病院や介護施設の厨房業務で深刻化している人手不足。その解決策として、AIの活用による厨房省人化が注目されています。この記事では、病院や介護施設の厨房の課題を整理しながら、AIと厨房省人化の関係を解説します。AI発注による在庫管理や、AIによる機器連動や調理ロボットが活躍する未来像を参考に、まずはできるところから厨房省人化に取り組んでみましょう。
目次
病院や介護施設の厨房業務の課題
病院や介護施設の厨房業務では、近年人手不足が深刻な課題となっています。まずは、人手不足になってしまった背景について振り返りながら、厨房業務の課題を今一度見直してみましょう。
過酷な労働環境
病院や介護施設の厨房では、患者さまや利用者さまの朝食を準備するために、早朝勤務の必要性があります。朝の5時から始まるシフトも珍しくなく、遅番のシフトにも対応することで生活習慣が乱れやすくなることも難点です。こうした過酷な労働環境により、働き手が集まりづらく人手不足の原因につながっています。さらに、人手不足の状況が加速することで個々の業務量が増加するといった悪循環も起き、深刻な課題を生んでいます。

若年層の離脱と高齢化による離脱
過酷な労働環境などが就業意欲の低下につながり、若年層が定着せず後継者が育たない中、ベテランスタッフが高齢化で退職することで人手不足に拍車をかけている現状があります。業務を熟知したベテランスタッフが退職してしまうと、教える人材がいなくなり、さらに後継者が育ちにくくなってしまいます。
給食運営の赤字
病院や介護施設では、給食の運営自体が赤字になる問題も取り上げられています。食材費や光熱費、人件費の高騰などにより、人手不足の課題にとどまらず、施設自体の存続が危ぶまれることも厨房の課題の一つです。食材費の高騰により食事の質を下げなければならず栄養面のリスクが生じるなど、本来提供するべき食事の目的を果たせない可能性もあるため、早急な解決が望まれます。
AIと厨房省人化のつながりとは?
厨房省人化ではAIの活用が注目されています。ここでは、厨房省人化のメリットや注意点から、AIやDX推進とのつながり、厨房省人化の進め方を解説します。
厨房省人化とは?メリットと注意点
省人化は、簡単に言えば業務を行う人員やその労働時間を減少させることです。人手不足の課題は近年さまざまなところで見られ、対策として省人化が注目されています。厨房の省人化によって、人員や労働時間を削減すれば、先述したような新しいスタッフが集まらないことやこれ以上人件費にコストをかけられないといった悩みの解決に役立つでしょう。
ただし省人化で大切なポイントは、単に人を省くのではなく、少人数でも同じ働きを生み出せるようにすることです。省人化に成功すれば、人手不足や人件費の課題解決だけでなく、生産性の向上や品質の向上にもつながります。しかし、省人化が上手く機能しないと、反対に業務の質の低下などにつながるため注意が必要です。また、省人化に向けた設備などに初期コストがかかり、スタッフには新しい環境に慣れてもらうことも必要になります。厨房省人化を進めるには、メリットとデメリットをしっかりと押さえたうえで、下記のポイントを維持しながら進めていくことが大切です。
【厨房省人化で外せないこと】
- 業務の質の維持または今以上の向上
- 人為的ミスの減少
- 個々のスタッフの業務負担の軽減

厨房省人化で活躍するAIとDX推進
ITの活用は、人手不足の課題解決の方法の一つです。すでに人手が足りない状態で省人化に取り組み、ミスを防いでさらに上質な業務を目指しながら個々のスタッフの業務を減らすためには、人の手で行っていた部分をAIなどを使ってまかなう方法が役立ちます。厨房省人化においても、AIやロボットの活用は大きな役割を担っています。
省人化を進めるには、こうしたIT活用に積極的に取り組み、DX推進を目指すことがポイントです。DXは「デジタル・トランスフォーメーション」を意味した用語で、デジタル技術を活用して業務の仕組みを変えていく取り組みです。厨房省人化でも、AIの活用やDX推進に注目しながら進めていきましょう。
厨房省人化の進め方
厨房省人化では、便利なAIやシステムを探すよりも先に、現在の厨房業務に何が必要なのかを検討することが大切です。進め方は、下記のステップも参考にしてみてください。
①現状の課題を洗い出す
②省人化の目的を明確にする
③業務内容を見える化する
④業務をマニュアル化する
⑤マニュアル化された業務に合うAIやシステムを探す
厨房省人化では、自動化できる業務を探すことがポイントです。業務効率化に向けた課題を明確にし、担当者が変わっても問題なく行える標準化した業務の仕組みを作り、AIやロボット、システム等にまかせられる環境を構築していきましょう。実際にAIやシステムを導入する際には、導入コストやスタッフとの相性も考える必要があります。自社で上手く運用できる環境を意識しながら検討し選定しましょう。
AIを活かした発注・在庫管理&機器連動で業務効率化
システムやAIを活用することで、厨房業務の効率化を図ることができます。給食管理システムを活用した発注・在庫管理やAIと調理機器の連動など、厨房業務効率化の可能性はさまざまに広がりを見せています。

