残念ながら、患者さまの間で「病院食がまずい」という意見は少なくありません。今回は、病院食がまずいと思われてしまう理由を改めて振り返りながら、ナリコマのクックチルの一週間の献立や、おいしさを追求したこだわりポイントをご紹介します。おいしい病院食は、患者さまの食事摂取量にも良い影響を与える可能性が高いため、ぜひご参考ください。
目次
病院食はおいしいの?

入院をするにあたって、患者さまはさまざまな不安や疑問を抱えることがあります。「入院したらどんな食事が出てくるんだろう?」というのもその一つです。食事に関しては例えば下記のような疑問が挙げられます。
- メニューはどのような内容か?
- おいしいか?
- 食事の時間は何時か?
- 食物アレルギーがあっても食べられるか?
- 一度の食事で食べ切れるか?
そして多くの方が、メニューの内容と、おいしさを気にかけていらっしゃいます。「病院食がおいしいの?」と不安を抱かせる背景には、残念ながら「病院食はまずい」という意見がさまざまなところでいわれていることも影響しています。
病院食がまずいといわれてしまう理由
それでは、なぜ病院食はまずいといわれてしまうのでしょうか。病院食がまずいといわれる原因には、例えば下記のような理由があります。
- 味が薄い
- 見た目がおいしそうに見えない
- 冷めている
- 同じようなメニューが出てくる
味や見た目などは、患者さまの病状に合わせて内容を変更したり、とろみを付けたりすることで、一般的な食事と異なってしまうことはどうしても避けられない部分があります。一方で、食べる側にとってはストレスになってしまうことも否めません。
また、入院中は治療に専念した環境で一人で過ごす時間が長く、コミュニケーションを取りながら楽しく食事をすることが難しいため、いつも以上に食事のまずさを意識してしまうこともあるでしょう。食べたいものを自由に選べず、出てきた食事を食べなければいけないため、冷めた料理や同じメニューが出てくるだけで、大きな不満につながることがあります。
岡山大学の「自己申告による入院患者の病院食の摂取量とその関連要因に関する研究」では、自己申告の病院食の摂取状況として、約4割が病院食の摂取量が半分以下と回答しています。食べられない理由の一つに「給食の問題」が挙げられており、「量が多すぎる」「食品ににおいがありご飯がまずい」という具体例が提示されていました。反対に、食事の摂取量が多い人は、食事に満足しており食事の時間を楽しく感じている、という結果も挙げられています。
このように、個々の患者さまにおいしいと感じてもらえる病院食の提供が、食事摂取量にも良い影響をもたらすことがわかります。
病院食のおいしい瞬間が入院生活の楽しみに!
さまざまな制限がある入院生活で、日常と同じように訪れる食事の時間は、患者さまにとって楽しみを感じられるひとときです。食事の時間を楽しく過ごすために、おいしい病院食は欠かせません。また、おいしい病院食は、患者さまにとっても複数のメリットが期待できます。
治療では、食事から栄養を摂取することも大切ですが、栄養面に優れた食事も、患者さまに食べてもらえなければその効果を発揮することができません。まずいと感じる食事が続けば、だんだんと残すようになってしまうでしょう。病院食をおいしいと感じてもらうことで、完食につながり、患者さまの治療にも大きなメリットとなります。

