デジタル技術の活用によってビジネスモデルや組織のあり方に変革をもたらすDX(Digital Transformation)は、政府が推進している取り組みの一つです。今回の記事では、厨房業務におけるDXの必要性を詳しく解説し、具体的な事例をご紹介します。ぜひ最後までお読みいただき、参考になさってください。
目次
厨房業務において必要性が高まるDX
インターネットやスマートフォンなどが普及してきた近年では、日常生活にデジタル技術が浸透したと感じる人は多いかもしれません。ところが、世界基準でみると日本のデジタル化はそれほど進んでいるとはいえないのです。スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した「世界デジタル競争力ランキング2025」において、日本は30位。1位であるスイスのスコアを100.00とした場合、日本のスコアは74.92です。G7正式加盟国(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)の中では下から2番目であり、国際社会を牽引する先進国の中でも後れを取っていることがわかります。
2020年11月、経済産業省はDXを進める企業向けに「デジタルガバナンス・コード」を取りまとめました。その後は必要に応じて改訂を行うほか、DX認定制度、DX銘柄の選定といった取り組みも実施しています。こうした政府の動きに伴い、現在は幅広い分野の企業がDXに注目し、デジタル化を進めているのです。

厨房DXは人手不足やコスト削減に効果的
「令和7年版 労働経済の分析」によると、全職業のうち35.2%を占める社会インフラ関連職は、労働力需要が高まる一方で新規求職者は少ない状況です。飲食物の調理を行う厨房業務も、社会インフラ関連職の一つ。飲食店、患者や利用者に食事を提供する病院・介護福祉施設・保育園などの厨房業務では、このような人手不足の対策としてDXの必要性が高まっています。
DXによって厨房省人化を図り、生産性を向上させると、現場の負担が少なくなるのはもちろん、人件費をはじめとするコスト削減にも効果をもたらします。出生数は年々減少し続け、2024年には過去最低となる686,061人を記録し、合計特殊出生率も1.15にまで低下してしまいました。少子化が進めば、必然的に労働者人口も減少していきます。こうした日本社会の現状を踏まえると、DXは安定的な業務継続のためにも重要な取り組みといえるでしょう。
参考:令和7年版 厚生労働白書
厨房省人化につながるDX事例①AIやIoTの活用
業務用厨房機器のIoT化サービスを実施
厨房機器メーカーの大手として知られるホシザキ株式会社は、業務用冷蔵庫などの機器をIoT化し、稼働や温度データが管理しやすくなるサービス「ホシザキ コネクトWi-Fi」を提供しています。機器ごとにWi-Fiモジュールを設置する必要がありますが、パソコンやタブレットなどで複数の機器稼働状況がまとめて確認可能に。厨房設備の管理業務が効率化され、人員も削減しやすくなります。Wi-Fiモジュールは無償で提供されており、設置費用もかからないことから、コストが抑えられるメリットもあります。

厨房省人化につながるDX事例②自動調理機器などの導入
調理ロボットにより業務が効率化され、客数・客単価もアップ
餃子専門店「大阪王将」では、TECHMAGIC株式会社が開発した調理ロボット「I-Robo」を複数店舗に導入しました。ロボットに調理を任せている間、食材の準備や接客ができるようになり、混雑時でも料理の提供時間が以前より短縮されたといいます。また、人手不足の解消になっただけでなく、客数・客単価アップの効果もありました。
人員削減につながる惣菜盛り付けロボットなどを開発
コネクテッドロボティクス株式会社は、惣菜の盛り付けに特化したロボットを開発しました。食材のつかみ方や盛り付け方にもこだわり、ロボット同士の連携も可能。導入後、2名の人員削減ができた事例もあります。また、デザイン性の高いソフトクリームロボットも開発。ソフトクリームを巻く工程が自動化されることで品質が安定し、人員削減にもつながります。

ロボット×AIの持続可能なカフェを運営
株式会社HCIは、厨房内の調理だけでなく、配膳や接客もロボットが行う「HCI ROBO HOUSE」を立ち上げました。同社が培ってきたロボットやAIの技術を惜しみなく盛り込んだカフェは、社員食堂や展示場としての役割も果たしています。厨房業務の課題である人手不足が解消されているのはもちろん、持続可能な運営方法の参考にもなる事例です。
厨房省人化につながるDX事例③外部サービスの利用
365日欠かさず食事を提供する病院や介護福祉施設では、以下のような外部サービスの利用が厨房DXと省人化につながることもあります。
- 厨房業務の全面・一部委託
- 完全調理済み食品(クックチル、ニュークックチルなど)の活用
- お弁当などの配食サービス

クックチルの活用が労働環境改善に貢献
富山県にある佐々木病院では、外部のセントラルキッチンで製造されるクックチルを導入し、厨房業務全体が大きく変化しました。再加熱機器で温めたり、盛り付けたりするだけで提供可能なクックチルは誰でも覚えやすく、従来の調理にかかっていた水道光熱費も削減できます。業務効率化によって省人化が実現するのはもちろん、肉体的・時間的な余裕も生まれるため、労働環境は以前より良くなったといいます。こうしたプラスの変化は従業員の離職防止にも効果的です。また、各業務の精度が上がり、食の安全を守ることにもつながっています。
ナリコマのDXノウハウで厨房省人化を実現
ナリコマが自社セントラルキッチンからお届けするクックチルやニュークックチルは、介護食のバリエーションも豊富。禁食や治療食にも対応可能で、幅広いニーズにお応えすることができます。また、ナリコマは2024年10月1日に経済産業省のDX認定を受けました。これまで培ってきた経験とDXノウハウを活用し、病院や介護福祉施設における食事提供体制を丁寧にサポート。委託と直営、両方のメリットが得られる「直営支援型厨房運営」で、厨房省人化やコスト削減を実現します。厨房運営に関するお悩みやご相談がありましたら、ぜひ一度ナリコマにお声がけください。

クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
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