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人手不足が続く中で、厨房業務の負担に悩む現場は少なくありません。限られた人数で毎日の食事提供を続けるには、「今のやり方のまま頑張る」だけでは難しい場面も増えてきています。

こうした課題に対して、近年注目されているのが「タスクシフト」という考え方です。本来は医療現場で使われる言葉ですが、厨房業務においても、仕事の持ち方や役割分担を見直すヒントとして活かすことができます。

今回は、厨房業務におけるタスクシフトの考え方をもとに、外部委託や省人化、人員配置の見直しといった具体的な方法を整理します。現場の負担を減らし、無理なく回せる体制づくりを考えたい方は、ぜひ参考にしてください。

人手不足が続く中で厨房業務に負担が集中するのはなぜか

まずは、なぜ厨房業務に負担が集中しやすいのかを整理しましょう。

人員不足が慢性化しやすい厨房の現状

施設や病院の厨房業務は人手不足が慢性化していることが大きな課題とされています。理由の一つとして、勤務時間の厳しさが挙げられます。朝食を決まった時間に提供するには、深夜や明け方から仕込みを始めなければならないことも多く、早朝勤務が常態化しやすいためです。こうした働き方は生活リズムへの負担も大きく、定着のむずかしさにもつながります。

 

また、厨房は業務量が多く、仕事量のわりに給料が高くないと受け止められやすい仕事でもあります。調理や盛り付け、配膳準備に洗浄。さらには原材料の在庫管理や衛生管理など、たくさんの業務を限られた人数で回していかなければなりません。人が集まりにくく、採用できても長く続かないという状況が起こりやすくなるのです。

 

食事提供は毎日欠かすことはできない業務です。時間が決まっていたり、決められた食数を用意する必要があるため、「今日は人手不足で追いつかないから用意する量を減らす」といったこともできません。だからこそ、厨房では人手不足が一時的な問題で終わらず、慢性的な課題になりやすいのです。

業務量が減らないまま負担だけが増える

厨房業務のむずかしさは、人手不足であっても対応しなければならない業務量は大きく減らせない点にあります。当日の急な欠勤が出たとしても、現場でなんとか埋め合わせしなくてはなりません。本来であれば分担できるはずの作業まで特定のスタッフに集中し、一人ひとりの負担が重くなっているのが厨房業務の現状です。

 

病院給食の現場では、こうした負担を背景に直営から委託や外注へ移る流れが強まっています。病院給食の実態調査によると、病院給食の運営形態は、一部委託・全面委託・セントラルキッチンを合わせて70.7%にのぼり、直営給食はわずか29.3%。委託を導入した理由では「人手不足」が44.8%で最も高く、現場の担い手不足が運営体制の見直しを後押ししていることがわかります。

 

これまでのように「今いる人でなんとか回す」ことを続けるだけでは限界があります。現状を打破するために参考になるのが、医療現場で使われているタスクシフトの考え方です。厨房業務では、誰がどの業務を担当しているか、どこを切り分けられるかを見直すための役割整理の方法として考えるとわかりやすいでしょう。負担を減らすには、まず業務を抱え込みすぎている状態を見える化し、整理することが大切です。

 

参考:日本医労連 病院給食実態調査(2024年)

厨房業務における「役割整理」という考え方

厨房業務の負担を軽くするためには、個々の作業だけでなく、役割の持ち方に目を向けることも大切です。タスクシフトという言葉は医療分野で広く使われていますが、厨房業務でも、仕事を抱え込みすぎないための視点として参考にできます。

タスクシフトの考え方を厨房業務にどう活かすか

タスクシフトは、医療現場で特定の職種に集中している業務を他の職種へ適切に移し、役割分担を見直す考え方です。厚生労働省でも、医師の働き方改革の一環として、タスクシフトの考え方が示されています。厨房業務に置き換えると、仕事の持ち方を見直し、負担が一部に偏らないようにする視点として捉えるとよいでしょう。

 

たとえば、配膳準備や事務作業、発注・在庫管理などは、従来の運用では厨房スタッフがまとめて担っていることも少なくありません。しかし、すべてを厨房内で抱える前提のままでは、負担の偏りは解消しにくくなります。厨房業務では「この仕事は本当に厨房が担うべきか」「他の方法に置き換えられないか」といった視点で、業務の持ち方を見直すことが大切です。

厨房業務の中で整理・切り分けが可能な業務

厨房業務を見直すときは、まずは日々の作業の流れを再確認し、小さな負担を減らしていくことが重要です。整理や切り分けのしやすい業務にはどんなものがあるでしょうか。

下処理や調理工程を見直して作業に余裕をつくる

厨房業務の中でも、下処理や調理は特に時間と手間がかかりやすい工程です。負担削減のために、野菜のカットやみじん切りなどの下処理は、フードプロセッサーなどの機器を活用することで効率化しやすくなります。下処理にかかる時間が数分でも短縮できれば、その後の調理や盛り付けなどの他の作業に余裕が生まれるでしょう。

