私たちの日常生活は、これまで開発・研究されてきたさまざまな技術に支えられています。「技術がなければ暮らしていけない」といっても過言ではないかもしれません。この数年で注目度が上がっているエイジテック(Age Tech)もまた、将来的に不可欠な存在になる可能性があります。今回の記事は、そんなエイジテックについて詳しく解説。概要や活用例、今後の課題などをまとめてお伝えします。ぜひ最後までお読みください。
目次
エイジテックの概要

エイジテックは、年齢を意味する「Age(エイジ)」と技術を意味する「Technology(テクノロジー)」を組み合わせた造語。高齢者を対象とした技術と、その技術を使ったサービスのことを指します。高齢者が抱える問題を解決すると共に、生活の質を向上させ、健やかに暮らせるようサポートすることが主な目的です。
近年は情報通信やAI、ロボットなどをはじめとする多種多様な技術が研究され、驚くほど進化し続けています。エイジテックには、そういった数々の技術が含まれています。具体例はのちほどお伝えしますが、適用されている分野も医療・介護・生活支援・レジャーなど、さまざまです。
エイジテックが注目される理由
エイジテックの注目度が上がっている主な理由は、近年特に重要な社会問題として指摘されている少子高齢化です。内閣府が公開した「令和6年版高齢白書」によると、日本の総人口は令和5(2023)年10月1日時点で1億2,435万人。高齢者といわれる65歳以上人口は3,623万人で、全体の29.1%を占めています。この高齢化率は令和22(2040)年に34.8%でピークを迎えますが、令和52(2070)年には38.7%まで上昇すると推測されているのです。
しかし、高齢化が進む一方、総人口は減っていくといわれています。令和38年は1億人を下回る9,965万人に、令和52年はさらに減少し8,700万人になるという推測があります。人口減少の要因とされるのは、出生数の変化です。平成22(2010)年に1,071万人だった出生数は、令和4(2022)年時点で771万人まで減少。出生率(人口1,000人当たりの出生数)にすると8.5%から6.3%まで落ち込んでいます。将来的にも上昇する目処は立っておらず、令和32(2050)年には6.0%を下回ると考えられています。
推測通りに少子高齢化が進んだ場合、いくつかの問題が懸念されています。実は、エイジテックが注目される理由はそこにあるのです。実際にどのようなことが問題になるのか、エイジテックとの関係も含めて詳しくみていきましょう。

①医療費・介護費用の増加
高齢化が進むと、医療や介護を必要とする人も増えていきます。そこで問題となるのが、医療費や介護費用といった社会保障費の増加です。平成30(2018)年を基準にすると、令和7(2025)年は医療費が1.2倍、介護費用が1.4倍の見込み。高齢化率がピークとされる令和22(2040)年には医療費が1.7倍、介護費用が2.4倍になるとみられています。
このような状況が続けば、従来の制度をそのまま適用するのは難しくなります。制度の見直しはもちろんですが、同時に、医療や介護に関するコストを抑えることも重要なのです。エイジテックは、医療・介護業務の効率化やサービスの利便性向上などに貢献できるものであり、結果としてコスト削減にもつながると考えられています。
②人材不足の深刻化
前述したように、高齢者が多くなれば医療・介護のニーズも高くなります。ところが、現在は高齢化だけでなく少子化も進んでいる状況。労働者として社会全体を支える若年・中年層が減少すれば、やがて医師や看護師、介護福祉士などの人材不足も深刻化していきます。
医療・介護業界は労働環境が厳しいことも影響し、以前から人材不足が課題といわれてきました。しかし、少子高齢化によってさらなる苦境に陥ってしまう可能性があるのです。エイジテックは将来的に人材不足の現場を支え、良質な医療・介護サービスを効率的に提供できるのではないかと期待されています。
③高齢者の孤立
少子高齢化の進行には、高齢者が孤立しやすくなるという懸念もあります。令和2(2020)年時点で65歳以上の単独世帯数は6,717世帯でしたが、令和22(2040)年には10,413世帯まで増加する見込み。令和32(2050)年には10,839世帯となり、独居率は男性が26.1%、女性が29.3%になると推測されています。エイジテックは、そんな高齢者の孤立状態を支えたり、防いだりする役割も担っているのです。
エイジテックの活用例
では、エイジテックの活用例を種類ごとにみてみましょう。
高齢者自身が使うエイジテック
食生活、服薬、バイタルデータ、歩数などをスマートフォンやタブレットに記録できる健康アプリは、日常生活に寄り添うエイジテック。ホームセキュリティシステムや家電製品のリモコンなどが高齢者向けに使いやすくデザインされていることも、活用例の一つです。
医療・介護従事者や行政が使うエイジテック
医療・介護施設では、医療機器や福祉機器などにエイジテックが導入されています。具体的にはオンライン診療やリハビリシステム、介護ベッド、徘徊防止システム、可動式入浴台などがあります。また、行政でもAIを搭載したコミュニケーションアプリの開発など、高齢者の健康や安心を支える取り組みが進められています。

高齢者を支える個人が使うエイジテック
高齢者を支える家族などが使うエイジテックもあります。例えば、自宅で安全に過ごすための手すりやスロープ、離れて暮らす家族も様子がわかる見守りアプリ、双方向の通話ができるビデオチャットアプリなどが挙げられます。
高齢期に備えて使うエイジテック
エイジテックは、高齢期の健やかな暮らしに備えて活用されることもあります。この場合は主なターゲットが若年・中年層で、スマートフォンやウエアラブルデバイス向けの健康管理アプリ、遺伝子検査などが挙げられます。
エイジテック導入における課題
前述した活用例からもわかるように、エイジテックには高齢者の生活の質を向上させるほか、医療・介護従事者の負担軽減や現場の業務サポートといった導入効果が得られます。しかし、活用し続けるためには二つの大きな課題を解決しなくてはなりません。

