新調理システムとして知られさまざまなメリットのあるニュークックチルは、集中調理を行うセントラルキッチンと連携することで、さらなる厨房の効率化に役立ちます。この記事では、ニュークックチルやセントラルキッチンの概要やメリットと共に、ニュークックチルとセントラルキッチンを連携した際の流れや配送システムの特徴、外部委託や品質管理も視野に入れたセントラルキッチンの活用方法を解説します。
目次
厨房を効率化するニュークックチル×セントラルキッチン
厨房業務を効率化させる方法の一つに、調理システムの改善や変更があります。ニュークックチルは、近年よく取り上げられる病院や介護施設における厨房の人手不足の課題解決においても役立つ、新調理システムです。ニュークックチルに変更することでさまざまなメリットが期待できるほか、セントラルキッチンの利用でさらに施設内の厨房業務が効率化されるでしょう。ここではまず、ニュークックチルやセントラルキッチンの特徴を解説します。

素早く食事提供できるニュークックチル
従来の調理システムとして知られるクックサーブシステムは、食事の度に調理するため、できたての温かい食事を提供できる方法です。しかし、毎回の調理の手間に加えて、食数が多いほど素早い提供が難しくなる傾向にあり、盛り付けなどに時間がかかると、食べる頃には冷めてしまうデメリットがあります。
毎回の調理の手間の削減と共に、調理した食品の冷凍保存や冷蔵保存ができる方法として、クックフリーズやクックチル、真空調理などの調理システムがあります。しかし、これらはいずれも料理を温め直した後に盛り付けを行うため、盛り付けに時間がかかると同じく食べる際に料理が冷めてしまうでしょう。
そこで活躍するのがクックチルの進化系であるニュークックチルです。ニュークックチルの場合、再加熱カートのような専用機器を活用することで、チルド状態で盛り付けをしてから保存できるため、温めた後すぐに提供できるのが大きなメリットです。
ニュークックチルを利用した食事提供の大まかな流れは下記をご参考ください。
1.食品の下処理や加熱調理
2.調理した食品の急速冷却とチルド保存
3.チルド状態での盛り付けと再加熱カートでのチルド保存
4.再加熱カートで自動の再加熱
5.食事の配膳
6.後片付けや食器の洗浄
集中調理に便利なセントラルキッチン
セントラルキッチンは、集中調理施設とも呼ばれ、常に大量の食事提供が必要な場合に食品の調理を引き受ける施設です。一ヵ所に調理作業を集約したセントラルキッチンで大量調理をメインに行うことにより、病院や介護施設等の個々の厨房で調理をする際のデメリットを解消できる利点があります。例えば、セントラルキッチンには、主に下記のようなメリットがあります。
- 調理の手順の細分化で役割を分担しやすい
- 厨房環境を整えやすく大量調理に適した機器の使用で作業の効率化が期待できる
- 食材の大量購入によりコスト削減につながる
- 食事の品質や味わいを安定させやすい
- 衛生管理に関する基準や環境を統一しやすい
セントラルキッチンのメリットは、全体的に規模による効果が主です。コスト面では、複数の拠点がある場合にセントラルキッチンで調理作業を集約することで、個々の施設の厨房設備にかかるコストや人件費の削減なども期待できます。自社施設内での調理が難しい場合だけでなく、調理作業の効率が悪い、味にバラつきがある、といった課題を抱えている際にも、セントラルキッチンの利用で解決できる可能性があるでしょう。
ニュークックチルとセントラルキッチンの連携の流れ

