高齢者の食事量・体重の減少は、フレイルや要介護への移行サインである可能性が高く、早期ケアが重要です。健康維持のためには、低栄養予防につながる以下のような対策が求められます。
◆生活習慣:「一日三食」「一汁三菜」を基本とし、一度に食べられない場合は分食による食事量の確保を行う。
◆栄養補給:毎日の食事における“ちょい足し”アレンジ、効率よく栄養がとれる食材の選定を心がける。
◆健康管理:歯科健診による口腔ケアを行い、ウォーキングなどの軽い運動を取り入れる。
◆嚥下調整食(介護食)の活用:摂食機能のレベルにあわせた食形態に変更し、安全な食事環境を整える。
こうした日常的な取り組みによって栄養状態を改善し、自分らしくイキイキとした生活の基盤をつくりましょう。
目次
高齢者の体重減少は注意すべきサインの一つ

高齢者には、加齢による身体的な変化が起こっています。よくみられる特徴として、次のような例が挙げられます。
- 複数の病気を抱え、慢性的な症状がある
- 小さなストレスが機能低下や病気につながりやすい
- 病気にかかりやすく、回復しにくい(重症化のリスクも高い)
- 環境の変化に適応できず、さまざまな不調が出やすい
- ADL能力が低下し、日常生活において何らかの不自由がある
- 摂食機能や消化機能が低下し、便秘・下痢・胃もたれなどが起こりやすい など
上記以外にも注意すべきサインが、体重の減少。厚生労働省が実施している「国民健康・栄養調査」では、BMI(※)を基準とした適正体重の評価があります。BMI20以下の65歳以上について直近3年間のデータ(男女別)をみると、女性がやや増加傾向にあります。
※BMI=体重(kg)÷身長(m)²
|
BMI20以下の割合(65歳以上) |
令和4年 |
令和5年 |
令和6年 |
|
男性 |
12.9% |
12.2% |
12.7% |
|
女性 |
22.0% |
22.4% |
25.2% |
食事量が少なくなると、体に必要なエネルギーが不足し、体重も減少します。高齢者であれば、加齢により食が細くなったということも考えられるでしょう。「自身の若い頃と比べるとあまり食べなくなり体重も減った」と実感している方も多いかもしれません。しかし、本人が「ちゃんと食べている」と認識しているのに体重が減少しているケースもあるようです。のちほど詳しくお伝えしますが、低体重は同時に低栄養になっている可能性が高く、健康リスクが非常に高いといわれています。そのため、早めの対策が健康な生活を送るカギとなるのです。
「食べているつもり」でも体重が減る主な要因

高齢者の食が細くなり体重が減少する要因は、大きく分けて「身体的な要因」「精神的な要因」「社会的・経済的な要因」「医学的な要因」があります。
①身体的な要因
前の項目でお伝えしたような加齢による身体的な変化が、食欲低下につながることもあります。高齢者は唾液の分泌量が減ったり、味覚や嗅覚が衰えたりするほか、食べ物が飲み込みづらくなります。義歯を装着している場合、経年劣化によりかみ合わせが悪くなっていることもあるでしょう。さらに、運動量の減少、消化管運動機能の低下などもあり、食べられない状態が続いてしまうのです。
②精神的な要因
加齢が精神的なストレスを増大させることもあります。不安感や抑うつ、認知症などが悪化すると、食欲が急激に落ちてしまいます。生活環境の影響も大きく、退職による社会的役割の喪失や経済的不安、配偶者や親しい友人の喪失などがストレスになるケースもみられます。
③社会的・経済的な要因
一緒に食卓を囲む家族や同居人がいない一人暮らしの状況は、食欲低下を招くこともあります。経済状況によっては、極端な節約により食生活が乱れることも。「自分が食べるだけならこれでいい」と思ったり、食事内容が偏ったりすれば、自然と食事量が減少してしまうのです。
④医学的な要因
持病がある場合、病気そのもののストレスだけでなく、投与された薬の作用が関係しているかもしれません。体重減少の副作用がある薬として抗うつ剤、抗生物質、鎮痛剤などが挙げられます。また、厳しい食事療法を実践している方であれば、それが体重減少につながっていることもあります。

ちゃんと食べているのに体重が減るのはなぜ?
