医療や介護の現場では多職種連携が重視され、管理栄養士も欠かせない存在です。しかし現場では、管理栄養士の業務が調理に偏り、本来の専門業務に十分な時間を割けないという課題も指摘されています。この記事では、多職種連携の概要と管理栄養士の役割を整理しながら、調理業務が負担となる背景と調理業務の負担削減に役立つクックチルの特徴を解説します。
目次
多職種連携の強みと管理栄養士の役割
医療や介護の現場では「多職種連携」という言葉が頻繁に使われています。多職種連携とは、分野の異なる専門職が連携し、それぞれの知識や技術を活かしながらサービスを提供する取り組みです。専門職の連携により、目的に向かってより効果的なサービスの提供が可能となり、連携ならではのメリットが期待できます。

医療の現場では「チーム医療」と呼ばれる取り組みがあり、医師と共に看護師や薬剤師などの医療の専門職が協力して患者さまをサポートしています。これも多職種連携の一例です。また医療・介護の両分野で重視されている「地域包括ケアシステム」も、多職種が連携し、高齢者の方が可能な限り住み慣れた地域で自立した生活が送れるように支える仕組みです。
2030年にかけて後期高齢者人口の増加が予測される中、多職種連携を基盤とする地域システムは注目されています。多職種連携により、効果的なケアの質向上やケアを受ける側の満足度向上、さらに従業員のモチベーション向上といった好循環を期待する見解もあります。
医療や介護の現場で多職種連携を担うのは、次のような専門職です。
- 医師
- 看護師
- 薬剤師
- 言語聴覚士
- 理学療法士
- 作業療法士
- 歯科衛生士
- 管理栄養士
- 介護福祉士
- ケアマネジャー
- 生活相談員
- 医療ソーシャルワーカー
多職種連携における管理栄養士の仕事
管理栄養士は、医療と介護の両方の現場で活躍する専門職であり、多職種連携の中でも重要な役割を担っています。管理栄養士の主な役割は、食事を通して患者さまや利用者さまの栄養状態を良好に保つためのサポートを行うことです。健康的な生活や病気の治療には適切な栄養摂取が欠かせないため、「食べる」「栄養を摂る」という視点から栄養指導や給食管理を行います。
管理栄養士の仕事内容は職場によって異なりますが、病院や介護施設では例えば以下のような業務が挙げられます。
- 食事内容や栄養状態の調査と指導
- 献立の作成
- 調理や調理指導
- 調理方法の検討や指導
- 食材の選定や発注
- 制限食・介護食・アレルギー対応食などの管理
- 食事の配膳や用意全般
また、医師や保健師と連携し、生活習慣や食生活の改善を支援する「特定保健指導」も管理栄養士の業務の一つです。
多職種連携のメリットを妨げる要因
日本では介護保険制度が導入された2000年頃から多職種連携が注目されるようになりましたが、必要性が認識されているにもかかわらず、十分に効果を発揮できていない現状があります。多職種が協力することで多くのメリットが得られるとはいえ、連携そのものは決して容易ではありません。職種ごとに知識の内容や重視する目標が異なるため、同じ課題に取り組んでいても認識のズレが生じることがあります。多職種連携を成功させるには、他の職種について理解する姿勢を持ち、良好なコミュニケーション関係を築くことが大切です。

