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病院や介護施設などでの食事提供には、異物混入や配膳ミス、食中毒など、医療安全に関わるリスクが潜んでいます。日々の衛生管理やヒヤリハットの共有を徹底することはもちろん、食中毒防止の取り組みを強化し、外部委託をうまく取り入れることで安全性をさらに向上させられるのをご存知ですか?今回は、食事提供における医療安全の基本と、事故を防ぐための仕組みづくり、そして委託・支援活用による安心な運営方法を紹介します。

医療安全と食事提供の関わり

病院や介護施設における食事提供は、栄養を届けるだけではなく、患者や利用者の命を支える医療行為のひとつです。そのため、食事提供の現場でも医療安全の意識は欠かせません。ここでは、現場で起こりやすいヒヤリハット事例と、安全を守るための体制づくりについて見ていきましょう。

食事提供で起こりやすいヒヤリハット事例

食事の提供現場では、ほんの小さなミスが大きな事故につながるケースも。たとえば、配膳ミスや異物混入、食形態の取り違えなどは、どの施設でも起こりうるヒヤリハットです。

 

なかでも特に注意が必要なのは、「誤嚥」や「アレルゲンの摂取」です。誤嚥は肺炎などの合併症を引き起こす可能性があり、後遺症が残ったり、重度の場合には命に関わることもあります。また、食物アレルギーを持つ方が誤って該当する食品を口にしてしまうと、アナフィラキシーなどの重篤な症状を起こす恐れも。

 

このように、食事提供の現場では一瞬の判断ミスが重大な結果につながることがあります。そのため「高い安全性」を常に意識し、再発防止の仕組みを整えることが欠かせません。ヒヤリとした瞬間をそのままにせず、原因を共有して改善へつなげていく取り組みが、医療安全を守る土台となります。

医療安全の視点から見た厨房業務の重要性

厨房は、食材の受け入れから調理、盛り付け、配膳まで、すべての工程が行われる場所であり、そのひとつひとつの作業が、利用者の安全に直結しています。たとえば、加熱が不十分だったり、異なる材料を誤って使用したりすると、食中毒や栄養管理のミスにつながることがあります。盛り付け段階での取り違えや配膳時の温度管理の不備なども、医療安全に関わる大きなリスクです。こうしたトラブルは、厨房の内外のどちらでも発生する可能性があります。それぞれにどんなリスクがあるのか、整理してみましょう。

 

リスクの発生する場所

リスクの内容

厨房内でのリスク

・原材料の誤使用

・加熱不足

・盛り付けミス  など

厨房外でのリスク

・配膳ミス

・異物混入

・温度管理の不徹底 など

 

これらを防ぐためには、「作業の見える化」と「複数人でのチェック体制」が欠かせません。どの工程でも同じ品質や温度、衛生状態を保つためには、ルールを定め、全員が同じ手順で作業できるようにしておくことが重要です。医療安全の信頼を支えるためにも、日々の厨房業務を丁寧に行うことが大切なのです。

事故防止のために求められる仕組みづくり

ヒヤリハットの多くは、「忙しさ」や「確認不足」など、ちょっとした油断から生まれます。こうしたミスをなくすためには、個人の注意に頼るのではなく、仕組みとして防ぐ体制づくりが欠かせません。まず大切なのは、ヒヤリハットの事例をもとにルールやマニュアルを見直すこと。記録や報告を通じて全員で原因を共有し、再発防止につなげることが重要です。その上で、誰が・いつ・どの工程をチェックするのかを明確にしておくと安心でしょう。

 

ある病院では「厨房パトロール」を実施して、異物混入防止や衛生環境の点検を定期的に行っています。チェックリストを使って温度や作業動線、衛生状態を確認し、改善点を現場スタッフと共有する仕組みを設けているそうです。それによって、問題の早期発見と改善が進み、事故の未然防止につながっています。このように、現場全体でルールを無理なく続けられる仕組みにしていくことが、重大事故を防ぐ一番の近道です。

