セントラルキッチンは、効率的な調理業務をサポートするシステムです。「一ヵ所でまとめて食材加工や調理を行い、品質・安全管理を徹底しながら複数の場所に配送する」というのが基本的な仕組み。食品を扱う飲食店やスーパーマーケットのほか、病院・介護福祉施設・学校・保育園などの給食現場でも導入されています。
「その場で調理して提供する」という一般的な調理システムと比較した場合、セントラルキッチンには次のようなメリット・デメリットがあります。
【セントラルキッチンのメリット】
・業務効率化が実現できる
・品質維持がスムーズになる
・徹底した衛生管理が行える
・ランニングコストが削減できる
・事業拡大の余裕が生まれる
【セントラルキッチンのデメリット】
・多額の初期投資と入念な準備が必要
・トラブルは広範囲に影響する
・店舗や施設のスタッフが育たない
・調理と提供の間にタイムラグが生じる
・喫食者の声が反映されにくい
調理方法はクックフリーズ、クックチル(ニュークックチル)、真空調理の三つが主流。店舗や施設の方針、料理の提供方法、人員配置など、現場の体制を考慮した上で選びましょう。
セントラルキッチンは、「人手不足なのに業務量が多い」「調理業務の属人化により品質が不安定」といった課題の解決に有効です。コストや人材育成などのデメリットはありますが、厨房全体に大きな変化をもたらします。改革の第一歩として、ぜひ導入を検討してみてください。
目次
セントラルキッチンとは?
セントラルキッチンのメリット
- セントラルキッチンのメリット①業務効率化が実現できる
- セントラルキッチンのメリット②品質維持がスムーズになる
- セントラルキッチンのメリット③徹底した衛生管理が行える
- セントラルキッチンのメリット④ランニングコストが削減できる
- セントラルキッチンのメリット⑤事業拡大の余裕が生まれる
セントラルキッチンのデメリット
- セントラルキッチンのデメリット①多額の初期投資と入念な準備が必要
- セントラルキッチンのデメリット②トラブルは広範囲に影響する
- セントラルキッチンのデメリット③店舗や施設のスタッフが育たない
- セントラルキッチンのデメリット④調理と提供の間にタイムラグが生じる
- セントラルキッチンのデメリット⑤喫食者の声が反映されにくい
セントラルキッチンの調理方法
自社セントラルキッチンからお届けするナリコマのお食事
セントラルキッチンとは?

冒頭でお伝えしている通り、セントラルキッチンとは食品の調理や加工を効率よく行うために考案されたシステムです。調理業務が大量に発生する複数の店舗・施設での導入が多くみられ、集中調理施設、給食センターなどと呼ぶこともあります。「中心的」「中央」などを意味するセントラル(central)という言葉から少し想像できるかもしれませんが、提供する料理の調理・加工業務を一ヵ所に集約させ、提供先に配送するという流れが基本です。
日本においてセントラルキッチンが注目されたのは、大阪万博(日本万国博覧会)が開催された1970年(昭和45年)のこと。アメリカゾーンに当時の日本では珍しかったカフェテリア方式のレストランが出店し、そこでセントラルキッチンのシステムが活用されていました。セントラルキッチンは万博の前年、福岡県に建設。万博の会期中は専用トラックで調理・加工済みの食材を運び入れ、大量の料理提供をスムーズに行っていたそうです。
セントラルキッチンの主な作業工程
本項目では、もう少し詳しい仕組みについてお伝えしましょう。セントラルキッチンでは、主に以下のような業務を担います。
①原材料の仕入れ
②下処理
③調理・加工
④店舗や施設への配送準備(チルド・冷蔵・冷凍)
調理・加工の工程は、作業レベルが統一されるようにマニュアル化。セントラルキッチンから店舗や施設に配送されたあとは、簡単な仕上げと盛り付けを行うだけで料理が提供できるような流れを整えます。
また、調理や加工をどこまで行うかは、最終的に料理を提供する店舗や施設によってさまざま。肉や野菜などをカットするだけというパターンもあれば、お弁当のようにほぼ完成の状態まで終わらせるパターンもあります。つまり、セントラルキッチンとは画一的な業務を担うのではなく、幅広い業種や環境に対応できる柔軟性を持ち合わせたシステムなのです。
セントラルキッチンのメリット