しかし近年では、多職種連携のための環境作りそのものが難しいケースがあり、要因の一つが人手不足です。人手不足の影響で、必要となる専門職がそろわない、専門性を高めるための学習機会が確保できない、一人当たりの業務負担が増える、といった問題が生じています。
管理栄養士の職場環境と職務を圧迫する調理業務
株式会社エス・エム・エスが2024年12月に実施した「管理栄養士・栄養士1,990人に聞いた働き方の実態調査」では、69.5%が仕事にやりがいを感じていると回答しています。しかしその中で、「やりたい仕事が出来ている」と回答したのは36.4%にとどまりました。
勤務先への満足度は47.3%で、半数以上が「どちらともいえない」または「不満」と回答しています。勤務先に満足していない理由の2位は「人手が足りなくて忙しすぎる」でした。加えて、本来の業務に集中できていると答えたのは41.9%で、電話対応や窓口対応などの専門業務以外の仕事を任されるケースもあるようです。月平均の残業時間は10時間以下が65.7%と比較的多いものの、81時間以上という回答も0.4%ありました。
こうした結果からも、人手不足が本来の業務を妨げ、仕事への満足度を下げている状況がうかがえます。また、管理栄養士の現場では、調理業務に追われて本来の専門業務に十分な時間を割けないという声も挙がっています。病院や介護施設の給食業務を含め、給食業界は人手不足が深刻化しているため、管理栄養士が調理業務を増やさざるを得ないケースも珍しくありません。
管理栄養士の負担削減には厨房改革から!
給食業務の人手不足により管理栄養士が調理に専念せざるを得ず、栄養指導や栄養管理などの専門業務に十分な時間を割けない状況では、管理栄養士としての役割を十分に発揮できず、多職種連携の質にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、管理栄養士の負担を削減するには、根本的に調理業務の負担を減らす工夫が必要です。しかし、社会的な課題でもある人手不足はすぐには解決が難しいため、限られた人数でもこなせる厨房へと改革していくことが、解決への近道といえるでしょう。
調理方式を見直そう!課題解決に役立つクックチル
厨房の人手不足対策では、調理方式の見直しが効果的です。従来のクックサーブ方式では、食事のたびに調理を行う必要があり、調理スタッフの確保が欠かせません。そのため、近年では新調理方式として効率の良い調理方式が注目されており、その中の一つがクックチルです。クックチルでは、加熱調理した食品を急速冷却してチルド保存しておき、提供前に再加熱と盛り付けを行います。
クックチル食品を事前に準備しておけば、提供時は、温めと盛り付け作業が中心となるため、調理工程に必要な人数を減らすことができます。また、作業内容も比較的シンプルで、スタッフのスキルを問わず任せることが可能です。調理業務の負担が軽減されれば、管理栄養士は栄養指導や栄養管理などの専門業務により集中できるようになるでしょう。
ナリコマのクックチルと導入事例

ナリコマでは、病院や介護施設に特化して、委託ではなく直営での厨房運営サポートを行っています。ナリコマのクックチルは、28日サイクルと365日サイクルの日替わり献立があり、個々の施設さまの環境に合わせた食事提供が可能です。また、介護食や治療食にも対応しています。
以下では、ナリコマの導入によって管理栄養士の業務改善につながった事例をご紹介します。
厨房作業時間が216時間短縮できた!
厨房作業に膨大な時間を取られる中、調理師や調理員が欠員することになり、栄養管理の時間の担保も目標に、ナリコマを導入していただきました。厨房作業・発注・検品・献立作成に毎月約1658時間かかっていたところ、導入後は1442時間となり216時間短縮できたとのことです。また、時間確保だけでなく、人件費のコスト削減もできたとお伺いしております。
患者さまや利用者さまとのコミュニケーションの時間が増えた!

慢性的な厨房の人手不足により職員が疲弊し、求人にも応募がない中でナリコマを導入していただきました。導入後は、業務内容がシンプルになったことで応募者が増え、求人を出す必要もなくなったとのことです。厨房業務が安定し、献立作成業務が不要になったことで、管理栄養士の方も患者さまや利用者さまとのコミュニケーションに時間を使えるようになったとお伺いしております。
調理業務負担を削減する厨房改革はナリコマにご相談ください!

ナリコマでは、クックチルのほか、早朝や遅番の無人化も可能となるニュークックチルシステムにも対応しています。厨房運営のスペシャリストが多数在籍しており、個々の施設さまに合わせたサポートを行います。管理栄養士の業務負担にお悩みの施設さまは、ぜひ一度ご相談ください。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
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