医療・介護現場では、人材不足が深刻化するなかで厨房業務の負担が大きな課題になっています。その解決策として注目されるのが「タスクシフト(業務移管)」です。厨房業務を外注や委託化、省人化によって効率化することで、人件費を抑えつつスタッフが本来業務に集中できる環境を整えることができます。今回は、厨房業務におけるタスクシフトの考え方と、外注・委託化を通じた効率化の方法を解説します。
目次
人手不足で厨房業務の負担は重くなる
医療・介護施設では人手不足が続き、厨房業務の負担が大きくなっています。調理や盛付、配膳、洗浄など多くの作業を少ない人数でこなすため、一人ひとりの負担が重くなりがちです。こうした状況を改善するためには、効率化や省人化を意識した仕組みづくりが欠かせません。スタッフが無理なく働ける体制を整えることが、現場の安定運営につながるでしょう。

人手不足で負担が集中する厨房業務
厨房業務は、調理だけでなく仕込み・盛付・配膳・片付け・洗浄など、毎日多くの工程をこなす必要があります。人手が足りない現場では、それぞれの作業を少人数で分担しなければならず、早朝から長時間にわたって働くスタッフも少なくありません。
とくに医療・介護施設では、提供時間が決まっているためスケジュールの調整が難しく、急な欠員が出ると残ったスタッフに負担が集中することも。結果として疲労や離職につながるケースもあり、現場全体の運営に影響を及ぼします。
人件費や時間のコスト増大
人手不足の中で厨房業務を維持するためには、残業や追加採用で対応せざるを得ない状況も。結果的に人件費が増大しやすくなってしまうほか、食材費や光熱費の高騰も重なり、経営を圧迫する要因となっています。特に病院や介護施設では、給食費は運営コストの中でも大きな割合を占めています。限られた人員で安全かつ、おいしい食事を提供するには作業効率を高める工夫が必要です。厨房業務を外部委託やタスクシフトによって見直し、人件費と時間の両面でムダを減らす取り組みが求められています。
タスクシフトとは?現場で注目される理由
人手不足が深刻化する中で、限られた人員で現場を回すための工夫として「タスクシフト(業務移管)」が注目されています。専門職が行っていた業務の一部を、ほかの職種や外部に分担・移管することで、負担の偏りを防ぎ、チーム全体の働き方を見直す動きが広がっています。
タスクシフトの定義と基本的な考え方
もともとタスクシフトとは、医師の業務の一部を他の医療職に移すことで、医師の負担を減らし、医療の質を高めることを目的とした施策です。事務作業を医師事務作業補助者が担うなど、業務分担によって、専門職が本来の役割に集中できる体制づくりが進められてきました。昨今ではこの考え方が、看護・介護・栄養・リハビリなど幅広い職種にも広がっています。「限られた人員でどう業務を回すか」「誰が担えば最も効率的か」を見直すことで、職員の負担軽減とサービスの質向上の両立をめざします。

医療・介護現場で広がるタスクシフト
医療や介護の現場で広がりをみせているタスクシフト。たとえば病院では、医師のカルテ入力や書類作成をサポートするスタッフを配置し、医師が診療に集中できるようにしています。また、看護師の周りでは、ベッドメイキングや物品補充などのサポートを行う「看護補助者」が活躍しています。
こうした流れは国の方針としても後押しされており、2024年5月に開かれた「規制改革推進会議」では、医療・介護分野におけるタスクシフト・タスクシェアのさらなる推進が提言されました。タスクシフト、タスクシェアは現場の負担を減らし、限られた人材で質の高いサービスを維持するための重要な取り組みとして位置づけられています。
介護施設でも、記録作業や備品の準備を分担することで、介護職員が利用者さんと関わる時間を確保できるようになっています。業務を上手に分け合うことで、チーム全体が無理なく動ける環境づくりには、タスクシフトが必要なのです。
厨房業務にも応用できる可能性
タスクシフトの考え方は、厨房業務にも広げて考えることができます。調理・盛付・配膳・洗浄など、たくさんの作業をすべて自前で行うのは、どうしても人手や時間の負担が大きくなりがち。そのため、調理の一部を外部業者にお願いしたり、再加熱や盛付を別のスタッフが担当したりと、業務を分けて進める工夫が求められています。
「クックチル」のような調理方式を取り入れると、調理済みの料理がチルド状態で施設に届くため、厨房では温めて盛り付けるだけで提供できます。厨房での手作業工程が減ることで、少ない人数でも安定した食事提供ができ、スタッフの負担もぐっと軽くなります厨房業務の一部を外注化したり、役割を見直したりすることで、効率化と省人化の両立を図る動きが広がっています。無理のない運営をめざすための現実的な方法として、検討してみるのもひとつの手です。
厨房外注・委託化で効率化する
厨房業務の外注でスタッフの負担を削減できますが、最近では、すべてを任せるのではなく、必要な部分だけを委託する柔軟な方法を取り入れるケースも多く見られます。
厨房外注で省人化を進めるメリット
厨房業務を外注する最大のメリットは、人員を効率的に配置できること。外部の専門業者に一部の作業を任せることで、調理や洗浄などにかかる人手を減らし、限られたスタッフで現場を回せるようになります。
また、外注先は経験豊富なスタッフがそろっているため、調理工程や衛生管理も安定。自前で人材を育成する手間や時間を削減できる点も大きなメリットです。ナリコマのように直営支援型でサポートするサービスを活用すれば、完全委託よりも柔軟に、効率化と品質管理の両立を図ることができるでしょう。

