近年、病院の給食現場における人手不足やコスト高騰が深刻化しています。その解決策として注目されているクックチルやニュークックチルは、大量に作り置きをしてチルド保存を行う調理方法です。次のようなメリット、デメリットがあるため、導入には向き不向きがあります。
【メリット】
●人手不足でも効率よく対応できる
●各種コストが削減できる
●品質が安定し満足度向上につながる
【デメリット】
●保存スペースを確保しなくてはならない
●専用機器の導入コストがかかる
●再加熱に向かない料理がある
「人手不足や長時間労働が慢性化している」「給食関連コストが増大している」「食数が多く、給食がスムーズに提供できない」などでお悩みの病院なら、クックチルやニュークックチルの導入がプラスになる可能性は高いでしょう。給食提供体制の安定化に向けて、ぜひ検討してみてください。
目次
クックチル、ニュークックチルの違いは?

コスト上昇や人手不足に悩む病院の給食現場で重宝される調理システム、クックチルとニュークックチル。最初に、この二つの共通点や相違点を確認しておきましょう。
クックチルとニュークックチルの【共通点】
クックチルとニュークックチルの工程は「事前調理」と「急速冷却」、「チルド保存」の3点が共通しています。あらかじめ食材を調理して急速冷却。できあがった料理は、食中毒などを引き起こす菌が繁殖しにくい0〜3℃のチルド状態で保存します。ちなみに、保存期間は最長で製造から5日間ほどとなっています。
空き時間を活用できる事前調理によって業務全体が効率化されるのはもちろん、チルド保存することで衛生面の安全性も向上。調理工程がしっかりとマニュアル化されるため、給食の品質が安定するのも特長といえるでしょう。
クックチルとニュークックチルの【相違点】
クックチルとニュークックチルの大きな違いは「盛り付け」と「提供時のオペレーション」にあります。クックチルはできあがった料理をそのままチルド保存し、提供直前に再加熱してから盛り付け。一方、ニュークックチルはできあがった料理を一人前ずつ盛り付けてからチルド保存し、食器ごと再加熱してから提供します。
このような違いがあるため、クックチルの場合は盛り付けの際に作業時間とスタッフの確保が必要です。その点、ニュークックチルは配膳時刻に合わせてスピーディーに提供可能。大量の給食を提供しなくてはならない現場でも、最小限のスタッフ数で対応しやすくなります。
病院でクックチルやニュークックチルの注目度が高まる背景

日本医労連が実施した「病院給食実態調査(2023年)」によると、調査対象となった123 病院・施設のうち74.8%(前回比+10.6)がクックサーブを採用。クックチルは16.3%(前回比-0.1)、ニュークックチルは7.3%(前回比+1.3)ですが、2018年に実施した調査ではクックチルが約2倍に増加していたとあります。2023年の調査ではニュークックチルが微増していますが、このような増加の背景には何があるのでしょうか。
慢性的な人手不足である
日本の人口は年々減少しており、少子高齢化が急速に進んでいます。令和7年10月1日現在の総人口は1億2,322万人ですが、65歳以上人口の割合は29.4%と高水準です。出生数も減少傾向にあり、令和7年は調査開始以来最少となる 67 万 1236 人に。令和元年に1.36だった合計特殊出生率(15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの)も、1.14まで低下しています。こうした変化に伴い、社会全体の労働力も減少。給食現場では管理栄養士や調理師などをはじめとするスタッフが十分に確保できず、人手不足が続いています。
また、本来であれば、これからの現場を担う若手スタッフを採用して育てなくてはなりません。現在働いているスタッフに若手が少ない場合も、将来的に人材不足となり業務が回らなくなる不安が残っていると考えられます。
労働環境が厳しく長続きしない
現実的にみて、給食現場の労働環境はなかなか厳しいものです。終始エアコンの効いた部屋で業務を行うわけではありません。衛生管理を徹底するのはもちろん、暑くてもガスコンロを使ったり、寒くても冷蔵品や冷凍品を扱ったりすることが多く、少なからず体に負担がかかるでしょう。
さらに、病院では朝・昼・夕と1日3回の給食を提供する必要があります。仕込みと片付けの時間があるため、早朝や深夜の勤務も必須。こうした過酷な労働環境が原因となり、短期で辞めてしまう人が多い現場もあるのです。
給食委託費が上がっている
病院の給食業務では、委託によって人材不足などを補うという選択肢があります。しかし、給食専門の企業もコスト上昇や人手不足の影響を受け、やむを得ず委託費を上げている場合があるのです。当然ながら、病院と委託先の双方が納得した条件でないと契約には至りません。委託で折り合いをつけるのが難しくなっている現実もまた、頭を悩ませる問題になります。
病院でクックチルやニュークックチルの導入が増えるのは、上記で述べたような背景が関係していると思われます。この点を踏まえつつ、給食現場にとってのメリット・デメリットもお伝えしましょう。
病院給食にクックチル、ニュークックチルを導入するメリットとデメリット

病院給食にクックチルやニュークックチルを導入するメリット、デメリットを表にまとめました。導入の判断材料としてお役立てください。
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メリット |
デメリット |
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人手不足でも効率よく対応できる ・作り置き(事前調理+チルド保存)のため、空き時間を有効的に使える ・提供直前の作業工程が少なく、最小限の人員でも対応可能 |
保存スペースを確保しなくてはならない ・調理済みの食材や料理をチルド状態で保存するスペースが必要 ・病院(厨房)の規模によってはスペースが限られており、対応できない ・従来とは厨房内の動きが変わるため、動線の見直しが必要なこともある |
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各種コストが削減できる ・業務効率化で人員を減らすことができれば、人件費も削減できる ・食材をまとめて仕入れると安価になる場合がある ・大量調理と作り置きによって、食品ロスや水道光熱費の削減につながる |
専用機器の導入コストがかかる ・急速冷却に使うブラストチラー、チルド保存に使う大型の冷蔵庫、再加熱のための専用機器(再加熱カートや理ヒートウォーマー)が必要 |
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品質が安定し満足度向上につながる ・調理工程がマニュアル化され、品質が安定する ・ニュークックチルは提供までの時間が早く、再加熱後の料理が冷めにくい ・患者の満足度が向上し、病院のホスピタリティも高まる |
再加熱に向かない料理がある ・再加熱すると食感などが変わりやすい揚げ物や炒め物は不向き ・給食の献立バリエーションが少なくなることもある |
クックチルやニュークックチルが適した病院とは

クックチルやニュークックチルは、厨房業務が大きく変わる調理方法です。導入にはコストだけでなく、時間も労力もかかります。事前に次のような点をチェックし、じっくりと検討しましょう。
- 慢性的な人手不足や長時間労働を解決したい
- 人件費・水道光熱費などの給食関連コストを削減したい
- 食品ロスを削減したい
- 食数が多く、遅延などが起こっている
- 給食委託費の値上げが続いている
これからの時代に合った病院給食とは

少子高齢化が進行するこれからの時代にあわせ、病院給食の提供体制を整えることは急務といえるでしょう。クックチルやニュークックチルを採用したナリコマの献立サービスは、高品質の介護食も含めた四形態を展開しております。弊社セントラルキッチンから完全調理済み食品をお届けするため、厨房における調理業務はほとんどありません。再加熱や盛り付けのみで提供できることから、省人化も実現可能です。ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
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