 

調理工程においても、作業の組み立て方で負担も変わってきます。調理業務では、加熱調理と和えたり混ぜたり、加熱を行わない作業の2通りがありますが、動線が近い作業はまとめて進めるなど、厨房内を行き来する回数を減らしやすくなります。必要以上に稼働する範囲を広げないことも、現場の負担軽減につながるポイントです。

発注・在庫管理・事務作業は切り分けを検討しやすい

厨房では、調理だけでなく発注や検品、在庫管理、帳票作成などの事務作業もあります。毎日の厨房運営に欠かせない業務でありながらも、調理作業と平行するには負担の大きな作業です。しかし、その場で連続して対応しなければならない作業とは性質が異なります。

 

手順やルールを整理することで担当を分けやすく、切り分けを検討しやすい業務でもあります。発注ルールを統一したり、在庫管理方法や帳票類の記入方法を簡略化したりすることで、誰でも作業ができるように整えることができます。

 

経験の長いスタッフがこうした業務もまとめて担っている現場では、作業が一人に偏ってしまうため、欠員時の影響も大きくなります。調理そのものだけでなく、こうした周辺業務をどう整理するかによっても、厨房スタッフの負担感は大きく変わります。

今の人員配置に合わせて業務の進め方を組み直す

人手不足が続く状況では、これまでと同じ方法を継続していくのは難しいため、少ない人数でも無理なく回していける形に業務を見直す必要があります。作業が集中しやすい時間帯の動線を見直したり、担当の持ち方を調整したりすることで、負担の偏りを抑えやすくなります。

 

外部委託・省人化を活用した厨房業務の進め方

厨房業務におけるタスクシフトを進めるには、外部委託や省人化といった手段を取り入れ、現場で担う業務の範囲を調整していくことがポイントになります。

外部委託を活用すると厨房業務はどう変わるか

厨房業務におけるタスクシフトの一つとして、外部委託の活用があります。調理や下処理を外部に任せることで、現場で担う業務量を減らしやすくなります。人手不足が続く中では、スタッフの採用だけで体制を維持するのが難しいことも多く、外部委託などで業務量そのものを減らすことも視野にいれてもよいでしょう。外部委託によって現場での工程が少なくなれば、必要な人員配置も見直しがしやすくなるでしょう。調理経験者でなくても簡単に作業ができるため、採用や教育にかかる負担も抑えつつ安定した食事提供は可能になります。

調理済み食材などで省人化を進める

厨房業務におけるタスクシフトでは、機器やしくみを活用して調理工程の見直しを行うのも有効です。調理済み食材を活用すれば、食材の下処理は不要、厨房で食材を一から調理する必要がありません。特に介護食など、食形態の変更が多い現場では、厨房での二次加工はどうしても負担になりやすいものです。調理済み食品を活用すれば、厨房で手をかける工程を省けるため、少ない人数でも対応しやすい体制が整いやすいです。

ナリコマのクックチルなら人員配置と業務整理をまとめて見直しやすい

外部委託や省人化を進める際、調理工程そのものを見直したい場合には、ナリコマのクックチルがおすすめです。

 

ナリコマのクックチルは、セントラルキッチンで厳しい衛生管理のもと調理された料理がチルド状態で厨房に届きます。厨房での主な作業は、再加熱した料理の盛り付けとなり、大きく現場の負担を削減できます。下処理や調理にかかる負担を抑えながら、安心安全な食事提供体制を整えやすくなります。

 

厨房業務の負担を減らしたい、外部委託や省人化を進めたい、今の人員配置でも回しやすい体制を整えたい。そう考える施設にとって、ナリコマのクックチルは、単なる食事提供の方法ではなく、厨房業務全体を見直すための現実的な解決策になりやすいでしょう。

厨房業務のタスクシフトで目指すべき現場のかたち

厨房業務の負担を見直すうえで大切なのは、「どこまでを現場で担うべきか」を考えることです。タスクシフトの視点で業務を整理していくことで、これまで当たり前に抱えていた作業にも、見直しの余地が見えてきます。現場の工夫だけで負担を減らすには限界があるため、外部委託や省人化といった選択肢を組み合わせながら、無理のない形に整えていきましょう。

 

なかでも、調理工程そのものを見直せる仕組みは、厨房業務のタスクシフトを進めるうえでとても有効です。ナリコマのクックチルは、調理・下処理・食形態対応といった負担の大きい工程を現場から切り離しやすく、業務整理と人員配置の見直しを同時に進めやすいのが特長です。現場の負担を少しでも軽くしたい、今後も安定した食事提供を続けられる体制を整えたいとお考えの際は、ぜひ一度ナリコマへご相談ください。

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