食欲があり、きちんと食べているのに体重が減ってしまう現象は、高齢者によくある「やせ」の問題として取り上げられています。では、主な要因をみてみましょう。
筋肉量の減少
筋肉量が少ない人は消費カロリーも少ないため、たくさん食べなくても活動することができます。加齢による筋肉量の減少は、男女ともに起こること。25年以上前の古い研究結果ですが、20歳時と80歳時の筋肉量・減少率を比較したデータ(回帰式による推定値)があります。
|
性別 |
年齢 |
上肢筋肉量 (kg) |
下肢筋肉量 (kg) |
体幹部筋肉量 (kg) |
全身筋肉量 (kg) |
|
男性 |
20歳時 |
5.5 |
20.7 |
26.1 |
52.3 |
|
80歳時 |
4.6 |
14.3 |
24.6 |
43.5 |
|
|
減少率(%) |
16.4 |
30.9 |
5.7 |
16.8 |
|
|
女性 |
20歳時 |
3.3 |
14.4 |
18.6 |
36.3 |
|
80歳時 |
3.2 |
10.3 |
18.8 |
36.3 |
|
|
減少率(%) |
3.0 |
28.5 |
-1.0 |
11.0 |
参考:老年医学会雑誌第47巻1号「日本人筋肉量の加齢による特徴」(2010年発行)
このような推定データから、高齢者は筋肉量が10%以上も減少することがわかります。つまり、本人が意識しなくても、実際の食事量は少なくなっている可能性が高いのです。
自覚していない病気の可能性
持病がない高齢者は定期的に通院する必要がなく、何らかの病気にかかっていても自覚していないケースが考えられます。例えば、体重減少と同時に食欲減退や下痢といった症状があれば、消化器系の病気にかかっているかもしれません。
糖尿病は食事に含まれる糖をエネルギーに変えるのが難しくなり、体内のたんぱく質や脂肪などをエネルギーとして使うようになるため、急激な体重減少がみられます。また、日本人に多いといわれる悪性腫瘍(がん)も筋肉量が減るため、体重減少を引き起こします。
一人暮らしのストレス
前述した社会的・経済的な要因と共通しますが、一人暮らしの高齢者は社会的に孤立しやすくなります。その孤独感によるストレスから、食欲が低下して食事量が減ってしまうことがあるのです。令和7年における一人暮らしの高齢者は、推定値で男性が18.3%、女性が25.4%。この割合は今後も上昇するとみられているため、より多くの高齢者が孤独感による食欲低下に至る可能性があります。
低体重とも関連が深い!低栄養が引き起こす健康リスク

先にお伝えしたように、低体重=「やせ」に該当する高齢者は、低栄養の可能性もあります。低栄養は、体に必要なエネルギーや栄養素が不足し、健康リスクが高まっている状態です。まず懸念されるのは、体力や免疫力が著しく低下すること。筋肉量が減ってすぐに疲れてしまうため、寝たきりになる傾向があり、ウイルスや細菌に感染しやすくなるのです。
また、筋肉や骨の衰えもみられます。人によっては食べ物をかむ力や飲み込む力がなくなったり、転んで骨折しやすくなったりすることも。食事が難しくなれば十分な栄養補給ができず、むくみや腹水も起こりやすくなります。つまり、自覚のあるなしにかかわらず、低体重・低栄養は健康への影響が大きいといえるでしょう。では、高齢者が陥りやすい「フレイル」「ロコモ」「サルコペニア」について詳しくみていきます。
フレイル
フレイルは、健康な状態と要介護の状態の中間であることを表しています。アメリカの老年医学で使われてきた用語「Frailty」に由来する言葉ですが、ストレートな日本語訳の「虚弱」では「もう健康な状態に戻ることができない」という印象を与えてしまいます。しかし、「Frailty」には、適切な介入によって健康な状態に戻れるという可逆性も含まれているのです。その点を考慮し、フレイルという呼称が採用されました。次に挙げる三つの側面があり、予防のためには包括的なケアが必要と考えられています。
|
身体的側面 |
・筋肉、骨、関節の衰え ・歩行速度の低下 ・口腔機能の低下 ・視力や聴力の低下 ・疲労感の増大 など |
|
精神的・心理的側面 |