衛生管理で食中毒を防ぐために

食事提供の現場で特に注意したいのが、食中毒の発生です。どんなに丁寧に調理していても、温度管理や清掃が不十分な場合、菌が繁殖してしまうことがあります。こうしたリスクを減らすためには、衛生管理を個人の意識に頼らず、手順やルールとして定着させること。誰が担当しても同じ水準で安全を保てるようにするには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。

HACCPに基づく衛生管理の実践

食中毒を防ぐためには、経験や勘に頼らず、科学的な根拠に基づいて管理することが大切です。その基本となるのが、国際的な衛生管理手法であるHACCPです。HACCPでは、食材の受け入れから調理・盛り付け・配膳まで、あらゆる工程の中で「どこにリスクがあるか」をあらかじめ洗い出し、重点的に管理します。

 

たとえば加熱温度や保存時間など、リスクの高いポイントを管理し、食中毒の原因を未然に防げるようになるのです。HACCPの考え方を取り入れることで、日々の衛生状態が見える状態で管理可能になり、記録を残せば万が一のときにも原因が追跡しやすくなります。

温度管理と保存ルールの徹底

食中毒を防ぐうえで、基本かつ重要なのは温度管理。食材の受け入れから調理や保存、配膳まで、すべての段階で適正な温度を保つことが安全のカギを握ります。

 

特に注意したいのは、加熱後の料理の保管と再加熱の工程です。加熱が不十分だったり、調理後に室温で長時間放置してしまうと、細菌が増殖する原因になります。「大量調理施設衛生管理マニュアル」では、中心温度75℃以上・1分以上の加熱や、調理後の速やかな冷却を推奨しています。

 

さらに、冷蔵・冷凍保存の際も、食材の種類ごとに温度や期限を明確に分けることが大切です。温度や保存ルールを守ることは、手間のように感じるかもしれませんが、その一つひとつの積み重ねが、患者や利用者の安心と医療安全を守っていく、大切な一歩なのです。

スタッフ教育とマニュアル化の必要性

どんなに衛生ルールを整えても、現場でそれが守られていなければ意味がありません。新人スタッフやパート職員など、経験や知識の違いがある中で安全を保っていくには、教育とマニュアル化は欠かせません。手洗いのタイミングや調理器具の消毒方法など、当たり前のように思えることも人によって解釈が異なることも。誰が見ても分かる形で手順をまとめ、定期的に確認することで、現場での認識のばらつきを防げます。

 

また、教育は一度きりで終わらせず、定期的な研修を通じて継続することもとても大切です。日々の業務を通じて自然に身につくようにしていくと、衛生管理が特別なことではなく「当たり前のこと」になります。個人の考え方と仕組みの両面から支えていくことで、医療安全のレベルを安定して維持できます。

 

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直営支援や委託活用で強化する医療安全

医療安全を高めるには、すべてを自施設だけで行うのではなく、外部の力を上手に取り入れることもひとつの手です。委託や直営支援を活用すれば、専門的な衛生管理や品質管理の仕組みを取り入れながら、現場の負担を減らすことができます。委託や支援によってどのように安全性を高められるのかを見ていきましょう。

厨房外注や委託化による衛生・品質管理体制

食事提供の安全性を高める方法のひとつが、厨房業務の外注や委託化です。外部業者は衛生・品質管理の専門知識を持ち、マニュアル化された工程や検査体制を整えています。こうした仕組みを取り入れることで、感染症や食中毒などのリスクを大きく減らし、安定した食事提供ができます。

 

また、最近では上記のような完全委託だけでなく、直営を維持しながら外部の支援を受けるスタイルも増えています。ナリコマのクックチルは、温度や衛生管理が徹底されたセントラルキッチンで調理した食事をチルド状態で納品する方式です。厨房では再加熱や盛り付けを行うだけで、安全かつ効率的に食事を提供できます。品質管理がしやすく、ヒヤリハットの発生を防ぐ体制づくりにも役立ちます。

