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「去年も値上げしたのに、なぜ今年も…」と給食委託会社の値上げにお悩みではありませんか? 給食委託会社からの値上げの要求をできる限り回避したいところですが、毎年値上げされる状況には理由もあります。今回は、給食委託会社がなぜ毎年値上げを要求するのか、その理由を紐解きながら、委託料の値上げによるコスト負担の増加を避けて、厨房運営をよりシンプルに改善する方法を解説します。

給食委託会社が毎年値上げするのはなぜ?

給食にかかるコスト削減方法として、直営から委託に切り替えるのは役立つ方法の一つでしたが、近年では委託によって給食運営のコスト問題が完全に解決できるとはいえない状況が目立っています。その理由が委託料の値上げです。

日本医療労働組合連合会による「2023年 日本医労 病院給食実態調査」では、委託の理由として28.7%が経費削減を挙げているものの、前回調査と比較すると割合は大幅に減少しています。また、委託によって起こった問題では27.6%がコスト問題と回答しており、前回調査と比較して割合が大幅に増加しています。これらの結果を見ても、給食の委託によってコスト削減効果を上手く得られていないことがわかります。

 

介護業界についても、公益社団法人全国老人保健施設協会や公益社団法人全国老人福祉施設協議会など介護関係の9団体が2024年に共同で実施した「介護現場における物価高騰・賃上げ等の状況調査」の中で、給食用材料費・給食委託費はとくに2022年から年々増加していることがわかっています。

 

参照:日本医療労働組合連合会「2023年 日本医労 病院給食実態調査」2024年

参照:公益社団法人全国老人福祉施設協議会「緊急!「介護現場における物価高騰・賃上げ等の状況調査」結果」2024年

 

値上げの理由は給食委託会社の経営難

給食委託会社が委託料を毎年値上げする理由の一つとして、近年の社会情勢に伴う物価高騰などの影響が給食委託会社にも負担を与えていることが挙げられます。食材費や人件費など業務にかかるさまざまなコストが値上がりする中で、サービスの価格を据え置きすることが困難な状況です。赤字が続くと会社の運営自体の継続が難しくなるため、仕方なく値上げをするしかない状況といえるでしょう。

株式会社帝国データバンクの「全国企業倒産集計 2023年10月報」の中でも給食業界の倒産動向はピックアップされており、給食企業の倒産が2年連続で増加していることが挙げられています。2022年度の最終利益が判明した段階で、調査対象の給食事業者の6割超が赤字や減益となりました。また、1割超の企業が3年連続で赤字となっており、数年にわたって赤字問題を抱えていることがうかがえます。

 

株式会社帝国データバンクによる給食事業者の2022年度業績動向の調査結果では、光熱費などが高騰しても、全く価格転嫁できていないとの回答も目立っています。価格転嫁できた企業も20%未満が多く、高騰したコストを全て価格転嫁できたと回答した企業はいませんでした。

 

参照:株式会社帝国データバンク「全国企業倒産集計 2023年10月報」2023年

参照:PRTIMES 株式会社帝国データバンク 2023年

給食委託会社の値上げを回避する方法はある?

近年の物価の上昇は、給食委託会社に限らず個々の家計を圧迫する状況となっており、度々ニュースで取り上げられ、米類に関しては歴史的な高騰といわれるほどです。総務省統計局による「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年平均」では、総合指数が2023年より2.7%上昇したことが挙げられました。また「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年1月分」では、2024年1月と比較して総合指数が4.0%上昇したことがわかっています。

とくに食品の値上げが目立っており、2024年1月と比較してキャベツは192.5%、うるち米(コシヒカリを除く)は71.8%と、大幅な値上げが見られました。また、電気代は18.0%、ガス代は6.8%といずれも上昇しており、食事の準備にかかるコストの高騰がうかがえます。

 

