病院や福祉施設の給食では、「食中毒」のリスク管理が欠かせません。クックチルは、調理後に急速冷却し低温状態で保存することで、食中毒の原因となる細菌の増殖を抑えられるため、食中毒の予防にも効果的です。安心して食べられる食事の提供に加えて、コストカットや業務効率化などのメリットもあります。この記事では、食中毒発生の背景とともに、クックチルやナリコマのサービスの特徴をまとめました。
目次
給食で怖いのは「食中毒」
給食における大きなリスクが「食中毒」です。食中毒の被害は日々いろいろなところで耳にしますが、病院や福祉施設の給食も例外ではありません。残念ながら病院や福祉施設の給食によって食中毒が起きたケースは複数あり、ニュースでも度々取り上げられています。
「令和6年(2024年)食中毒発生状況」によると、全体で1,037件の発生があり、老人ホームの給食施設では29件、病院の給食施設では6件の発生がありました。老人ホームの発生件数は、保育所や学校の発生件数と比較しても高い数値です。改めて食中毒の怖さを理解し、予防に努めることが大切です。
さまざまな原因がある食中毒
食中毒の原因は、細菌やウイルス、フグや毒キノコなどの自然毒、ヒスタミンといった化学物質、寄生虫、などさまざまにあります。そのため、それぞれの特性を把握して個々に予防と対処を行う必要があります。食中毒が起こりやすい時期として、6月〜9月にかけてよく注意喚起されますが、これは気温が上がることにより、細菌が増殖しやすくなるためです。
細菌といっても、サルモネラ菌や黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、ウェルシュ菌など、いろいろな種類があり、食中毒の事例によって原因となる菌は異なります。ウイルスでは、ノロウイルスが原因となるケースが多いです。先述した「令和6年(2024年)食中毒発生状況」においても、ノロウイルスによる発生件数は276件と全体の約27%を占めています。
同じ調査で、病因物質別で最も多かったのは寄生虫のアニサキスで、330件の発生が確認されています。ウェルシュ菌のように、一度の加熱では死滅せず加熱後に増殖する菌もいるため、予防が難しいことも食中毒の怖さです。
抵抗力が落ちていると食中毒になりやすい

食中毒は、健康で元気な状態よりも、抵抗力が落ちている状態の方がかかりやすくなります。病院や介護福祉施設の患者さまや利用者さまは、抵抗力が落ちている方が多くいるため、食中毒のリスクも高くなるでしょう。
また、食べる方の嚥下状態に合わせて、ミキサー食のように加工することもよくあります。しかし、こういった加熱後に食事に手を加えることで、細菌やウイルスなどに再び汚染されるリスクがより高まるため、特に注意が必要です。
クックチルとは?
クックチルは、クックチルシステムとも呼ばれる、食品の調理と保存方法の一つです。調理した料理を急速冷却するところが特徴で、90分以内に食品の中心温度を3℃以下まで下げるなど、細かい決まりがあります。その後は、0℃〜3℃の低温状態で保存して、食べる際には、必要に応じて温めるなどして提供する方法です。
「HACCP(ハサップ)」にの理念に基づいた衛生管理のもと作られることも利点で、食事の準備を効率良く行えることもメリットにつながります。
ニュークックチルとは?

ニュークックチルは、クックチルがさらに進化した方法で、より安全で便利に使いこなせる工夫が備わっています。ニュークックチルの特徴は、加熱調理した料理を3℃以下まで冷却したのち、チルド状態のまま盛り付けを行うところです。事前に盛り付けまで準備できるため、食事前にはそのまま温めるだけで提供でき、盛り付け時の食中毒のリスクを減らせるメリットも加わります。
対応機器の使用によって自動で再加熱できるため、食卓へのスムーズな提供ができ、早朝や遅番の厨房の無人化も可能です。再加熱できる機器には、据え置き型や移動可能型の種類があるため、施設環境に合わせて選ぶとなお利用しやすくなるでしょう。
ナリコマのクックチルで食中毒が予防できる3つの理由
ナリコマでは、食中毒の予防に向けて、さまざまな対策を心掛けております。以下の3つのポイントに加えて、食事を提供する際の衛生管理を徹底すると共に、マニュアルによるスタッフ教育にも力を入れています。
①適切な温度管理で予防
食中毒の原因に大きく関わるのが温度管理です。細菌やウイルスは見た目ではすぐにわからないため、予防のためには加熱調理の温度管理を適切に行うことが大切です。ナリコマのクックチルでは食材を調理する際に、食材の中心温度が75℃になってから1分以上加熱し、ノロウイルスの恐れのあるものは、中心温度が85℃〜90℃になってから90秒以上加熱するなどして、殺菌を行っています。
加熱した後は、30分以内に冷却して、90分以内には料理の食材の中心温度が3℃以下になるようにします。このように、時間と合わせて適切な温度管理をすることで、食中毒の予防ができます。
②個別包装による最低限の調理で予防

