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超高齢化社会といわれる日本では、年齢を重ねた際の健康管理についても関心が高まっています。今回の記事は、高齢者が注意すべき「低栄養」をテーマにお届けします。低栄養が高齢者の健康に与える影響、低栄養を防ぐメニュー設計のポイントなどをまとめて解説。ぜひ最後までお読みいただき、高齢者の健康管理にお役立てください。

低栄養に陥りやすい高齢者

低栄養は、その名の通り、健康を維持するために必要な栄養がとれていない状態を指します。老若男女問わず、どんな人にも起こり得る症状ですが、高齢者は特に陥りやすい要因があるといわれています。まずは、その要因について詳しくみていきましょう。

①身体的な要因

加齢は、身体的に大きな変化をもたらします。咀嚼・嚥下機能、消化吸収機能などが低下すると、毎日の食事から十分な栄養をとることが難しくなります。人によっては味覚や嗜好が変わり、食事の内容が偏ってしまうかもしれません。また、以前よりも体力や筋力が落ちることであまり動かなくなり、食べる量が少なくなる可能性もあります。このほか、疾患や服薬によって食欲が低下したり、食べられるものが限定されたりすることも考えられるでしょう。

②社会的な要因

一人暮らし世帯全体の中で65歳以上が占める割合は年々上昇しています。平成7(1995)年は男性6.1%・女性16.2%でしたが、令和2(2020)年には男性15.0%・女性22.1%まで上昇。令和7(2025)年はさらに上昇し、男性25.4%・女性18.3%になるとみられています。一人暮らしは食事の準備が億劫になりやすく、食べる回数や量が減ってしまうケースもあるのです。また、徒歩圏内にスーパーがなかったり、交通の便が悪かったりする地域では、食材などの買い出しが高齢者の負担になっていることもあるでしょう。

 

参考:令和7年版 高齢社会白書

③精神的・心理的な要因

高齢者は、配偶者や親しい人の死に直面したり、「以前はできたことが今はできない」という喪失体験が生じたりすることがあります。こうした精神的なストレスが大きくなると、食欲が低下してしまうのです。長くストレスを受け続ければ、引きこもりになったり、うつ病になったりする可能性もあるでしょう。また、認知機能の低下によって買い物や料理に支障が出てしまうケースもあります。

低栄養がもたらす健康上のリスク

厚生労働省が公開した令和5年の「国民健康・栄養調査」によると、低栄養の傾向にある65歳以上の割合は17.6%です。男女別でみると男性12.2%・女性22.4%となっていますが、85歳以上に限定すると男性22.8%・女性24.8%と、高めの数値を示しています。

 

こうした低栄養の診断には、体重の変化やBMI値、血液検査値などが用いられます。また、「食事量が減ってきた」「肉・魚・卵を食べない日がある」「起き上がったり立ち上がったりすることがつらい」などに該当する場合も、低栄養の可能性が高いとみなされるようです。では、低栄養は高齢者の健康にどのような影響をもたらすのでしょうか。

 

参考:令和5年「国民健康・栄養調査」の結果

低栄養=要介護になるリスクが高い

高齢者が低栄養のまま過ごしていると体力や筋力が著しく低下し、転倒しやすくなったり、疲れやすくなったりします。ほかにも、歩行速度が遅くなる、体重が大幅に減るといった変化も起こるでしょう。こうした身体的な症状はサルコペニアやロコモティブシンドロームに発展するかもしれません。やる気がなくなるなどの精神的な症状が加わると、要介護の前段階とされるフレイルに陥ってしまうこともあります。

 

また、栄養が不足することで免疫力が下がり、風邪などの感染症にかかりやすくなったり、傷が治りにくくなったりするケースもみられます。心身の不調によって日々の活動量が減少すれば、必然的に食欲も低下するでしょう。つまり、「食欲が低下する→食生活が乱れる→低栄養になる→心身の不調が起こる→活動量が減少する→食欲が低下する……」という悪循環を生み出すことになり、結果として要介護になるリスクも高くなってしまうのです。