このように継続して物価が上昇している状態では、毎年値上げをしていても給食事業者の運営状況は依然として厳しい状態が続いていると思われます。また、先述した株式会社帝国データバンクの調査内容では、コストが上昇しているのに価格転嫁できない理由として、何度も短期間に値上げできない、値上げを拒絶されてしまう、などの声も挙げられています。

 

こうした状況では、仮に委託料の値上げそのものは回避できたとしても、値上げの拒否によって給食委託会社の経営悪化を促進させ、同じ質のサービスを得ることが難しくなる可能性があるでしょう。委託料の値上げによるコスト負担を回避するためには、自社の運営方法を見直すなど、給食委託会社との単なる価格交渉だけでなく別の視点からの検討も必要です。

 

参照:総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年平均」2025年

参照:総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年1月分」2025年

 

厨房の運営方法を見直すのも解決のカギ

給食委託会社との値上げ回避の交渉もなかなか厳しい現状において、委託料の負担が大きい場合は、原点に立ち返り施設の厨房運営そのものを見直すのも解決の糸口です。中でも、調理方式の見直しは厨房運営の改善が期待できる方法の一つで、病院や介護施設ではクックチルやニュークックチルの活用が注目されています。

コスト削減に役立つクックチル・ニュークックチル

クックチルは、食品を加熱調理したのち急速冷却してチルド保存しておく調理方式です。食事を提供するタイミングでは、再加熱して盛り付けを行うだけで配膳できるため、食事提供時の厨房業務はかなり簡素化されます。クックチルを進化させたのがニュークックチルというシステムです。ニュークックチルは、クックチル食品をチルド状態で盛り付けまで行ってから保存しておき、食事の際には直前の再加熱のみで提供できるため、食事提供時の準備がさらに簡潔になります。

 

厨房の調理方式をクックチルやニュークックチルに切り替えると、専門の調理スタッフが常時いなくても食事提供が可能になることから、人件費の削減が期待できます。また、近年課題となっている人手不足の解消にも役立つでしょう。クックチル食品の保管場所や、利用環境によって再加熱カートなどの設備は必要になるものの、クックチル食品を導入すれば厨房の運営方法自体はとてもシンプルなものになります。

ナリコマはクックチル・ニュークックチルに対応!

ナリコマでは、クックチル・ニュークックチルを活かした厨房運営の徹底的なコストカットを目指しています。朝夕の無人化によって人件費を削減できるほか、設備費や委託料、光熱費などのその他の費用を同時に見直すことができます。また、ナリコマのクックチル食品は介護食にも対応しているため個別の介護食作りが不要で、制限したい成分別の医療食にも対応可能です。

日替わりで楽しめるナリコマのクックチル献立

ナリコマには下記の2つの献立プランがあり、病院や介護施設に特化したサービスを備えています。

 

  • 「やすらぎ」:急性期・回復期病院向けの28日サイクル献立
  • 「すこやか」:介護施設・福祉施設・慢性期病院向けの365日日替わり献立

 

いずれも、食べる方の嚥下力や咀嚼力に合わせて、普通食・ソフト食・ミキサー食・ゼリー食の4形態をご用意しています。加えて、エネルギーコントロール食やプロテインコントロール食などの治療食に役立つ献立の提供も可能です。和食から洋食まで幅広いメニューがあり、プランによって行事食や郷土食も登場します。パンやおやつなどもこだわりの自社製造で、食の楽しみを実感してもらえる充実のメニューが魅力です。

厨房運営のサポートもナリコマにおまかせください

ナリコマのサービスは、委託型ではなく直営型の厨房運営サポートです。現在の厨房運営の悩みをお伺いさせていただき、導入時の立ち上げの際は現場に駆け付けてお手伝いいたします。厨房運営のスペシャリストであるアドバイザーが、毎月の運営状況を分析し課題解決まで全力でサポートいたしますので安心しておまかせください。日々の厨房業務に役立つオリジナルシステムも備えており、より効率良く業務を進めることができます。まずは一度お気軽にお問い合わせください。

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