おいしい病院食によって、次の食事が楽しみになり、前向きな気持ちで治療に取り組めるでしょう。病院食をおいしいと感じられる瞬間が多いほど、制限のある入院生活でも楽しみを感じられるのです。
病院食の一週間献立例:ナリコマ「やすらぎ」
ここでは、ナリコマの病院食の献立についてご紹介します。基本の献立サービスの一つ「やすらぎ」は、28日サイクルの献立です。入院期間が短い急性期や回復期病院におすすめの献立で、制限したい成分別の治療食にも展開できます。おかずのバリエーションが多様で、毎日飽きることなく楽しめる内容が魅力です。
まずは、一週間の献立例をご覧ください。
- 【第1日目 朝食】
-
- 御飯
- ベーコンとじゃがいもの煮物
- 味噌汁(もやし・大根葉・油揚げ)
- 牛乳
- のり佃煮
- 【第1日目 昼食】
-
- 御飯
- さわらの柚庵焼き
- 白菜と鶏肉の炒め煮
- フルーツ(冷凍マンゴー)
- 【第1日目 夕食】
-
- 御飯
- 肉団子の甘酢あんかけ
- 高野豆腐の煮物
- 大根の青じそドレサラダ
- 【第2日目 朝食】
-
- 御飯
- ホッケのグリル
- 味噌汁(チンゲン菜・白ねぎ)
- 牛乳
- Ca昆布ふりかけ
- 【第2日目 昼食】
-
- 御飯
- 鶏肉のマリネソース焼き
- れんこんとちくわの金平
- フルーツ(冷凍オレンジ)
- 【第2日目 夕食】
-
- 御飯
- 銀ひらすの鳴門煮
- キャベツと豚肉の野菜炒め
- おくらのとろろ和え
- 【第3日目 朝食】
-
- 御飯
- 小松菜と鶏肉のソテー
- 味噌汁(里芋・玉ねぎ)
- 牛乳
- さけふりかけ
- 【第3日目 昼食】
-
- 御飯
- 白身魚のオーロラソース
- 切干大根と絹揚げの煮物
- 玉ねぎとアスパラの和風柚子ドレサラダ
- 【第3日目 夕食】
-
- 豚肉の他人丼
- 胡瓜とささみの甘酢和え
- 黄桃缶
- 【第4日目 朝食】
-
- 御飯
- プレーンオムレツ(ケチャップ)
- 味噌汁(大根・大根葉)
- 牛乳
- Ca昆布ふりかけ
- 【第4日目 昼食】
-
- 御飯
- 鶏肉のさっぱり煮
- ひじきと大豆の煮物
- みかん缶
- 【第4日目 夕食】
-
- 御飯
- さばの香味焼き
- 里芋の鶏そぼろ煮
- 白菜の浅漬け
- 【第5日目 朝食】
-
- 御飯
- 鶏つみれ
- 味噌汁(あさり・わかめ)
- 牛乳
- しそかつおふりかけ
- 【第5日目 昼食】
-
- 御飯
- いわしの生姜煮
- もやしと鶏肉の炒め物
- やっこ(醤油)
- 【第5日目 夕食】
-
- 御飯
- ポークチャップ
- キャベツとツナのフレンチドレサラダ
- フルーツ(冷凍マンゴー)
- 【第6日目 朝食】
-
- 御飯
- 白菜とウインナーの豆乳煮
- 味噌汁(里芋・平天)
- 牛乳
- のり佃煮
- 【第6日目 昼食】
-
- 御飯
- かれいの魚田(田楽味噌)
- ミニ肉じゃが(豚肉)
- パイン缶
- 【第6日目 夕食】
-
- 御飯
- 鶏肉の梅風味焼き
- 大根といかの炒め物
- ブロッコリーと玉ねぎのマヨサラダ
- 【第7日目 朝食】
-
- 御飯
- メヌケの山椒煮
- 味噌汁(わかめ・白ねぎ)
- 牛乳
- いりこみそ
- 【第7日目 昼食】
-
- 御飯
- 牛肉のオイスターソース炒め
- 卯の花
- 大根といんげんのごまドレサラダ
- 【第7日目 夕食】
-
- 御飯
- 白身魚のきのこソースかけ
- ごぼうと絹揚げの煮物
- フルーツ(冷凍オレンジ)
ナリコマのクックチルを活用した多彩でおいしい病院食
ナリコマのクックチル食品を活用すれば、マンネリしがちな病院食も多彩でおいしい食事に生まれ変わります。
病院食は、レストランなどで一般提供される食事とは違い、さまざまな制限に従って用意しなければいけません。ナリコマのクックチル食品は、病院食に必要な制限をできる限りカバーし、それぞれの患者さまがご自身に合った内容の食事をおいしくお召し上がりいただけるように、さまざまなこだわりや工夫とともに作っています。
4形態食
おいしい病院食は、それぞれの患者さまが食べやすいことも大切です。ナリコマのクックチル食品は、患者さまの嚥下力や咀嚼力に合わせて、「普通食」「ソフト食」「ミキサー食」「ゼリー食」の4形態をご用意しております。
普通食
素材本来のおいしさを生かした、家庭的なお食事で、適度にやわらかく調理されています。