給食管理システムで作業負担を削減
発注管理や在庫管理の作業は、手作業で行う場合はとくに大変な作業となりミスも起きやすいです。作業に時間がかかり他の業務に遅れが出る、計算を間違えて食材が足りなくなるなど、給食業務全体への負担につながり担当者を悩ませています。
発注管理や在庫管理の課題は、給食管理システムを導入することで解決しやすくなります。発注管理や在庫管理の機能を備えたシステムを使えば、複雑な計算をシステム上で行えるためミスの軽減も期待できるでしょう。システムによって、仕入先の情報を登録できたり、食材を分類して管理できたりする機能などもあり、情報の整理に役立ちます。
最近では、AIを活用した給食管理システムや、AIによる自動発注や予測を踏まえた在庫管理ができるシステムも登場しているため、AIを搭載したシステムの発展によってさらなる業務効率化が期待できるでしょう。
AIと調理機器の連動で生み出せること
AIと連動した調理機器は、身近な家庭用の家電にも見られるようになりました。例えば、調理履歴を学習し、使用者のレベルに合わせたレシピを提案してくれる調理機器もあります。業務用の調理機器でも、AIを活用した機能がさまざまに取り入れられ、課題解決に役立っています。
例えば、AIによって自動調理や調理時間の自動調整ができるスチームコンベクションオーブンがあります。また、調理機器との単純な連動にとどまらず、AIが調理計画を立てて指示してくれるシステムなども見られるようになりました。AIとの機器連動は、厨房省人化にも効果が期待できます。
次世代の厨房スタッフになり得る調理ロボット
近年、調理ロボットはさまざまな進化を遂げています。例えば、調理だけでなく盛り付けや洗浄までこなす調理ロボットも登場しました。調味料を自動で計算し最適なタイミングで投入することもできるようになり、調理ロボットを使ってプロの料理を再現できる時代が訪れています。調理ロボットの機能では、調理の自動化だけでなく、調理の時間短縮にも優れた機能を持っているものが見られます。こだわりの味わいを再現するだけでなく、素早く調理できることも今の時代のニーズと言えるでしょう。

介護業界でも介護ロボットの活躍が注目され、ベッドへの移動や歩行の補助、利用者さまとのコミュニケーションなどをロボットがサポートするようになりました。そんな中、3Dフードプリンターを活用して介護食を作る取り組みも研究されています。介護食の柔らかい食感を維持しながらも、通常食と同じような見た目に仕上げることで、食事の際の抵抗感や食欲低下の予防が期待されている取り組みです。調理ロボットの進化によって、厨房省人化だけでなくより多くのメリットが得られる可能性も見えつつあります。
ナリコマのニュークックチルが厨房省人化をサポート!
ナリコマのニュークックチルは、厨房の朝夕の無人化を可能にするサービスです。ナリコマのクックチル食品をチルド状態で盛り付けて専用機器にセットしておけば、食事のタイミングで自動で再加熱されるため、早朝や遅番のシフトを削減することができます。最低限必要な調理器具で作業を行うことができ、特別な調理の専門性を必要としないため、人を選ばずに業務をまかせやすいこともメリットです。人員を減らしても、業務の質を維持しやすいでしょう。

ある程度の初期コストはかかりますが、継続によって償却できる可能性が高く、長期目線ではコスト削減が可能です。ナリコマでは、厨房に関する全ての課題解決を支援いたします。まずは一度、お気軽にご相談ください。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
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