・気分の落ち込み ・強い不安感 ・意欲の低下 ・記憶力や対応力の低下 ・軽度の認知障害 など |
|
社会的側面 |
・社会交流のない、孤立した生活 ・支援者や近隣者の不在 ・孤食の日常化 など |
65歳以上の要支援・要介護認定者は増加傾向にあります。直近5年間のデータをみると、令和元年〜令和5年の5年間で総数は40万人ほど増加し、700万人が目前に迫っています。段階別では、3桁台をキープしていた要支援1が100万人超えとなりました。
|
※単位:千人 |
令和元年 |
令和2年 |
令和3年 |
令和4年 |
令和5年 |
|
総数 |
6,558 |
6,689 |
6,766 |
6,814 |
6,952 |
|
要支援1 |
922 |
949 |
962 |
973 |
1,008 |
|
要支援2 |
924 |
930 |
932 |
940 |
976 |
|
要介護1 |
1,331 |
1,380 |
1,408 |
1,425 |
1,443 |
|
要介護2 |
1,129 |
1,139 |
1,135 |
1,134 |
1,164 |
|
要介護3 |
862 |
887 |
900 |
902 |
909 |
|
要介護4 |
803 |
834 |
858 |
870 |
878 |
|
要介護5 |
587 |
569 |
570 |
571 |
574 |
要介護認定者が多くなれば、医療機関や介護福祉施設などの負担は増えます。しかし、高齢化とともに進む少子化の影響で、医療・介護福祉分野は人材(人手)不足が続いており、将来的に従来と同じ対応が難しくなることも懸念されているのです。こうした現状を踏まえると、フレイルの予防は高齢者の健康維持だけでなく、医療・介護福祉サービス提供体制の安定化につながるともいえます。
ロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)
ロコモティブシンドロームは、英語の「locomotion(移動)」と「locomotive(移動するための能力)」に由来する言葉で、略してロコモと呼ばれます。日本整形外科学会によれば「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」と定義されていますが、移動手段が充実している場合などは日常生活に支障がなく、高齢者本人も自覚していないケースがあります。
移動機能とは、一人で立ったり歩いたりする動作のこと。ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイトでは、ロコモの可能性をみるセルフチェックとして、次の7項目が紹介されています。ロコモをそのまま放置すると、フレイルに移行してしまうかもしれません。そのため、高齢者が自ら兆候に気付いたり、対策を立てたりすることが重要なのです。
- 片脚立ちで靴下がはけない
- 家の中でつまずいたりすべったりする
- 階段を上がるのに手すりが必要である
- 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
- 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1リットルの牛乳パック2個程度)
- 15分くらい続けて歩くことができない
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
サルコペニア
サルコペニアは、ギリシャ語の「sarco(筋肉)」と「penia(喪失)」に由来する造語です。筋肉量が減少し、全身の筋力や身体機能が低下した状態を指します。症状が進めばロコモ、フレイルに移行してしまう可能性があるため、できるだけ早く改善する必要があります。
低体重・低栄養を防ぐための日常的な対策

高齢者にとって健康リスクが高い低体重や低栄養を予防するには、日常的な対策が必要です。特に、規則正しい食生活と健康管理の習慣化を意識するといいでしょう。
「一日三食」「一汁三菜」「少量高栄養」を心がける