セントラルキッチンのシステムを導入すると、現場にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?本項目では五つのポイントを解説します。
セントラルキッチンのメリット①業務効率化が実現できる
手間と時間がかかる調理・加工業務の効率化は、セントラルキッチンを導入する最大のメリットといえるでしょう。調理・加工を一ヵ所でまとめて行うと、各店舗や施設では細々とした手間や時間がかからなくなります。現場では、これまで負担になっていた早朝・深夜帯の勤務も時短にできるでしょう。場合によっては、人員を削減することも可能です。
セントラルキッチンのメリット②品質維持がスムーズになる
先にお伝えしていますが、セントラルキッチンでは調理・加工のマニュアルを用意します。マニュアルによって業務全体が標準化されると、配送先の店舗や施設における品質維持がスムーズになります。調理する人によって味付けが変わらないため、満足度も下がりにくくなるでしょう。
セントラルキッチンのメリット③徹底した衛生管理が行える
調理・加工を行う場所が限られるので、衛生管理が徹底しやすく、食中毒や異物混入などのリスクが低減します。大量の料理を提供するだけでなく、、食の安全性向上にもつながるでしょう。近年では、HACCPに沿った衛生管理が制度化されています。それに加え、病院や介護福祉施設などでは、万一の事故が起きた場合に被害が拡大しやすいため、衛生管理が徹底されることは非常に大きなメリットといえるでしょう。
セントラルキッチンのメリット④ランニングコストが削減できる
通常の現場では人件費や水道光熱費だけでなく、調理スペースのための家賃などが発生します。その点、セントラルキッチンのシステムで効率化を図れば、全体的なコスト削減が可能です。原材料の仕入れも大量かつ計画的に行うため、原価を下げたり、食品ロスをおさえたりすることができます。長期的にかかるランニングコストを削減したい場合、効果は大きいでしょう。
セントラルキッチンのメリット⑤事業拡大の余裕が生まれる
たとえば店舗数や施設数を増やした場合、セントラルキッチンを活用すれば上記四つのメリットはそのまま維持することができます。つまり、リスクは最小限で、事業を拡大する余裕が生まれるのです。こうした面でも、セントラルキッチンのシステム導入は大きなメリットがあります。
セントラルキッチンのデメリット

多くの店舗や施設で重宝されるセントラルキッチンにも、デメリットがあります。どのような点が課題となるのか、詳しくみていきましょう。
セントラルキッチンのデメリット①多額の初期投資と入念な準備が必要
セントラルキッチンのシステムを導入する際には、多額の初期投資が必要です。拠点を構える土地はもちろん、建物や調理機器、人員も確保しなくてはなりません。そのための資金繰りや採用・育成業務が大きな負担になってしまうこともあります。
セントラルキッチンのデメリット②トラブルは広範囲に影響する
調理・加工業務を一ヵ所に集約できるのがセントラルキッチンの魅力。しかし、何らかのトラブルが起きた場合、その影響は広範囲に及びます。一ヵ所でまとめて調理する代わりに、すべての店舗や施設で料理の提供ができなくなったり、食材の回収が必要になったりするケースも考えられます。
セントラルキッチンのデメリット③店舗や施設のスタッフが育たない
セントラルキッチンを活用すると、料理を提供する現場のオペレーションが簡略化されます。そのため、特別なスキルを持たなくても問題なく業務をこなすことができるのです。業務効率化の点では大きなメリットがありますが、現場のスタッフを育成したい場合には不向きといえるでしょう。
セントラルキッチンのデメリット④調理と提供の間にタイムラグが生じる
セントラルキッチンのシステムでは、最初の調理から提供までに時間が空いてしまいます。できる限りおいしさや鮮度を保持できる環境で配送されますが、食材の鮮度を最優先にする場合は、現場で調理するほうが良いといえるでしょう。
セントラルキッチンのデメリット⑤喫食者の声が反映されにくい
セントラルキッチンは現場から離れてしまうため、喫食者の声があまり届きません。何らかの要望や意見があっても、すぐに反映できない可能性があります。「食事満足度を上げたい」「より細やかな個別対応がしたい」といった場合、最適な方法とはいえないでしょう。
セントラルキッチンの調理方法

セントラルキッチンでの主な調理方法はクックフリーズ、クックチル(ニュークックチル)、真空調理の三つ。どの方法でも、提供前には再加熱が必要です。本項目では、それぞれの特徴をみておきましょう。
①クックフリーズ
クックフリーズは調理後に急速冷凍し、-18℃以下で保存する方法です。衛生管理がしやすく、保存期間が長いため、遠方への配送も可能。ただし、冷凍に向かない食材や料理には使えません。例として、以下のようなものが挙げられます。
- 水分量が多い野菜・果物
- 豆腐やこんにゃく
- いも類や根菜(生の状態)
- きのこ類
- 乳製品を使ったソースやスイーツ など
②クックチル、ニュークックチル
クックチルは調理後に急速冷却し、0℃〜3℃で保存する方法です。冷凍よりも衛生管理は厳しくなりますが、徹底すれば最大5日間の保存が可能。提供時は再加熱してから盛り付けます。現場のスペースに余裕がある場合は、先に盛り付けを行ってから保存し、提供直前に器ごと再加熱するニュークックチルを選択することもできます。
③真空調理
真空調理は食材と調味料をまとめて真空パックにして、低温加熱で調理する方法です。調理後は冷凍や冷蔵で保存できるため、衛生管理も簡単。調味料が少なくても味が染み込みやすく、食材費の削減になります。
自社セントラルキッチンからお届けするナリコマのお食事

セントラルキッチンは、多種多様な店舗や施設に対応できるシステムです。自社運営はもちろん、外注によって活用することもできます。ナリコマでは、病院さまや介護福祉施設さまに最適なお食事をセントラルキッチンで調理し、独自の配送ルートにてお届けしています。「導入したいが自社運営では厳しい」「まずは話だけでも聞いてみたい」など、少しでもご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください。
クックチル活用の
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急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
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