近年では高齢化社会が急速に進んでいることもあり、医療・介護福祉系サービスの需要が高まっています。入院設備のある病院、入所型の老人ホームなど、施設の形態によっては毎日の食事も欠かせません。今回の記事は、病院や介護福祉施設で提供される食事の質に注目。特に、喫食者である患者や高齢者の満足度を上げることの重要性をテーマにお届けします。ぜひ最後までお読みください。
目次
医療・介護福祉施設において重要な利用者満足度
「健康」と「楽しみ」をもたらす食事
人が生きていく上で、食べることは最も重要な行動といえるでしょう。病院では治療の一環、介護福祉施設では健康維持のための栄養摂取という大きな役割があります。両施設における共通点は、入院患者や施設利用者にとって食事が楽しみの一つになっていること。病院や介護福祉施設は自宅とまったく異なる空間であると同時に、知らない人と一緒に集団生活をする場所でもあります。健康上の理由で献立や食形態が制限されることはありますが、普段とは違う生活の中で食事を楽しみにしている人は多いようです。
疾患を抱える患者や体力が低下している高齢者などは、食事をしなくなると健康状態が悪化する恐れもあります。食事の質が落ちると食欲減退につながるため、何よりもまず「食べたい」と思ってもらうことが大切なのです。
利用者アンケートの実施とデータ活用
病院や介護福祉施設において食事の質を高めるには、利用者アンケートを実施し、そのデータを活用することが効果的です。喫食者による味の評価を直接確認できるため、課題の早期発見や改善に役立ちます。アンケートの内容は施設によって異なりますが、「量」「味付け」「品数」「盛り付け」「献立内容」などの項目を入れることが多いようです。
また、回答方式は5段階評価や選択式、自由記述式などがあります。利用者が回答しやすいように工夫することも大事なポイントです。得られたデータは全員で共有し、改善策を打ち出していく必要があります。評価が高かった点もしっかりと把握してもらい、従業員のモチベーションアップにつなげましょう。

食事の質を左右する調理方式
病院や介護福祉施設の給食では、下記のような調理方式が採用されています。食事の質を高めて利用者満足度も上げるには、複数の調理方式を併用したり、新たな調理方式に切り替えたりするのもいいでしょう。
◆クックサーブ
提供時間にあわせ、調理から配膳までの工程を一気に行います。幅広いメニューに対応できるため、献立のバリエーションが豊富。時間に追われることもあり、ミスが起きやすいというデメリットがあります。
◆クックフリーズ
加熱調理後に急速凍結して、8週間ほどの冷凍保存が可能です。配膳の直前に再加熱と盛り付けを行います。凍結によって、食材本来のおいしさが損なわれる場合もあります。
◆クックチル
加熱調理後に急速冷却して、5日間ほどのチルド保存が可能です。配膳の直前に再加熱と盛り付けを行います。ただし、揚げ物や炒め物には不向きとされています。
◆ニュークックチル
加熱調理後に急速冷却して、5日間ほどのチルド保存が可能です。チルド状態のまま盛り付けを行い、器ごと再加熱カートで保存。提供時間にあわせてタイマーで再加熱を行い、そのまま配膳することができます。
◆真空調理法
下処理した食材と調理料をあわせて真空包装にし、加熱調理を行います。冷蔵または冷凍で1週間ほど保存することができ、配膳の直前に再加熱を行います。低温調理のため、煮物や蒸し物に最適です。
利用者満足度向上のポイント①栄養価と味のバランス

ここからは、利用者満足度を向上させる3つのポイントをみていきます。最初のポイントは、栄養価と味のバランスです。必要な栄養をきちんととるためには、いろいろな食材や料理を取り入れた献立が推奨されています。主食・主菜・副菜を基本とし、献立内容にあわせて汁物や果物、乳製品などを追加しましょう。
しかし、栄養価ばかり重視すると献立のバリエーションが減って飽きやすくなり、利用者満足度が下がってしまうかもしれません。料理のジャンルを増やしたり、料理ごとに異なる調味料を使ったりして、飽きのこない献立にする必要があります。ごはん以外に、パンや麺類を主食にするのもおすすめです。
さらに、病院や介護福祉施設の食事は治療、健康維持を目的としていることから、「味が薄い」との声も多いようです。しかし、単純に味を濃くすれば、本来の目的とは大きく外れてしまいます。だしをしっかりとるようにしたり、酸味や香辛料でアクセントをつけたりして、薄味でもおいしさを感じられる工夫をするといいでしょう。
利用者満足度向上のポイント②見た目と食感の良さ