一つ目の課題は、開発・導入費用を確保すること。新たな技術を生み出すには、長期にわたる研究や実験などを行う必要があり、多額の費用がかかります。その環境を整えるためには、開発元だけに頼らず、政府や自治体も支援体制を構築すべきでしょう。
もう一つの課題は、高齢者や医療・介護従事者が正しく使いこなせるかどうかという点です。最も重要なのは、エイジテックを活用した製品やサービスについてよく理解すること。わからないからといってそのままにせず、高齢者や医療・介護従事者が自ら学ぶ姿勢を持つことも大切です。
ここにもエイジテック!ナリコマの介護食
ナリコマでは、高齢者が安心してお召し上がりいただける介護食をご用意しております。ソフト食・ゼリー食・ミキサー食のバリエーションがあり、普通食と同じメニューでご提供。新たな調理技術により、少食でも十分な栄養がとれる「少量高栄養」の介護食を追求しています。

また、基本の献立サービス「すこやか」は365日日替わりでお届け。長期利用の方も、飽きずにお楽しみいただけます。また、厨房のサポート体制も充実。調理工程を減らすクックチル方式の採用、発注や帳票管理に使える独自システムなど、業務効率化にも貢献することができます。医療・介護施設のお食事は、ぜひナリコマにおまかせください。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
こちらもおすすめ
クックチルに関する記事一覧
-
完調品とクックチルを比較!介護施設や病院に最適な給食運営モデルとは?
完調品(完全調理済み食品)の活用やクックチル方式の導入は、介護施設や病院の給食運営で注目される方法です。いずれも厨房の人手不足対策などの課題解決に役立つ一方、目指す方針によって適する運営モデルは異なります。
この記事では、それぞれの特徴を解説しながら、完調品とクックチル方式を活用した給食運営モデルを比較します。また、完調品とニュークックチル方式を組み合わせることで、さらなる業務効率化も可能です。自施設に最適な給食運営を検討する際にぜひご参考ください。 -
厨房業務と最低賃金の関係とは?調理師不足時代に求められる食事提供体制の見直しと外注化
最低賃金の引き上げが続く中、厨房業務を抱える現場では人件費の上昇が避けられない課題となっています。とくに調理師不足が慢性化する医療・介護・給食の現場では、「人を確保したいが、人件費が合わない」という悩みを抱える施設も少なくありません。
今回は、厨房業務と最低賃金の関係を整理しながら、最低賃金の上昇が続く中での課題と、食事提供体制の見直し、そしてナリコマのクックチルを含めた外注という方法について解説します。 -
2025年最低賃金 引き上げ率の最新動向|2025年の地域別・年次比較を厚労省データから読み解く
2025年の最低賃金の引き上げ率は、医療・介護・給食をはじめとする施設運営にも影響が出やすい水準となりました。とくに地域別の違いは人件費の見通しに直結するため、年次比較も含めて、どれくらい上がってきたのかを押さえておくことが大切です。
今回は、厚労省のデータをもとに2025年の最低賃金動向を整理し、業界ごとの影響を踏まえつつ、厨房運営の見直しといった視点も交えながら、自施設に合ったコスト対策を解説します。
セントラルキッチンに関する記事一覧
-
食材管理を効率化したい!在庫・賞味期限管理システムやニュークックチル食品の便利なポイント
安心安全な給食を提供するうえで食材管理は欠かせませんが、やるべきことが多くあるため効率良く行うことも必要です。この記事では、厨房の食材管理のポイントや、食材ロス削減への取り組みで得られるメリットを改めて振り返りながら、給食管理・発注システムで在庫管理や賞味期限管理を効率化する方法、食材管理の負担を軽減するニュークックチル食品の導入などについて解説します。
-
値上げは必須!介護給食の重要性と現状を詳しく解説
介護給食は、全国各地の特別養護老人ホームや介護老人保健施設などで提供されている食事のこと。近年はさまざまなコストが上昇している状況にあり、介護給食の値上げも強く求められています。
本記事では、そんな介護の現場における給食をクローズアップ。給食の重要性についてお伝えするほか、調理にコストがかかる理由や厳しい現状、コスト削減方法などを解説します。ぜひ最後までお読みいただき、参考になさってください。 -
高齢者施設の非常食献立|高齢者に適した備えとは?
高齢者施設の非常食は、一般的な非常食だけでは不十分な場合があります。非常時はいつも通りの食事ができず栄養状態が崩れやすいため、高齢者が食べやすく、必要な栄養を確保しやすい非常食を献立として備えておくことが大切です。
「非常食は常備しているけれど、高齢者施設も一般的な非常食でいいの?」
こんな悩みを抱えていませんか?
災害時、高齢者施設では食事の提供が難しくなり、栄養不足に陥るリスクが高まります。特に高齢者は噛む力や飲み込む力に個人差があるため、一般的な非常食では対応しきれないことも。
だからこそ、高齢者施設ではBCP対策の一環として、利用者の健康状態に適した非常食を備えておくことが大変重要です。今回は、高齢者施設向けの非常食選びの重要性と、ナリコマの介護用非常食がどのように役立つのかをご紹介します。