ソフト食
歯茎や舌でつぶせるほどのやわらかいお食事で、ある程度の形があるため、食材の食感も楽しめます。

ミキサー食
水や出汁で薄めることなく、素材のおいしさをそのままに、特殊な機器で作っています。少量でも十分に栄養を取れるお食事です。

ゼリー食
ミキサー食をゼリー状にしたお食事で、むせることが心配な患者さまにもおすすめの、つるんとした食感です。

行事食で気分転換
ナリコマのクックチルでは、28日サイクルと365日サイクルの献立で、毎日日替わりのお食事をご提供していますが、それでも継続していると飽きが来てしまうことに備えて、行事食のサービスもご用意しております。
行事食では、日本の伝統や季節を感じられるお食事をご用意し、入院中でも季節の移ろいを感じられるように工夫しています。お正月にはおせち料理、ひな祭りにはひし型寿司、敬老の日には松茸ご飯などがあり、こどもの日やクリスマスなど、行事食のタイミングも多彩です。
また、郷土料理も献立に取り入れているため、北海道の味噌らーめんや、香川県のしっぽくうどんなど、ご当地料理もあわせて楽しめます。このような行事食や郷土料理が患者さまの気分転換につながり、明るい気持ちで心身ともに回復していただくことを目的としています。
(※28日サイクル献立の行事食・歳時食の可否は、病院さまごとにお選びいただけます。)
おいしさを徹底追及した調理法

おいしい食事は献立の組み合わせだけでなく、調理方法も大切です。ナリコマのクックチルでは、食材に合わせて最適な調理方法を工夫しています。一番出汁を使ったやさしい味付けで、加熱によって固くなる部分はあらかじめ取り除くなど、よりおいしくなる作り方を徹底追及し、毎日の検食も欠かしません。
ナリコマのクックチル食品は、再加熱後のおいしさも魅力です。独自の製法によって、作り立てのおいしさを閉じ込めているため、温め直したときに出来たてのおいしさを味わえます。また、食事は目で見て楽しめることもおいしさのポイントです。加熱後に変色する部分を取り除いているため、見た目にも彩り豊かなお食事をご提供できます。
毎日の食事では、パンやおやつも自社製造で提供しております。パンには、自家製の天然酵母を使っているため、味わいは本格派。さらに、水分を多く含んでいるため、やわらかく飲み込みやすいところも魅力です。
おやつは、栄養の補助に役立つだけでなく、患者さまの日々の楽しみにもなります。治療の息抜きにもなるような、自社製造でおいしいこだわりのおやつを日々ご用意しております。
治療食やアレルギーに対応可能
病院食では、それぞれの患者さまの病状や体質に合わせた献立も必要ですが、ナリコマのクックチルでは、制限したい成分別にお食事をご用意することが可能です。エネルギーコントロール食やプロテインコントロール食、減塩食、貧血食など、各種治療食のほか、食事ごとの成分別の展開指示書を利用することで、簡単に院内基準の治療食に対応できます。
また、食物アレルギーのある方や食事の影響を受けるお薬を飲んでいる方など、禁止食のある患者さまにも、別の献立に変更してご用意できます。食事セットの差し替えはもちろん、1献立ごとに差し替えることも可能です。
まとめ

ナリコマはおいしい病院食を提供するだけでなく、導入からシステム活用までのステップにおけるさまざまな無料サポートも充実しています。献立表や食札が見られるナリコマのオリジナルシステムは好評です。
オリジナルシステムでは、発注業務も一本化でき、禁止食や選択した料理を一目で確認できます。タブレットとスキャナを使えば、検品作業も簡単です。ユーザー専用サイトのご利用によって、各種コンテンツへのアクセスが可能なため、関係者の方々の情報共有にも役立ちます。
ナリコマのクックチルを導入してくださる病院さまも増えており、食事内容改善はもちろん、業務効率化や人手不足解消、コスト削減などのお悩みの解決に役立っています。詳しくは下記もご覧ください。
ナリコマのサービスについて
ナリコマの導入事例
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
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