医療機関では委託給食会社が撤退を余儀なくされるなど、給食提供そのものが危機に直面している状況なのです。
食事療養費の改定後も続く物価高騰
日本栄養士会が行った「2023年度入院食事療養費の収支等に関する実態調査」によると、食事療養費の収支差額は1日1人あたり約600円の赤字といった結果が出ています。多くの病院が持ち出しで給食を提供しており、給食の提供を維持するための費用負担がますます大きくなっていることを示しています。
食事療養費は令和6年に一食640円から670円に引き上げとなりましたが、止まらない食材費高騰を受け、令和7年4月1日からさらに20円引き上げの690円に変更されることとなりました。(厚生労働省「入院時の食費について」)しかし、今後も物価上昇が続くことが考えられるため、病院や介護施設では給食予算の改善が必要とされています。
給食予算改善のためにナリコマができること
給食の予算削減と品質維持を両立するには、効率的な調理方法や適切な食材管理が欠かせません。ナリコマでは、完全調理食品の提供を通じて、病院・介護施設の給食運営を支援しています。予算改善に関わる、ナリコマの具体的なサポートをご紹介します。
完全調理済み食品(クックチル)による予算削減
ナリコマが提供する完全調理済み食品(クックチル)を活用することで、調理の負担を大幅に減らします。調理いらず、提供前に再加熱し盛り付けるだけなので、人件費の削減にもつながります。人手不足が深刻な医療・介護の現場で、早朝・遅番のスタッフ確保が難しいという課題もこれで解決できるでしょう。
下処理や調理の手間が省けるため、調理器具の使用回数が減ることで光熱費の節約を叶えます。さらに、病院や介護施設では、利用者の健康状態に応じた食事の提供が求められます。ナリコマのクックチルなら、柔軟に対応可能です。
食材の無駄をなくす
食品ロスは、予算負担を増やす大きな原因です。ナリコマのクックチルは既に調理されているため、食材の購入や、管理に関わる労力も必要ありません。チルド状態でお届けし、製造日を含めて最大5日間保存が可能です。
ナリコマのクックチルなら、食材管理の手間を減らし、食品ロスを最小限に抑えられますので、効率的にクックチルを活用して、給食予算を改善しましょう。
導入支援とアフターフォロー体制
新しいシステムや食材を導入する際には、不安や疑問がつきものです。ナリコマでは、導入時には業務整理やオペレーションの再確認や、人手不足解消のための人員配置サポートなども行います。さらに運用後も業務・経営改善について定期的にフォローを行い、施設のニーズに合わせた改善策をご提案させていただきます。
給食の予算改善をお考えの場合には、ぜひ一度ナリコマへお気軽にお問い合わせください。
給食予算改善の成功事例
ナリコマのサービス導入によって、給食予算の改善につなげた事例が多数あります。実際の成功事例を導入後の声と共にご紹介します。
【事例①】給食の質とコスト削減の両立を実現
ある病院では、給食委託会社の管理費が高額のためにナリコマのクックチルへ切り替えをされました。ナリコマへの決め手はなんと「味」。職員向けの試食会を実施したところ、大変好評だったために、ナリコマへの切り替えを決断されたとのことです。
導入後の声
- 水道光熱費の大幅削減もできました。
- 作業量が減り人件費も削減できました。
- 誤嚥性肺炎のリスクが下がりました。
- コスト削減と味のどちらも追い求めた結果がナリコマさんです。
【事例②】少ないスタッフでも手軽に安全な給食提供を
ある特別養護老人ホームでは、人件費改善のために給食の直営化を決意されました。栄養価が整っていることや、少ないスタッフでも業務を回せるクックチルへの切り替えを決められたそうです。ナリコマが選ばれたのは「説明を聞いてすごく安心感があったこと」「デメリットやリスクもきちんと考えて伝えてくれたこと」だったそうです。
導入後の声
- おかずの残食が減りました。
- あまり食べなかった方がおいしいと言って食べてくださるのは嬉しいです。
- 厨房スタッフが朝夕に余裕が見られるようになってきました。
- 試食会も丁寧にやってくださったので安心して導入を検討することができました。
その他の施設さまの導入事例はこちらです。現場の声をぜひご覧ください。
導入後コストシミュレーションの活用を
ナリコマのクックチル導入で、どれくらいの給食予算が改善できるのでしょうか。たとえば、委託運営で給食を提供していた79床の急性期病院では、導入前は月434万円だった給食コストが、導入後は月374万円に削減され、毎月60万円のコスト削減を実現しました。
ナリコマでは、食材費・人件費・消耗品費をわかりやすく可視化し、導入後のコストシミュレーションも行っています。給食予算の削減にお悩みの場合にはぜひ一度お試しください。