食生活を整えるには、一日三食、できるだけ決まった時間に食べるように心がけます。古くからいわれてきましたが、献立の基本は一汁三菜。食事量が減ってきた高齢者の場合は、少量高栄養を心がけるのがおすすめです。食生活の主なポイントは、次の三つです。
①カロリーや栄養価の高い食材・食品を選ぶ
食事量の減少は低栄養に直結します。また、筋肉量を増やすにはたんぱく質を十分にとることが重要です。カロリーや栄養価の高い食材・食品を選ぶようにすると、無理のない範囲で栄養を補うことができます。例えば、アーモンドやピスタチオなどのナッツ類、チーズやヨーグルトをはじめとする乳製品、大豆の加工食品などが挙げられます。偏りのないよう、できるだけいろいろな食材・食品を食べましょう。
②一度にたくさん食べられない場合は、食事回数を増やす
人によっては一度にたくさん食べることができず、「一日三食」だけでは十分な栄養がとれないかもしれません。そういったケースでは、一日の食事回数を増やすこと(分食)も効果的です。何回かに分けて食べ、トータルで食事量や栄養がきちんと確保できていれば、低体重・低栄養の対策になります。
③“ちょい足し”アレンジ、栄養補助食品などにも注目
いつものメニューを少しだけアレンジする“ちょい足し”も、栄養を補う方法の一つです。例えば、「白飯+納豆」「トースト+ハム、チーズ」「果物+ヨーグルト」「コーヒー+豆乳」など、誰でも簡単にできるアレンジがあります。よく食べているものに“ちょい足し”すれば、習慣化しやすいでしょう。
また、少量で栄養がとれる栄養補助食品や医薬部外品も活用してみてください。食物繊維やたんぱく質など、高齢者が不足しやすいといわれる栄養が豊富なものを選ぶといいでしょう。

無理のない範囲で健康管理を習慣化する
健康管理の習慣化は大事なことですが、高齢者には大きな負担になってしまう可能性もあります。低体重・低栄養の予防として長く続けるためには、無理のない範囲で実施するといいでしょう。次に挙げる三点は、ぜひ取り入れたい健康管理の項目です。
定期的な体重測定
定期的(週1回、月1回など)に体重を測定し、減少傾向にあるかどうかをチェックしましょう。日常生活に大きな変化がなく、体重が6カ月で5%以上減少している場合、病気など健康上の問題があると考えられます。
歯科健診による口腔ケア
しっかりと食べられる口腔状態を保つには、定期的な歯科健診に通うことも重要です。口腔内トラブルをいち早く発見できるため、食事量の維持・増加、十分な栄養補給も期待できます。
ウォーキングなどの軽い運動
厚生労働省の指針によると、高齢者における歩数の目標値(一日当たり)は6,000歩とされています。3メッツ以上の身体活動(歩行、家事、労働、運動など)を一日に40分以上行うことが推奨されており、可能であれば筋力トレーニングを週2〜3回行うとより健康効果が高いとされています。このような身体活動が難しく、座っていることが多い高齢者の場合は、じっとしている時間が長くなりすぎないよう注意することが重要です。
摂食機能が低下している場合は嚥下調整食を活用

摂食機能が低下している高齢者は、食材の栄養価を損ないにくい調理方法、口腔内や胃腸に負担をかけずに食が進む形状などを検討しましょう。調理の手間や時間はかかりますが、摂食機能のレベルにあわせた嚥下調整食(嚥下食、介護食)の活用がおすすめ。厚生労働省が実施した人口動態調査の結果によると、食事中に発生しやすい誤嚥性肺炎は主な死因の第6位(全体の4.0%)に入っており、死亡率も53.9%です。嚥下調整食は誤嚥のリスクが軽減されるため、安全性や安心感の向上にもつながります。
|
食形態の種類 |
適合する方 |
特徴 |
|
きざみ食 |
咀嚼機能が低下している方 |
・食材を5mm〜2cm程度に細かく刻んだ食事 ・普通食に近い見た目と食感 ・固形物を食べる楽しみがある ・嚥下機能が低下している方は、誤嚥の可能性がやや高め |
|
ソフト食 (軟菜食) |
咀嚼機能と嚥下機能が低下しており、きざみ食では難しい方 |
・食材を歯茎や舌で潰せるくらいにやわらかくした食事 ・普通食に近い見た目 |
|
ムース食 |
