近年は少子高齢化が進んでおり、さまざまな現場で人手不足が深刻化しています。病院や介護福祉施設などの給食を提供している厨房も例外ではありません。給食業界は以前から人手不足の傾向が強く、日常的に負担が増えたり、長時間労働が続いたりすることが問題といわれてきました。
今回の記事は、そんな厨房業務の負担軽減や効率化を実現するニュークックチルについてお伝えします。導入スケジュールを作成する際に留意すべきポイントを順に解説。ぜひ最後までお読みいただき、スケジュール管理の参考になさってください。
目次
ニュークックチルの導入スケジュール①費用・人員などの確認

ニュークックチルの基本となる作業工程は以下の通りです。
①セントラルキッチンで食材を仕入れ、下ごしらえと加熱調理を行う
②調理後90分以内に、食材の中心部が3℃以下になるまで急速冷却を行う
③急速冷却後はチルド保存し、スケジュールに沿って施設へ配送する
④チルド状態のまま盛り付けを行い、器ごと再加熱カートにセットする
⑤再加熱が完了したら、そのまま配膳する
導入時には、こうした作業工程を前提に確認すべき項目がいくつかあります。では、詳しくみていきましょう。
厨房機器や設備
ニュークックチルの運用には、調理に使うスチームコンベクションオーブン、調理後の冷却に使うブラストチラー、提供直前に使う再加熱カートなどの厨房機器が必要です。セントラルキッチンを採用する場合、施設内厨房では加熱調理と急速冷却の工程がありません。そのため、配送される完全調理済み食品が保存できるサイズの冷蔵庫、盛り付け後の器をセットする再加熱カートがあれば基本的な運用ができるでしょう。既存の機器や設備がそのまま使えるケースもあります。
厨房のレイアウトと動線
厨房機器や設備を確認する際に、レイアウトや動線もみておきましょう。新たに機器や設備を入れると、従来の動線が使えなくなってしまう可能性もあります。厨房職員が使いにくいと感じる動線では、作業効率も上がりません。
再加熱カートに対応した食器
再加熱カートで通常の食器を使うと劣化しやすくなるため、専用の食器やトレイを使うことが推奨されています。毎日の食数を考慮し、過不足のないように準備しましょう。
盛り付けや配膳に必要な人員
セントラルキッチン方式のニュークックチルは、配送先の施設で盛り付けと配膳を行う人員が必要です。調理から配膳まで行うクックサーブより少ない人員で対応できますが、やはり事前のシミュレーションは重要。導入後のスケジュールを組み、無理なく対応できる勤務体制を決めておくといいでしょう。
イニシャルコストとランニングコスト
運用を安定化するには、費用面のシミュレーションも欠かせません。ニュークックチルでは再加熱カートが必要になるため、イニシャルコストが高くなるといわれています。一方で、主な調理業務の削減や朝夕の厨房無人化などによりランニングコストが抑えられるというメリットもあります。
ニュークックチルで対応可能な献立
ニュークックチルは、チルド保存や再加熱によって味・食感などが変わりやすい揚げ物、炒め物などには不向きといわれています。最初から全面的に導入するのではなく、クックサーブと組み合わせるなどの段階的導入も検討するといいかもしれません。
ニュークックチルの導入スケジュール②業者の選定・契約

ニュークックチルの運用イメージが見えてきたら、委託業者の選定を進めていきましょう。本項目では、業者選定において重視すべきポイントをまとめました。
施設の方針に沿った食事提供体制
委託業者と契約する際には、何よりもまず施設の方針を理解してもらうことが重要です。「できるだけ費用を安くしたい」「旬の食材を使いたい」「咀嚼・嚥下機能にあわせた介護食を提供したい」「治療食を展開したい」「ごはんだけでなく、パンも取り入れたい」など、施設によってさまざまな要望があるでしょう。もちろん、要望のすべてを実現させるのは難しいかもしれません。食事提供についての考え方、献立へのこだわりなどから、施設との相性を判断してもいいでしょう。
長期契約でも無理のないコスト
ニュークックチルの運用に委託業者を入れると、その分の費用を継続的に支払うことになります。食事提供体制が安定すれば、委託業者との契約期間も長くなるでしょう。しかし、病院や介護福祉施設の食費は公定価格が定められており、一般企業のような値上げができません。長期契約になっても無理なく支払いが続けられるよう、見積もりや価格交渉は丁寧に行いましょう。
コミュニケーション力
委託業者とうまく付き合っていくには、信頼関係の構築が欠かせません。トラブル防止のためにも、コミュニケーション力の高さは重要なポイントなのです。契約後も信頼し、さまざまな相談ができるような委託業者を選ぶといいでしょう。
ニュークックチルの導入スケジュール③従業員の研修
ニュークックチルについてまったく知識がない、もしくは知っていても触れたことがないという従業員も多いかもしれません。特に、クックサーブから切り替える場合は、作業工程や時間配分などが大幅に変わってしまうため、現場が混乱することもあるでしょう。運用開始後のトラブルをできるだけ少なくするには、事前の研修も欠かせません。

研修を行うメリットは、従業員が業務に対する共通認識を持つようになり、自己研鑽のきっかけづくりにもなること。目的や目標を明確にしておくと、新たな業務体制への不安を解消したり、モチベーションの低下を防いだりする効果も期待できます。
重要なポイントは、ニュークックチルの必要性や基本的な仕組みをきちんと理解してもらうことです。ニュークックチルの作業工程、再加熱カートなどの厨房機器に関する使い方や注意点を丁寧に伝えていきましょう。研修を十分に行っておくと、従業員の安全確保や効率的な業務体制の構築につながります。スムーズな運用を続けるためにも、じっくりと時間をかけて準備するといいでしょう。
ニュークックチルの導入スケジュール④運用開始と課題改善
ここまで、事前の確認や研修が重要であることをお伝えしてきました。しかし、実際にはニュークックチルを運用してみないと見えてこない部分もあります。ほかの業務にも通じるところですが、運用開始後すぐには、いろいろな課題が出てくるかもしれません。課題を見つけたらできるだけ早く改善し、業務体制を整えましょう。

先々の運用に活かすためには、厨房にかかわるすべての従業員を集めて意見を聞くのも効果的です。主観的な視点ではわからなかった課題に気が付いたり、改善に有効なアイデアが出てきたりするでしょう。意見交換の場を設けることで、職場の風通しが良くなり、従業員が働きやすくなるというメリットもあります。
また、課題改善によって時間的・心理的な余裕が生まれると、喫食者に対するケアも行き届くようになります。特に、病院や介護福祉施設には疾患・障害を抱えた方、高齢の方などが多いため、個別のケアを充実させることが重要です。職員と喫食者が日常的にコミュニケーションをとるようになれば、味や食感の課題改善にもつながるでしょう。
ナリコマならニュークックチルの導入計画もしっかりサポート

ナリコマでは、ニュークックチルを採用した365日日替わりの献立サービスを提供しております。弊社セントラルキッチンから完全調理済み食品を配送するため、業務効率化や負担軽減も実現可能です。献立は栄養価が計算されており、介護食のバリエーションも豊富。数多くの病院様や介護福祉施設様においても、大変ご好評いただいております。
導入計画を立てる際には、専任アドバイザーが細やかにサポート。従業員研修やマニュアル作成など、準備に関するお悩みも丁寧にヒアリングいたします。ニュークックチルの運用をお考えの際には、ぜひナリコマにおまかせください。
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