ニュークックチルシステムを全て自社施設内に設置する場合、加熱調理に必要なスチームコンベクションオーブンや、急速冷却に必要なブラストチラーなどの専用機器をそろえる必要があります。複数の拠点がある場合、個々の施設でこれらの専用機器をそろえるとコストがかかり、施設内に機器を置くスペースも確保しなければいけないため、厨房環境のデメリットになることもあるでしょう。
調理工程をセントラルキッチンに集約し連携することで、施設での作業がより簡素化され効率良く進めることができます。ニュークックチルとセントラルキッチンを連携した場合の流れは、下記のようになります。
|
作業場所 |
セントラルキッチン |
施設の厨房 |
||||||||
|
作業工程 |
献立作成 |
食材発注 |
食材の下処理 |
加熱調理 |
急速冷却 |
チルド保存 |
盛り付け |
再加熱 |
食事の配膳 |
片付け・洗浄 |
セントラルキッチンの配送システム
セントラルキッチンでは、調理を行いチルド状態にしてから施設に配送しますが、チルド状態でどこまで準備するかによって配送システムは異なり、施設の厨房での作業も同じく変わります。配送方法としては、ニュークックチル食品として製品化して施設に納入する方法や、盛り付けやトレイメイクまでセントラルキッチンで行ってから配送する方法があります。
トレイメイクまでセントラルキッチンで行う場合は、再加熱カートにセットされた状態で配送されるため、そのまま施設の厨房で再加熱を行い配膳することが可能です。食器の洗浄や保管などもセントラルキッチンで行う環境にすると、施設では再加熱カートの操作や配膳・下膳のみの作業で食事を提供できるでしょう。
セントラルキッチンの活用方法とは?

セントラルキッチンを活用する方法としては、自社で運営する方法と、外部委託する方法があります。セントラルキッチンを自社で運営する場合、行う業務範囲などを調整しやすく、自社施設のスタイルに合う環境作りが可能です。しかし、設備等の初期コストがかかり、セントラルキッチンの人員確保やランニングコストなどを含め、全ての環境を整えなければいけないデメリットがあるため注意も必要です。
ニュークックチルシステムとセントラルキッチンを連携する場合、ニュークックチルシステムにも、個々の施設で使用する再加熱カート等の専用機器の初期コストなどがかかるため、コスト面の検討が大切になるでしょう。
セントラルキッチンの業務を外部委託する場合は、自社で運営する際に行う事柄を全て委託できるため、ノウハウがなくても手軽に活用しやすいメリットがあります。初期設備などにかかるコストや人員確保の手間なども削減できるでしょう。その反面、給食内容も委託先の影響を受けやすいため、自社施設と相性の良い委託先を見つけることが重要です。
セントラルキッチンの外部委託は品質管理を意識
外部委託のセントラルキッチンでニュークックチルを利用するには、ニュークックチルシステムに対応しているセントラルキッチンを選ぶことが必須です。給食委託会社によって取り扱う調理方式は異なるため、まずはニュークックチル対応の会社をピックアップして候補を絞りましょう。セントラルキッチンを外部委託する際には、自社施設の望む食事の提供ができることに注目し、委託によって食事の品質が落ちないようにすることが大切です。病院や介護施設に導入する際には、とくに下記のような複数のポイントを確認すると良いでしょう。
- バラエティー豊かで飽きの来ないメニューがあるか?
- 介護食や治療食に対応しているか?
- アレルギーや禁止食に対応できるか?
- 食数は何食から依頼できるか?
- 自社施設で行う業務範囲は?
- ニュークックチル食品がどのような状態で配送されるか?
- 試食は可能か?
これらの他にも、問い合わせの機会を活かし、良好なコミュニケーションがとれるか、要望はどこまで伝えられるか、なども検討しながら選ぶのがおすすめです。
最新技術を活かしたナリコマのセントラルキッチンで高品質の給食を!

ナリコマのセントラルキッチンは、最新技術を活用し品質とサービスの向上に努めております。発注からお食事のお届けに至る全工程でデータを連携・共有しており、安心してお召し上がりいただける完全調理済みのお食事作りにつなげています。また、調理機器の組み合わせも工夫し、一番おいしい調理方法を追求しております。高齢者の方のお食事では、介護食だけでなく、低栄養防止のための「少量高栄養」を意識しております。
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急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
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