給食費予算の課題解決はナリコマへご相談ください
病院・介護施設の給食運営を支えるには、限られた予算の中でも安全・美味しさ・栄養バランスを維持していくことが必要不可欠です。物価高騰によって厳しい状況が続きますが、私たちナリコマが、給食費予算の改善に向けて全力でお手伝いします! 完全調理済み食品(クックチル)の導入を通じて、食材ロス削減、効率的なオペレーション支援など、施設ごとの課題と対策を一緒に確認していきましょう。
「給食費の高騰にどう対応すればいいかわからない」
「人手不足で調理や配膳が負担になっている」
こんなお悩みがあれば、ぜひナリコマにご相談ください。
私たちとともに、より良い施設給食の未来を描いていきましょう。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
こちらもおすすめ
人材不足に関する記事一覧
-
厨房業務を効率化するコツ!病院や介護施設の人手不足をクックチルで解消
近年の人手不足の影響も受け、厨房業務にはさまざまな課題があります。今回は、どうすれば厨房業務の効率化ができるのか?について、効率化のコツや人手不足の解消にもつながる対策方法、クックチルが役立つポイントについて解説します。病院や介護施設の厨房業務管理にお悩みの際にもぜひご参考ください。
-
医療・介護施設の災害対策を!BCPセミナーで学ぶ備えの重要性
病院や介護施設は、災害や緊急事態の発生時、入院患者や施設利用者の安全と健康を守りながら、必要な医療・介護サービスを継続しなければなりません。そのためには、事業継続計画(BCP)の策定が不可欠です。BCP(Business Continuity Plan)とは、災害時において、業務を継続するための計画を指しています。病院・介護施設では特に「建物や設備の損壊」「インフラの停止」「人手不足」などのリスクを想定した備えが求められます。
しかし、対応するべき事柄が多すぎて、具体的にどのような対策を行ったらよいかお悩みの方もいることでしょう。そこで役立つのが、「BCP策定のポイントを学べるセミナー」です。今回は、病院・介護施設におけるBCPの重要性と、セミナーを活用して効果的に備える方法について詳しく解説します。 -
BCP策定はひな形の活用がおすすめ!介護施設で効率良く作成するポイント
BCPは「Business Continuity Plan」の頭文字を取った言葉で、事業継続計画を意味しています。危機的な状況下でも重要な事業を中断させない、または早期復旧させるための計画です。介護施設では、BCPの策定が義務付けられており、感染症用と自然災害用の2つのBCPを策定する必要があります。これらのBCPを策定する際には、ひな形を活用するのも一つの方法です。
この記事では、BCPをスムーズに策定するのに役立つガイドラインやひな形の解説とあわせて、ひな形を使用したBCP策定のポイントを解説します。
コストに関する記事一覧
-
BCPマニュアルの作成・活用 実践的な手順と注意点を徹底解説
BCPとは「Business」「 Continuity」「Plan」の頭文字を取ったもので、災害や緊急事態が発生した際に事業の中断を最小限に抑え、迅速な復旧を目指す「事業継続計画」を指します。介護施設に関しては2024年4月よりBCPの作成が義務化となり、すべての介護施設でBCPマニュアル策定が必須になりました。
医療・介護事業者にとっては、利用者の命や生活を守るためにBCPの策定が欠かせません。非常事態が起きた時でもBCPマニュアルを作成しておけば、短期間での業務復旧や多くの人々の命を守ることができます。BCPマニュアルの作成から運用、さらに病院・介護施設特有の対策について詳しく解説します。 -
給食業務を委託すると食材費はどうなる?物価高騰を上手に乗り切る方法とは
近年、給食業界はよりいっそう厳しい状況にあるといわれています。その主な要因の一つとされているのが、急速に進む物価高騰です。今回は、そんな物価高騰に対して給食業務をどのように行っていくべきか考えてみましょう。
キーワードは、委託給食と食材費。給食業務の委託サービスについて詳しく紹介し、委託にした場合の食材費がどうなるのか解説します。記事後半では食材費削減のアイデアもお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。 -
給食委託会社の選び方は?正しい選び方のポイントを解説
今後の需要が見込まれる給食委託会社の選び方についてお届けする記事です。最適な給食委託会社を選ぶための重要なポイントを挙げ、項目ごとに詳しく解説。給食委託を検討する際にお役立ていただけます。