セントラルキッチンは病院や介護施設をはじめ、さまざまな施設や店舗で導入が進んでいます。では、セントラルキッチンとはどのようなシステムなのでしょうか?今回の記事は、幅広い業界で重宝されているセントラルキッチンについて詳しく取り上げます。
セントラルキッチンの基本的な仕組みはもちろん、仕事内容や向いている人のポイントなども解説。システムの導入を検討中の方だけでなく、セントラルキッチンで働いてみたいとお考えの方もぜひ最後までお読みください。
目次
セントラルキッチンとは?

まず、セントラルキッチンとは何か?ということについて解説しましょう。セントラルキッチンを一言で表すなら、「調理業務の効率化を図るシステム」です。
例えば、多くの入院患者を抱える病院や高齢者を預かる介護施設では大量の給食が必要になります。すべて現場で対応する場合、調理スペースや厨房設備はもちろん、スタッフと作業時間も確保しなくてはなりません。ところが、最近は人手不足に悩まされていることもあり、余裕を持って対応できるとは言い難い状況が続いています。厚生労働省が公表している「一般職業紹介状況」をみると、令和7年平均の有効求人倍率は1.22倍。同年12月における飲食物調理従事者の有効求人倍率は2.50倍となっており、人手不足の状況はデータにも表れています。
そんな現場の苦しい状況を打破してくれるのが、セントラルキッチンのシステムです。上記の例でいうと、病院や介護施設とは別の場所をつくり、そこで食材の調理や加工などをまとめて行うようにします。調理や加工が終わった食材は管理が徹底された保存状態のまま、病院や介護施設に配送。その後は食事のタイミングに合わせて、簡単な仕上げや盛り付けをするだけで利用者に提供できます。
セントラルキッチンのシステムを導入すると、現場でかかる手間や時間を省き、こうしたスムーズな流れをつくることができるのです。ただし、導入にはセントラルキッチンをつくるための初期費用や建設場所、スタッフなどの確保が欠かせません。もちろん、稼働中はコストが継続してかかります。その点をクリアできるのであれば、セントラルキッチンは効率化を図りたい現場にとって大きなプラス要素となるでしょう。
また、調理・加工業務を集約したセントラルキッチンでは、衛生管理や品質管理をまとめて行うことができます。つまり、管理体制を整えれば、食中毒の防止や品質の安定なども実現できるのです。そういった部分も考慮すると、さまざまな施設や店舗でセントラルキッチンの導入が増えるのも当然といえるかもしれません。
セントラルキッチンでの仕事内容

セントラルキッチンとは、どのような業務を担っているのでしょうか?本項目では基本となる生産系・物流系・事務系の三つに分け、それぞれの仕事内容を解説していきます。
①生産系の業務
セントラルキッチンの中核となるのが、生産系の業務です。食材の下ごしらえや調理、加工などをメインに行います。どのスタッフが対応しても同じ仕上がりになるよう、業務上のマニュアルは必須。この部分は、セントラルキッチンを活用するうえで非常に重要であり、最終的に利用者の満足感を得られるかどうかを決める要素にもなります。また、大量の食材を扱うため、最新技術を取り入れた調理機器を使うこともあるでしょう。
②物流系の業務
原材料の入荷や仕分け、調理済み食材の出荷などを行います。提供先の施設や店舗が多いと配送が細分化され、確認事項なども増えるかもしれません。配送先や出荷内容に何かしらのミスがあると、利用者に料理が提供できなくなる可能性も出てきます。そのため、業務の正確性もかなり重要です。また、専属の配送ドライバーを雇用する企業も少なくありません。
③管理・事務系の業務
前述したように、セントラルキッチンでは衛生管理や品質管理をまとめて行うことができます。しかし、管理するのは衛生面や品質だけではありません。原材料や調味料の在庫、生産スケジュール、スタッフの勤務体制など、セントラルキッチン全体を管理する必要があるのです。ほかに、食材の発注や献立作成といったデスクワークも発生します。
このように、企業によって詳細は異なるものの、セントラルキッチンでは幅広い業務が行われます。また、上記三つには含みませんでしたが、調理機器の洗浄や施設内の清掃、新たな商品(献立)の開発なども一例として挙げられるでしょう。
セントラルキッチンで働くメリット

今度は働く人にも焦点を当ててみます。企業によって変わる部分はありますが、セントラルキッチンで働く主なメリットについてお伝えしましょう。
①誰かの役に立つ仕事ができる
セントラルキッチンとは、現場の負担を減らすという大きな役目を担っているシステムです。現場のスタッフと関わったり、利用者の声を聞いたりする機会があれば、「働くことで誰かの役に立っている」という充実感が得られるでしょう。
②ライフスタイルに合わせて働きやすい
前述した仕事内容からもわかる通り、セントラルキッチンで働く人の職種はさまざま。企業によっては、雇用形態や勤務時間のバリエーションもあります。働き方が一律ではないため、自分のライフスタイルに合わせやすいこともメリットの一つです。
③いろいろな人との交流がある
職種や働き方にバリエーションがあるセントラルキッチンでは、性別も年代も異なるたくさんの人が働いています。企業によっては、技能実習生などの外国人を積極的に受け入れているところもあるかもしれません。そうした環境下で働いていれば、いろいろな人との交流が増え、コミュニケーション能力が自然と育っていくでしょう。
④未経験でも挑戦しやすい
スタッフ育成に力を入れているセントラルキッチンでは、未経験や無資格でも採用される可能性が高いといえます。業務の性質上、一人ではなく、チームとしてまとまって業務をこなすことも多々。不慣れでも周りのサポートを受けながら働き、新しいスキルを身につけたり、キャリアを積んだりすることができます。
セントラルキッチンはどんな人に向いている?

