近年、給食業界はよりいっそう厳しい状況にあるといわれています。その主な要因の一つとされているのが、急速に進む物価高騰です。今回は、そんな物価高騰に対して給食業務をどのように行っていくべきか考えてみましょう。
キーワードは、委託給食と食材費。給食業務の委託サービスについて詳しく紹介し、委託にした場合の食材費がどうなるのか解説します。記事後半では食材費削減のアイデアもお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
給食業務の委託サービスとは

給食の提供先は幅広く、保育園や学校、介護福祉施設、病院、社員食堂などがあります。「食材を調理して提供する」という流れをベースに考えると、主な運営方法は二つ。一つは施設や企業が直接スタッフを雇用し、厨房などの設備を整えて給食を提供する「直営給食」です。
直営給食は地元の業者から食材を仕入れたり、スタッフに給食調理以外の業務を任せたりすることができます。融通が利くところはありますが、タスクが増えて現場スタッフに負担を強いるケース、スタッフの確保やコスト管理が難しいケースなどもみられます。
もう一つの運営方法は、本記事のテーマである「委託給食」。施設や企業が給食業務全般、もしくは一部を外部の給食会社に委託する方法です。では、実際にどんなメリットがあるのでしょうか?
委託給食のメリット
委託サービスの基本的な仕組みでは、給食会社のスタッフが現地の厨房に入って給食を調理します。つまり、施設や企業は給食に関する採用業務、スタッフ育成を行う必要がありません。献立作成も給食会社が行ってくれるので、ほかに人員や時間を割くことができ、業務そのものの負担が減ります。
令和3年6月1日以降は、給食会社を含むすべての食品等事業者に対してHACCP(ハサップ)に沿った衛生管理が義務付けられています。一度にたくさんの給食を提供する場合、食中毒などのリスクを回避することが特に重要です。給食会社のノウハウによって、より安全性が高くなるのも大きなメリットといえるでしょう。
また、栄養バランスがよく、味や品質が安定しやすいのも委託給食の魅力。給食を口にする子どもや高齢者、入院患者などの満足度が高くなれば、結果として施設や企業のイメージアップにもつながります。
ただし、こうした多くのメリットを得るには給食会社とのコミュニケーションが不可欠です。些細なことでもきちんと話し合い、お互いに試行錯誤をしながら信頼関係を築いていかなければなりません。当初に想定した給食運営ができるまで、時間を要することもあるでしょう。
食材費などの高騰が給食業務を圧迫

冒頭でもお伝えしましたが、近年は驚くほど急速に物価高騰が進み、消費の落ち込みや各業界における運用コストへの影響も大きく取り上げられています。給食業界もかなりの影響を受けており、全体的なコスト増への対策をしなければならない状況が続いています。
2023年夏に実施されたウェブアンケート「物価高騰による施設等の給食への影響調査」では、調査対象となった管理栄養士や栄養士の99.6%が食材の値上がりを実感。メニュー開発や献立作成で悩んでいるという回答も、全体の約70%を占めていました。現場では食材を限定したり、仕入れ先を変更したりといった対応を余儀なくされたようです。
また、2024年9月には、広島県に本社を置く企業が学校給食の提供を突然停止。その背景には「物価高騰により事業の継続が難しくなった」という事情がありました。同年11月には全国老人福祉施設協議会が給食関連の赤字増加に言及し、介護施設における給食が危機にさらされていることを強調しました。
農林水産省が公表している「食品価格の動向(消費者物価指数)」によると、2020年を基準の100とした場合、現在に至るまでの指数は急激に上昇。2023年初頭はまだ110にも満たないところでしたが、2025年12月には128.8(生鮮食品を除外しても128.2)となっており、物価高騰の波が一目でわかります。
このような現状からもわかるように、物価高騰はこれまで厳しいといわれてきた給食業務をさらに圧迫しているのです。以下に、給食で特に重要な食材が値上がりしている要因をまとめてみました。

食材が値上がりしている要因①異常気象や紛争の発生
高温や豪雨など、近年では世界各国で異常気象が発生しており、農作物が不作になることも増えてきました。日本も例外ではなく、国産の野菜や米などの価格高騰がみられます。また、2022年2月から続いているロシアのウクライナ侵攻をはじめ、さまざまな食材の原産国で紛争が起きていることも要因の一つ。生産のみならず、食材の調達自体が難しくなっているケースもあります。
食材が値上がりしている要因②円安
日本は食料自給率が低く、多くの食材を輸入に頼っています。ここ数年でUSドル/円の為替相場は円安傾向にあり、輸入食材の価格は以前よりも高騰している状況です。
食材が値上がりしている要因③人件費の上昇
日本は少子化が進んでおり、将来的に若年層の労働人口が減少するといわれています。現在は政府の働きかけもあり、労働力確保のために賃金を上げる企業も増加。生産や加工などにかかる人件費が食材の値上げにつながっています。
食材が値上がりしている要因④物流費の上昇
先に挙げた紛争の話も関係していますが、近年は中東地域の情勢が不安定で、それに伴って原油価格の上昇がみられます。ガソリンなどが高騰すれば、食材の輸送にかかる費用も増えてしまうのです。それに加え、物流業界は以前からドライバー不足が課題といわれています。2024年4月1日以降は自動車運転業務の時間外労働時間に制限ができたことにより、業務量が減少。これもコスト増につながり、食材の値上がりにも影響しているといえるでしょう。
給食の食材費は委託で安くなる?
委託給食では、委託費(人件費や管理費)と食材費を合算した費用がかかります。食材費は食数によって変動します。委託給食で食材費が安くなるかどうかは、もともとの運営方法によって異なるため、ここで断言することはできません。本項目では、給食会社で食材費が抑えられる二つのポイントをまとめてみました。

食材を大量に仕入れる
給食会社は、大量仕入れによって食材を安く調達していることがあります。近隣の生産者と契約している場合は輸送費も抑えられるため、食材費への転嫁が少ないかもしれません。
直営では、提供する給食の量にあわせて仕入れを行います。仕入れの数が少なければ価格調整も難しくなるため、委託で食材費削減になる可能性も高いでしょう。
食材の無駄をなくす
食材を安く大量に仕入れても、頻繁に無駄が出てしまうようであれば食材費の削減にはなりません。つまり、管理体制が非常に重要ということです。在庫数はもちろん、賞味期限や衛生・品質保持など、食材の管理には思った以上に手間と時間がかかります。
給食会社は、食材の管理体制を徹底している専門業者。無駄をなくすために、献立や調理面でも工夫を凝らしています。直営ではほかの業務に追われることもあるため、こういった細やかな管理体制を整えるのは難しいかもしれません。
給食の食材費削減にはナリコマのクックチルもおすすめ
実は、委託給食以外でも食材費を削減できる可能性があります。ナリコマでは、完全調理済み食品をお届けするクックチル方式の献立サービスを展開中。自社セントラルキッチンで食材の大量仕入れと大量調理を行い、食材費を抑えながら現場の負担経験にも貢献しております。

365日日替わりの「すこやか」は慢性期病院や介護福祉施設、28日日替わりの「やすらぎ」は急性期・回復期病院の給食におすすめ。ソフト食、ミキサー食、ゼリー食のご用意もあるため、嚥下機能が低下している方も安心です。導入前には食材費や人件費などのシミュレーションも行っております。給食コストでお悩みの際には、ぜひ一度ナリコマにご相談ください。
クックチル活用の
「直営支援型」は
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