委託化による人件費削減
厨房業務の委託では、省人化と併せて人件費の負担を抑えられます。自前で調理スタッフを雇う場合、採用や教育、シフトの調整などに多くの時間とコストがかかりますが、外部の専門業者にお願いすることで、その手間を減らすことができます。
また、委託化を進めると、人件費を固定費から変動費に切り替えられるというメリットもあります。ナリコマのような直営支援型のサービスでは、単にコストを下げるだけでなく、効率化と品質の両立をサポートします。現場に合わせたきめ細かな支援で、施設全体の運営を助けます。
厨房業務タスクシフトで現場を支える工夫
厨房業務の効率化を進めるうえで大切なのは、単に人を減らすことではなく、仕事の流れそのものを見直すこと。作業をシンプルにすることで、少ない人数でも無理なく回せる体制を整えられます。タスクシフトの考え方を取り入れて厨房業務をスムーズにするための具体的な工夫を見ていきましょう。
調理工程の簡素化とクックチルの活用
厨房業務のタスクシフトを進めるうえで大きなポイントになるのが、調理工程の簡素化です。仕込みから提供までをすべて施設内で行うと、人手も時間もかかってしまいます。そこで活用したいのが、クックチルのような調理方式です。
クックチルでは、あらかじめ調理された料理を急速に冷却し、チルド状態で保存・配送します。施設では、提供前に再加熱して盛り付けるだけで済むため、仕込みの作業を減らせます。その分、作業の分担がしやすくなり、早朝出勤や長時間労働の軽減につながるのです。
ナリコマのクックチルは、直営支援の形で導入できるのが特徴です。現場の人員体制や厨房環境に合わせて、ムリのない導入と運用をサポート。効率化と衛生管理の両立を実現し、現場の負担を大きく減らします。

効率化と品質確保の両立
厨房業務を効率化しても、食事の「おいしさ」や「安全性」が損なわれてしまっては意味がありません。タスクシフトや外注化を進めるうえでは、効率化と品質確保をどう両立させるかが大切なポイントです。そのためには、温度管理や衛生基準をしっかり守りながら、誰が行っても同じように進められる体制づくりが欠かせません。
ナリコマでは、自社のセントラルキッチンでHACCPの考え方に基づいた調理と衛生管理を徹底。クックチルの仕組みを通じて、各施設が安全で効率的に食事提供を行えるよう支援しており、現場の負担軽減にもつながっています。効率化によって生まれた時間を、利用者へのサービスや食事の改善にあてることで、「作業の効率化」だけでなく「満足度の向上」につなげる取り組みも行われています。こうした小さな工夫の積み重ねは、スタッフが働きやすく、利用者にも喜ばれる厨房づくりにつながっていくでしょう。
厨房業務の効率化とタスクシフトで働きやすい現場へ
人手不足が続く今、厨房業務の見直しは避けて通れない課題です。外注や委託化、タスクシフトを上手に取り入れることで、省人化を進めながらも、安心・安全な食事提供を行っていきましょう。ナリコマのクックチルのような新しい仕組みを導入すれば、調理工程を分散でき、現場の負担を大きく減らせます。「人を減らす」ためではなく、限られた人員でより良い食事を届け続けるための一歩になるのです。

ナリコマでは、セントラルキッチンでの衛生的な調理体制と、施設ごとの導入支援を通じて、現場が無理なく運営できる環境づくりを支えています。人材不足や業務の重さに悩む施設さまこそ、ぜひ一度ナリコマにご相談ください。厨房業務の効率化とタスクシフトで、働きやすく、利用者にも笑顔が生まれる現場をつくっていきましょう。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
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