続いてのポイントは、見た目と食感の良さです。実は、食事を楽しむためには五感を使うことが重要といわれています。感じる割合はおおむね決まっており、視覚83〜87%、聴覚7〜11%、触覚1.5〜3%、嗅覚2〜3.5%、味覚1%というデータがあるそうです。料理の味やにおいを感じる割合は低く、見た目についてはほぼ9割を占めています。
つまり、ぱっと見でおいしそうに見えなければ、利用者満足度にも大きな影響を与えてしまうのです。見た目を良くするためには、食材の切り方や料理の盛り付け方にこだわったり、食器も含めて彩り豊かに仕上げたりするといいでしょう。職員の負担が大きくならない程度に、季節にあわせた装飾などをつけてみてもいいかもしれません。
また、咀嚼・嚥下機能が低下している患者や高齢者には、嚥下調整食・介護食などを提供します。普通食と比較した場合、見た目を良く仕上げるのが難しいとされています。そのため、利用者満足度を上げるにはさまざまな工夫が必要でしょう。例えば、ゼリー食やムース食は食材の形状をかたどったり、ミキサー食は食材ごとに調理して盛り付けたりするのがおすすめです。
見た目だけでなく、食感の良さやバリエーションもおいしさ、飽きにくさにつながります。特に制限のない普通食では、野菜のシャキシャキ感や肉や魚のふんわりとしたやわらかさなど、いろいろな食感が楽しめるようにするといいでしょう。嚥下調整食・介護食では食材本来の食感を出すのが難しいため、なめらかな舌触りや喉ごしの良さなどにこだわるといいようです。
利用者満足度向上のポイント③食事の温度

最後のポイントは、食事の温度です。味を感じる基本の要素は、塩味・甘味・酸味・苦味・うま味の5つ。塩味と苦味は低温になるほど強く感じ、甘味とうま味は体温に近いほうが強く感じるといわれています。酸味だけは、温度による感じ方の変化がありません。加熱した料理が冷めておいしくなくなってしまうのは、塩味と苦味が強くなることが原因と考えられています。つまり、温かい料理を冷めないうちに配膳できれば、利用者満足度の向上につながるのです。
このほか、温かい料理は60℃〜70℃、冷たい料理は5℃〜12℃くらいがおいしく感じるといわれていますが、料理によっても違いがあります。例えば、ごはんや煮物などは甘味とうま味が多いことから、体温に近い40℃〜48℃くらいが適温です。また、嚥下調整食や介護食は普通食と同じように温めると熱すぎてしまうため、細かく調整しなくてはなりません。いずれにしても、食事の温度に配慮しながら、効率よく配膳できる環境が必要といえるでしょう。
利用者満足度の改善にはナリコマのニュークックチルがおすすめ

ナリコマでは、病院や介護福祉施設に最適な献立サービスを展開しています。管理栄養士による栄養価の計算はもちろん、おいしさにもこだわった365日日替わりの献立をご用意。ミキサー食・ゼリー食・ソフト食も同じ献立で提供しており、彩り豊かな見た目や食感の良さなどもご好評いただいております。
弊社セントラルキッチンから完全調理済み食品をお届けし、簡単な盛り付けと再加熱を行っていただくニュークックチル方式を採用。温かい料理は温かいまま、冷たい料理は冷たいままお召し上がりいただけます。導入前はもちろん、導入後も専任アドバイザーが丁寧にサポート。利用者満足度の改善でお悩みがありましたら、ぜひ一度ナリコマにご相談ください。
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こうした日常的な取り組みによって栄養状態を改善し、自分らしくイキイキとした生活の基盤をつくりましょう。
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