 

さらに、委託や支援のもう一つの強みは、現場に寄り添ったサポート体制があること。専門スタッフが課題を一緒に整理し、ミスを防ぐための手順や改善策を提案してくれるため、職員が安心して業務に集中できます。業者任せにするのではなく、直営をベースにノウハウや人材面で支援を受けるスタイルが、医療安全の底上げにつながっていくでしょう。

 

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医療安全を高めるポイントとナリコマの取り組み

ナリコマでは、クックチルを中心とした調理方式や支援体制を通じて、病院や施設の厨房における安全性と効率化を両立しています。ナリコマがどのように医療安全を支えているのか、その取り組みを紹介します。

クックチルで効率化と医療安全を両立

ナリコマのクックチルは「厨房外注や委託化による衛生・品質管理体制」でもお伝えしたように、調理後すぐに急速冷却し、チルド状態で納品・保管します。配膳前に再加熱することで温度管理が徹底しやすく、食中毒防止に有効です。また、あらかじめ調理された状態で届くため、厨房内での下処理の作業量も減るほか、多くの工程が必要な介護食への加工も不要なので、スタッフの負担軽減や作業効率化にもつながります。

 

ナリコマのクックチルは徹底された衛生管理のもと調理されているために、品質のばらつきも少なく、安全性と効率性を両立できる仕組みとして、多くの医療・福祉施設に選ばれているのです。

施設に合わせた柔軟な支援体制

ナリコマによる支援は現場の課題を一緒に見つけ、最適な改善策を提案する伴走型のスタイルが特長です。まず現状を確認し、栄養士や現場リーダーの方々の理想像を丁寧にヒアリングします。業務の整理や人員配置の見直しなど、施設の課題に応じて改善策を提案します。

 

ナリコマは30年以上にわたって厨房経営に携わってきました。そのノウハウを受け継いだスタッフが、給食業務の問題点を洗い出し、働きやすさと医療安全の両立をサポートします。現場の導線や業務の流れを踏まえて提案されるため、自施設の状況に合ったかたちで改善を進められるのが大きな強みです。一緒に整えていく支援によって、安心して続けられる体制づくりを後押ししています。

現場を安心して任せられるサポート力

ナリコマは30年以上にわたって医療・介護施設の食事提供を支えてきた豊富な実績があります。その経験をもとに、導入後も現場に寄り添いながら、医療安全を支えるための衛生指導や運営面のサポートを継続的に行っています。

 

定期的な衛生チェックやスタッフ研修の実施により、現場の衛生レベルを常に高く保てるのも安心してお任せいただけるポイントです。運営上の課題が発生した際にも、担当スタッフがスピーディーに対応し、安心して業務を続けられるよう支援します。

 

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医療安全を守る食事提供のポイントを押さえよう

食事提供の現場は、日々の小さな判断や一つひとつの作業の積み重ねで成り立っています。そのどれもが、患者さんや利用者さんの命や安心につながるからこそ、医療安全の意識は常に欠かせません。ヒヤリハットの共有や衛生管理、食中毒防止など、基本の徹底が大きな事故を防ぐ第一歩です。こうした取り組みを現場だけで抱え込まず、外部委託や直営支援を取り入れるのもひとつの手。安全性を高めつつ、スタッフ一人ひとりが安心して働ける環境を整えられます。

ナリコマは、クックチルやニュークックチルを通じて、現場に寄り添いながら医療安全と効率化の両立を支援しています。現状を見つめ直し、課題を共有し、そして改善へと歩んでいく、その一歩を共に進めるパートナーです。医療安全を守ることは、食事を「ただ届ける」ことから「安全と安心を届ける」ことへ変えること。現場をより安全で、働きやすい場所に。ナリコマはその歩みをともに支えます。食事の安全性についてお悩みの場合には、ぜひ一度ナリコマへご相談ください。

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