食中毒では、細菌やウイルスなどの原因となるものが、できるだけ食品に付着しないようにすることが大切です。クックチルは、徹底した温度管理と衛生管理のもとで作られた食品が、個別包装された状態で納品されます。
そのため、食材を切ったり、計量したり、といった調理過程がなく、必要最低限の調理のみで食事を提供できるため、その分人の手に触れる機会も減少します。ニュークックチルの場合は、食べる直前まで温度管理ができるためより食中毒の予防に効果が期待できるでしょう。
③最新技術による製造で予防
ナリコマのクックチル食品は、全国に6ヵ所あるセントラルキッチンで作られています。安心安全な食事を作るために、最新技術を活用し、独自のシステムを活かして効率的に製造していることも強みです。加熱や冷却の際の温度をデータで管理して活用することで、日々、食中毒の予防に役立たせることができます。
工場内では、HACCPの理念に基づいたさまざまなルールを設けており、毛髪や異物の混入対策、手洗いなども徹底し、食中毒の予防に努めています。
ナリコマのクックチル導入によるその他のメリット
クックチルは、食中毒の予防だけでなく、導入によってさまざまなメリットが期待できます。異物混入を防ぐほか、コストカットや業務効率化などの今後の運営に役立つ特徴もぜひご参考ください。
異物混入を防げる
クックチルは、人の手に触れる工程をできるだけ減らし、衛生管理を徹底できるため、異物混入を防ぐうえでも役立つしくみです。
ナリコマのセントラルキッチンでは最新技術を活用することで省人化ができるため、最小限の人の手によって作られているほか、異物は機械と人の目視によるダブルチェックを行っています。食事の準備の際に、最低限の調理器具で用意できることも異物混入予防につながります。
コストカットができる

クックチルおよびニュークックチルを活用すると、厨房の無人化が可能になります。また、調理時間の短縮によって、シフト時間の削減につながることもポイントです。人手不足の悩みを解消できるほか、人件費も削減できるでしょう。
調理作業が最低限で済むことから、厨房の設備も必要最低限に抑えることができ、調理のための光熱費なども削減できます。食事の用意にかかっていたコストカットができることも、ナリコマのクックチル導入のメリットです。
業務効率化につながる
ナリコマのクックチル食品は、調理済みのため、再加熱するだけといった簡単な作業で食卓に運ぶことができます。下処理など、ある程度の技術が必要な調理工程がないため、誰でもこなすことができるのもメリットです。
今まで調理に割いていた時間を、他の仕事に費やすことができるでしょう。導入によって業務効率化ができた、というお声を数多くいただいております。
食の安全にクックチル活用!ナリコマにお問い合わせください