咀嚼機能と嚥下機能が低下しており、口の中で食べ物がまとまりにくい方 |
・ソフト食の一種 ・食材をミキサーにかけて固め直した食事 ・見た目や食感が普通食とは大きく異なる |
|
ミキサー食 |
きざみ食やソフト食が難しい方 |
・食材をなめらかなポタージュ状に加工し、ほぼ噛まずに飲み込めるようにした食事 ・ミキサーで調理できる食材を使い、水分が多ければとろみをつける ・見た目や食感が普通食とは大きく異なる |
|
ペースト食 |
きざみ食やソフト食が難しい方 |
・ミキサー食の一種 ・ミキサーなどを使い、食材をしっかりとすり潰した食事 ・ミキサー食よりも水分量が少なく、誤嚥しにくい ・見た目や食感が普通食とは大きく異なる |
|
ゼリー食 |
咀嚼機能と嚥下機能がかなり低下しており、むせやすい方 |
・ミキサーにかけた食材をゼラチンや寒天などで固めた食事 ・ミキサー食よりまとまりがあり、するりと飲み込むことができる ・見た目や食感が普通食とは大きく異なる |
|
流動食 |
咀嚼機能と嚥下機能が低下しており、消化機能も弱っている方 |
・固形物を濾して液体状にした食事 ・見た目や食感が普通食とは大きく異なる ・具材なしの汁物、重湯(お粥の上澄み)、ヨーグルトなどが該当 |
見た目や食感が変わってしまう嚥下調整食は、人によって食欲低下を招くこともあります。対策として、ミキサー食やペースト食は攪拌前の料理を見せて、どんなものか説明してから食べてもらうと良いかもしれません。ムース食やゼリー食は、「元の食材に似せた形にする」「彩りが良くなるよう食材ごとに分けて盛り付ける」など、おいしそうな見た目にする工夫も大切です。
嚥下調整食の基準を詳しく解説している「日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類 2021」は、医療機関などでも使用されています。また、嚥下調整食に類似した市販品として、スマイルケア食やユニバーサルデザインフードがあります。こちらもうまく活用すると、摂食機能が低下した高齢者の食生活も豊かになるでしょう。
ナリコマなら手軽に「少量高栄養」を実現できます

ナリコマでは、「少量高栄養」を目指したこだわりの介護食をお作りしています。ラインアップはソフト食、ゼリー食、ミキサー食の三種類。常食と同じ献立を採用し、おいしさや見た目の良さにも配慮しています。特に、ミキサー食は多くの施設さまから高い評価をいただいております。高齢の患者さまや利用者さまへの食事提供でお悩みでしたら、ぜひナリコマの介護食をお試しください。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
こちらもおすすめ
完調品に関する記事一覧
-
食形態の変更はQOLに影響あり!工夫を凝らして高齢者の「食べる楽しみ」を支えよう
咀嚼機能や嚥下機能が低下した高齢者は誤嚥などの危険性があるため、食形態を調整した食事にする必要があります。主な種類としてきざみ食・ソフト食・ムース食・ミキサー食・ペースト食・流動食などが挙げられますが、安全性の確保と引き換えに、食欲が低下してしまうケースもよくみられます。
食欲低下は食事量の減少につながり、低体重・低栄養のリスクも高まってしまうのです。低体重・低栄養はフレイルなどを発症するきっかけとなり、QOLを著しく低下させます。高齢者のQOL向上を重視する介護施設では、単に食形態を変更するだけではなく、「食べる楽しみ」を維持する工夫も必要です。次のような点を心がけ、高齢者の豊かな食生活、QOLの維持・向上を目指しましょう。
・五感を刺激する
・本人の嗜好や希望に応える
・季節や行事にあわせた演出をする
・共食の機会を設ける -
医療・介護における高栄養食の重要性|特別食加算の対象となる嚥下調整食の課題とは
医療機関や介護施設で提供される食事は、「治療と健康維持のサポート」「日常的な楽しみの一つ」「自宅療養や在宅介護における食生活の向上」といった役割を担っています。近年では、咀嚼機能(かむ力)や嚥下機能(飲み込む力)が低下した患者や利用者に提供する嚥下調整食の重要性が再認識され、診療報酬における特別食加算の対象項目に追加されました。