セントラルキッチンとは、どんな人に向いている職場なのでしょうか?先に述べた仕事内容や働くメリットを基に考察してみましょう。
①丁寧かつ正確な作業が得意な人
セントラルキッチンでは大量の食材を扱うため、ちょっとしたミスも大きなトラブルにつながる可能性があります。丁寧かつ正確に作業できる人は、特に重宝されるでしょう。
②誰かのためになる仕事がしたい人
セントラルキッチンは縁の下の力持ち。特に目立つようなことがなくても、誰かのためになると思えるような仕事がしたい人にはぴったりです。
③コミュニケーションを大事にしたい人
一人で黙々と作業をするようなわけではないため、周りの人とのコミュニケーションは必須です。一緒に働く仲間を大事にしていきたい人は、セントラルキッチンの環境になじみやすいかもしれません。
④体力に自信がある人
職種によって異なりますが、セントラルキッチンでは力仕事や早朝・深夜帯の勤務なども少なくありません。継続して働くことを考えるのであれば、体力に自信がある人のほうが向いているといえるでしょう。
⑤飲食関連の仕事を極めたい人
セントラルキッチンでは幅広い業務を行っています。飲食関連の業務でスキルアップがしたい、将来的に飲食の仕事で独立したいといった考えを持つ人には最適な職場でしょう。
安心のお食事は安心の環境から
今回は、セントラルキッチンとはどのようなものか、仕事内容や働くメリットも併せてお伝えしました。ナリコマグループでは全国六ヵ所のセントラルキッチンでお食事をお作りしています。
医療・福祉施設を中心に、まごころのこもったお食事を全国に配送。お客さまにも安心していただける環境で、毎日スタッフがお作りしています。セントラルキッチンを活用して、厨房の運営を見直したい方はぜひ一度ご相談ください。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
こちらもおすすめ
クックチルに関する記事一覧
-
QOL向上の要!医療・介護福祉における食事の役割と品質・満足度向上につながる施策を詳しく解説
医療・介護福祉分野では、患者や利用者のQOL向上が非常に重要な目標の一つです。今回の記事は、そんなQOL向上の要となる食事をテーマにお届けします。はじめに、QOL向上の意味や食事の役割を詳しく解説。後半では、病院・介護福祉施設における食事の品質・満足度向上のポイントをまとめてお伝えします。
-
タスクシフトで医療スタッフの負担削減!厨房業務における実践ポイントとは
医療・介護福祉分野は年々ニーズが高まっていますが、人手不足の状況も深刻化しており、それに伴う業務負担の増加が問題視されています。今回の記事は、医療スタッフの働き方に焦点を当て、業務負担の軽減につながる「タスクシフト」をテーマにお届けします。後半では、厨房業務におけるタスクシフトの実践ポイントを解説。ぜひ最後までお読みいただき、労働環境改善にお役立てください。
-
地域包括ケアで重視される食事支援!在宅医療・介護でも利用可能なサービスはある?
地域包括ケアは、高齢化が進む日本の将来を地域連携によって支える取り組みの一つです。今回は、その中でも特に重視される食事支援について取り上げます。地域包括ケアにおける食生活の重要性、管理栄養士・栄養士の役割、食事支援のポイントなどを解説。在宅医療・介護向けの食事支援サービスに関してもまとめてお伝えします。
セントラルキッチンに関する記事一覧
-
科学的介護研修(LIFE活用)で変わる介護のかたち|データ活用研修からPDCA定着・満足度モニタリングまで
介護の現場では、経験や勘に頼ったケアがまだ多く残っています。しかしこのままでは、職員ごとに対応の質がばらついたり、利用者の満足度や生活の質を十分に把握できなかったりするリスクがあります。
高齢化が進む中で、限られた人材でより良いケアを実現するには、データを活用した科学的な取り組みが欠かせません。そこで注目されているのが、科学的介護情報システム(LIFE)を取り入れた科学的介護研修(LIFE活用)です。
研修では、LIFEのフィードバックを読み解き現場改善につなげる方法をはじめ、データ活用研修による職員の気づきの促進、PDCA導入で改善を継続する仕組みづくり、満足度モニタリング研修による利用者の声の反映などを学べます。今回は、これらの研修が介護の質を高めるために果たす役割を解説します。 -
ニュークックチルの献立対応!食事満足度アップを目指すメニュー開発のコツ
ニュークックチルを活用する際には、献立作成にも工夫が必要です。この記事では、献立対応前に改めて確認したいニュークックチルの特徴をはじめ、献立制限が必要になる理由やメニュー開発のコツについて解説します。ニュークックチルを活用したいけれど、栄養管理に留まらない美味しい食事作りに課題を感じている、今よりも食事満足度を上げたいとお悩みの施設さまはぜひご覧ください。
-
クックチルがおいしくない理由を解説!おいしい食事の秘密とは?
医療施設や介護施設の給食現場などで重宝されている調理システム、クックチル。さまざまなメニューや食形態に対応していますが、「まずい」「おいしくない」といったイメージをお持ちの方も多くいらっしゃるかもしれません。なぜ、そのようなマイナスイメージが先行してしまうのでしょうか?
本記事では、クックチルが「まずい」「おいしくない」と思われてしまう理由に注目。人が食事をしたときに「おいしい」と感じる仕組みを解説しながら、ナリコマグループの進化したクックチルの魅力についても詳しくお伝えします。クックチルに興味のある方はもちろん、システムの導入をご検討されている施設の方も、ぜひ最後までお読みください。