クックチルは、食中毒の予防に役立つシステムです。運営におけるメリットが複数あるため、給食の厨房管理でお悩みを抱えている際にもぜひご検討ください。
ナリコマでは、専属のアドバイザーが担当するため、お客様のお悩みを丁寧にお伺いしたうえで、お客様の環境に一番合うご提案をすることができます。シフトのシミュレーションやスタッフへの説明会の開催など、スムーズに導入できるように現場でしっかりとサポートいたしますのでご安心ください。
お客様相談窓口は365日対応しております。まずはお気軽に無料相談からお問い合わせくださいませ。
無料相談お申込みはこちら
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
こちらもおすすめ
完調品に関する記事一覧
-
食形態の変更はQOLに影響あり!工夫を凝らして高齢者の「食べる楽しみ」を支えよう
咀嚼機能や嚥下機能が低下した高齢者は誤嚥などの危険性があるため、食形態を調整した食事にする必要があります。主な種類としてきざみ食・ソフト食・ムース食・ミキサー食・ペースト食・流動食などが挙げられますが、安全性の確保と引き換えに、食欲が低下してしまうケースもよくみられます。
食欲低下は食事量の減少につながり、低体重・低栄養のリスクも高まってしまうのです。低体重・低栄養はフレイルなどを発症するきっかけとなり、QOLを著しく低下させます。高齢者のQOL向上を重視する介護施設では、単に食形態を変更するだけではなく、「食べる楽しみ」を維持する工夫も必要です。次のような点を心がけ、高齢者の豊かな食生活、QOLの維持・向上を目指しましょう。
・五感を刺激する
・本人の嗜好や希望に応える
・季節や行事にあわせた演出をする
・共食の機会を設ける -
医療・介護における高栄養食の重要性|特別食加算の対象となる嚥下調整食の課題とは
医療機関や介護施設で提供される食事は、「治療と健康維持のサポート」「日常的な楽しみの一つ」「自宅療養や在宅介護における食生活の向上」といった役割を担っています。近年では、咀嚼機能(かむ力)や嚥下機能(飲み込む力)が低下した患者や利用者に提供する嚥下調整食の重要性が再認識され、診療報酬における特別食加算の対象項目に追加されました。
嚥下調整食は食べやすさや飲み込みやすさを実現する一方、見た目の違和感などから食欲不振を招きやすく、低栄養になる可能性もあります。食事量が少ない患者や利用者には、高栄養食がおすすめです。
・カロリーや栄養価の高い食材を使う
・筋肉のもとになるたんぱく質を積極的にとる
・栄養価が下がりにくい調理方法にする
・栄養補助食品や医薬部外品を取り入れる
・一日の食事回数を増やし、必要な栄養を確保する
特に、高齢者は低栄養から体重が減少し、フレイル、ロコモティブシンドローム、サルコペニアなどを発症するリスクが大きくなります。日頃から、低栄養にならないような食生活をサポートしましょう。 -
低体重・低栄養のリスクと対策を解説!食事量が少ない高齢者のケアには嚥下調整食を活用しよう
高齢者の食事量・体重の減少は、フレイルや要介護への移行サインである可能性が高く、早期ケアが重要です。健康維持のためには、低栄養予防につながる以下のような対策が求められます。
◆生活習慣:「一日三食」「一汁三菜」を基本とし、一度に食べられない場合は分食による食事量の確保を行う。
◆栄養補給:毎日の食事における“ちょい足し”アレンジ、効率よく栄養がとれる食材の選定を心がける。
◆健康管理:歯科健診による口腔ケアを行い、ウォーキングなどの軽い運動を取り入れる。
◆嚥下調整食(介護食)の活用:摂食機能のレベルにあわせた食形態に変更し、安全な食事環境を整える。
こうした日常的な取り組みによって栄養状態を改善し、自分らしくイキイキとした生活の基盤をつくりましょう。
社会課題に関する記事一覧
-
介護や医療の現場に必須!チームワーク強化研修・多職種連携研修・チームビルディング研修とは?
介護や医療の現場にチームワークは必要不可欠です。チームワーク強化研修・多職種連携研修・チームビルディング研修は、現場でのチームワーク作りに役立つ研修です。この記事では、介護や医療におけるチーム連携の必要性や、チームワークが厨房業務や人手不足の課題解決に役立つ理由も交えて解説しながら、個々の研修のポイントをまとめました。
-
BCP策定はひな形の活用がおすすめ!介護施設で効率良く作成するポイント
BCPは「Business Continuity Plan」の頭文字を取った言葉で、事業継続計画を意味しています。危機的な状況下でも重要な事業を中断させない、または早期復旧させるための計画です。介護施設では、BCPの策定が義務付けられており、感染症用と自然災害用の2種類を整備する必要があります。
これらのBCPを策定する際に、厚生労働省が公開しているガイドラインやひな形を活用することで、必要な項目を整理しやすくなります。この記事では、BCPをスムーズに策定するのに役立つガイドラインやひな形の特徴とあわせて、ひな形を使ってBCPを効率良く策定するためのポイントを解説します。 -
最低賃金と人材定着は比例しない?厨房の離職防止を目指す待遇改善と働きやすさ改革
2026年度の最低賃金改定により、2025年度に引き続き、最低賃金が高水準で引き上げられました。最低賃金の全国加重平均は1,177円で、前年差+56円、引き上げ率は5.0%です。2026年10月1日から12月2日にかけて、都道府県ごとに順次発効となります。
2025年度の最低賃金改定では、最低賃金が大幅に引き上げられ、時間額の引き上げ額は全国加重平均で+66円と過去最高額で、引き上げ率も6.3%と高水準でした。最低賃金の改定に伴い、2026年度も継続した賃上げ対策が望まれます。
賃上げによって人材定着が期待される一方で、最低賃金と人材定着は必ずしも比例しません。転職や離職の原因は給与以外にもさまざまにあり、病院や介護施設の厨房業務は調理業務の負担が大きいことから離職につながりやすい特徴が複数あります。厨房の離職防止には、待遇改善や働きやすさを高める環境づくりも大切です。
この記事では、最低賃金改定が人材定着に与える影響を解説するとともに、ナリコマの厨房改革事例を紹介しながら、厨房の人材定着に向けた改革のヒントをご紹介します。