嚥下調整食は食べやすさや飲み込みやすさを実現する一方、見た目の違和感などから食欲不振を招きやすく、低栄養になる可能性もあります。食事量が少ない患者や利用者には、高栄養食がおすすめです。
・カロリーや栄養価の高い食材を使う
・筋肉のもとになるたんぱく質を積極的にとる
・栄養価が下がりにくい調理方法にする
・栄養補助食品や医薬部外品を取り入れる
・一日の食事回数を増やし、必要な栄養を確保する
特に、高齢者は低栄養から体重が減少し、フレイル、ロコモティブシンドローム、サルコペニアなどを発症するリスクが大きくなります。日頃から、低栄養にならないような食生活をサポートしましょう。 -
自立支援と食事のつくり方|摂食意欲・自立的食行動を高める介護施設の食支援
食事は自立支援介護の基本ケアの一つで、自立支援と食事は深く関わっています。この記事では、自立支援と食事のつくり方に注目し、自立的食行動を促すための食事のポイントをまとめました。自立支援介護の基礎や、摂食意欲を高める工夫、フレイル予防と朝食の重要性についても解説します。介護施設で食事内容を組み立てる際にもぜひご参考ください。
社会課題に関する記事一覧
-
リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算とは?多職種連携による包括的な医療の重要性を解説
近年の日本は高齢化が急速に進んでいることから、医療・介護福祉サービスの提供体制を整える動きが強まっています。安定した提供体制に欠かせない要素の一つが、経営面で大きな支えとなる報酬です。医療機関と介護福祉施設が受け取る基本的な報酬は公定価格(診療報酬、介護報酬)が適用されます。いろいろな加算が設けられていることも大きな特徴であり、それぞれ定められた要件を満たして加算を取得すると、収益の増加やサービスの質向上につながります。
今回の記事は、診療報酬における加算の一つ「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算」に注目。今後求められる医療体制や多職種連携について詳しく解説し、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の概要をまとめてお伝えします。加算と関連する食事提供のポイントなどもみていきますので、ぜひ最後までお読みください。 -
介護事業におけるBCPの重要性や策定ポイントを解説
BCP(事業継続計画)策定は、すべての介護事業において完全義務化されています。策定の手順と重要なポイントは以下の通りです。
【策定の手順】
①基本方針の策定
②運用体制の決定
③中核事業の選定、復旧目標の設定
④想定されるリスクの整理と事前対策
⑤事業継続計画書の作成
⑥教育と訓練、計画の定期的な見直し
【策定のポイント】
●情報の収集と共有
●役割分担の確認
●優先すべき業務の確認
●研修・訓練と計画の見直し
●感染者発生時の対応
●感染症流行時における人手確保の体制
●平時における自然災害への備え
●自然災害発生時の対応
BCPを策定しない介護施設・事業では、利用者のケアが不十分になったり、介護報酬の減算措置がとられて収入源になったりするデメリットが生じます。しかし、BCP策定によって緊急時に適切な対応がとれるようになれば、利用者の安心感、ケア体制やコスト面の安定化につながるのです。もちろん、利用者や職員の安全が確保しやすくなるメリットもあります。BCPの重要性をしっかりと理解し、いざというときに強い介護施設・事業所づくりを進めましょう。 -
給食業界の現状!早期改善が求められる課題3つ
給食は保育所や学校、病院、介護・福祉施設、社員食堂など、いろいろな場所で人々のお腹を満たし、健康を支えています。しかし、その給食を提供する側に目を向けると、いくつかの課題が浮き彫りに。近年、給食業界は厳しい状況にあると指摘されており、早めの対策が必要といわれているのです。
本記事では、給食業界が抱える複数の課題から、特に重視すべき3つをピックアップ。課題の内容とともに、その要因や改善のポイントも詳しくお伝えします。