低栄養を防ぐためのメニュー設計

​​高齢者の低栄養を防ぐには、食生活の見直しや改善が必要です。最も大切なのは、一日三食のサイクルを習慣化すること。食事の回数が減ると、食べる量も少なくなり、低栄養に陥ってしまうのです。まずは、決まった時間に食事をするよう意識するといいでしょう。そして、もう一点、栄養バランスを考慮することも大切です。本項目では、低栄養防止を目的としたメニュー設計のポイントをお伝えします。

エネルギー摂取量に着目する

一日に必要とされるエネルギー量は、活動量によって異なります。高齢者については、厚生労働省が「日本人の食事摂取基準(2025年版)」にて、以下のような目安を設けています。こうした数値を参考に、個別でエネルギー量を計算したメニュー設計を行うことが重要です。

 

◆活動量「低い」=静的な活動が中心で、一日のほとんどを座位で過ごす

65〜74歳:男性2,100kcal/女性1,650kcal

75歳以上:男性1,850 kcal/女性1,450 kcal

◆活動量「ふつう」=座位中心だが、立ち作業や買い物、軽い運動なども行う

65〜74歳:男性2,350 kcal/女性1,850 kcal

75歳以上:男性2,250 kcal/女性1,750 kcal

◆活動量「高い」=移動や立ち作業が多く、活発な運動習慣がある

65〜74歳:男性2,650 kcal/女性2,050 kcal

 

参考:日本人の食事摂取基準(2025年版)※Ⅱ各論 2 対象特性 2-3 高齢者

たんぱく質を意識的にとる

たんぱく質は、健康な体をつくるために欠かせない栄養素です。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」によると、高齢者が一日に必要な量は男性が60g、女性が50gとされています。たんぱく質を多く含む食材は、肉・魚・卵・大豆製品・乳製品など。手軽に食べられるプロセスチーズやゆで卵、納豆、牛乳などをこまめに取り入れるのもいいかもしれません。

食材や料理が偏らないようにする

食生活全体で栄養バランスを整えるには、食材や料理が偏らないようにしましょう。組み合わせは主食・主菜・副菜を基本とし、内容にあわせて汁物や果物、乳製品を取り入れるといいそうです。メニュー設計の負担を減らすには、あらかじめ複数のパターンを決めておき、ローテーションを組む方法もあります。

一食の量が少ない場合は回数を増やす

一度に多く食べられない場合は、食事の回数を増やすことで低栄養の防止につながります。一食を分けて食べるのはもちろん、おやつでエネルギーやたんぱく質を補うのもいいでしょう。食欲が低下しているときには、栄養補助食品を活用するのもおすすめです。

食事以外からみる低栄養の防止・改善策

食生活を整えるだけでなく、適度な運動によって筋肉量を増やすことも低栄養の防止・改善策として有効です。しかし、すでに低栄養に陥った状態では運動に使うエネルギーが足りず、かえって筋肉量を減らしてしまうことがわかっています。基本的には、一日三食、栄養バランスのとれた食事をとることが優先と考えたほうがいいでしょう。

運動の種類はウォーキング、水泳、スクワット、ストレッチ、バランス訓練などがおすすめです。くれぐれも無理のない範囲で行うようにしましょう。もともと運動が苦手な高齢者の場合は、自治体による運動プログラムや体操教室などに参加すると、習慣化しやすくなるかもしれません。

「少量高栄養」を実現するナリコマの介護食

ナリコマが提供する365日日替わりの献立サービス「すこやか」は、介護福祉施設に最適です。咀嚼・嚥下機能が低下した方には、ミキサー食・ゼリー食・ソフト食をご用意。食事量が少なくても十分な栄養をとっていただけるよう、「少量高栄養」を目指し、食感のよさや彩りの美しさなどにもこだわっています。治療食や禁止食にも対応しているため、多くの利用者様が安心してお召し上がりいただけます。栄養バランスのとれた高品質の介護食は、ぜひナリコマにおまかせください。

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