「在宅栄養管理に対応したいが、管理栄養士の負担が大きい」
「訪問栄養指導を行いたいが、人員不足で十分な体制を整えられない」
このようなお悩みを抱えている施設もあるのではないでしょうか。在宅療養者への栄養支援には専門的な知識や継続的なフォローが求められます。しかし管理栄養士不足や業務負担の増加により、自施設だけで対応することが難しい場合も少なくないでしょう。
このような課題への対応策として、栄養ケア・ステーションや地域の医療・介護事業者などの外部支援を活用する方法があります。それに加えて、管理栄養士が本来の業務に集中できる環境を整えることも大切です。今回は、外部支援を活用しながら在宅栄養管理を続けていくための体制づくりについて解説します。
目次
在宅栄養管理の重要性が高まるなかで現場が抱える課題

在宅療養者の増加により、管理栄養士による栄養管理の重要性が高まっています。しかし人材不足や業務負担の増加によって十分に支援体制を確保できない施設もあるでしょう。まずは、在宅栄養管理が求められる背景を確認していきましょう。
在宅療養者に栄養管理が求められる理由
在宅療養者のなかには、食欲低下や嚥下機能の低下などにより、十分な栄養を摂取できない方も少なくありません。低栄養は筋力低下や身体機能の低下につながるため、住み慣れた環境での生活を継続するうえでも適切な栄養管理が重要です。
厚生労働省の資料でも、管理栄養士による積極的な在宅支援は看取り期にある在宅療養高齢者の食事摂取量の維持につながることが示されています。在宅栄養管理は、高齢者のQOL(生活の質)やADL(日常生活動作)の維持にも重要な役割を果たすとされており、一人ひとりの状態に応じた栄養支援が欠かせません。
管理栄養士不足と業務負担が大きな課題になっている
在宅栄養管理では、訪問栄養指導だけでなく、栄養ケア計画の作成や記録業務、多職種との情報共有なども必要です。そのため、管理栄養士の業務負担は大きくなりがちです。しかし在宅療養者の増加に伴い、管理栄養士に求められる役割はさらに広がっており、限られた人員で質の高い栄養支援を続けるためには、自施設だけで抱え込まず、外部の支援も含めた体制づくりが課題となっています。
在宅栄養管理の外注で活用できる支援サービス

在宅栄養管理を自施設だけで担うことが難しい場合には、外部サービスや地域資源を活用する方法があります。管理栄養士不足への対応や専門的な栄養支援の確保に向けて、施設の状況に応じて支援体制を検討していきましょう。
栄養ケア・ステーションを活用する
在宅栄養管理の支援先として活用できるサービスの一つが、栄養ケア・ステーションです。栄養ケア・ステーションとは、日本栄養士会が認定する地域密着型の拠点のこと。管理栄養士・栄養士が地域住民の日常生活の場で栄養ケアを提供するしくみで、2018年に認定制度が開始され、2021年には専門性を強化した「機能強化型認定栄養ケア・ステーション」も創設されました。
栄養ケア・ステーションでは、健康づくりの支援から疾病予防、在宅療養者への栄養指導、高齢者や障害者への食事支援まで幅広いサービスを提供しています。地域住民だけでなく、医療機関や介護事業者、自治体なども利用できるため、管理栄養士による支援体制を補完する選択肢として活用できます。自施設のみで在宅栄養管理に対応することが難しい場合は、地域の栄養ケア・ステーションとの連携を検討してみるのもよいでしょう。
地域の医療・介護事業者と連携する
在宅栄養管理では、地域の医療・介護事業者との連携も大切です。在宅療養者の支援には、管理栄養士だけでなく、主治医や訪問看護師、ケアマネジャー、介護職など多くの専門職が関わっています。食事状況や体重変化、嚥下状態などの情報を共有することで、利用者の状態変化にも早期に対応しやすくなります。
自施設で訪問栄養指導の体制を十分に確保できない場合でも、地域の医療機関や介護事業者と連携することで、必要な栄養支援につなげられます。在宅栄養管理を継続的に行うためには、自施設だけで抱え込まず、地域全体で支える視点を持つことが重要といえるでしょう。

外部支援を活用するメリットと導入時の注意点
外部支援を活用すると、管理栄養士の専門的な知見を活用しやすくなるほか、自施設の業務負担軽減にもつながります。訪問栄養指導や栄養相談を外部の管理栄養士と連携して行えば、限られた人員でも継続的な栄養支援を提供できるようになります。
しかし、外部支援を効果的に活用するには、連携体制や役割分担を明確にしておく必要があります。利用者情報の共有方法や緊急時の対応、支援内容の範囲などを事前に整理しておけば、よりスムーズに運用が可能となるでしょう。
在宅栄養管理を継続するためには施設全体の効率化も重要

外部支援の活用だけでなく、管理栄養士が本来の業務に集中しやすい環境を整えることも、在宅栄養管理を続けるうえで重要な視点です。これからは在宅療養者の増加に加えて、人材不足の深刻化も予想されるため、栄養管理だけでなく施設全体の業務効率化も一緒に考えていく必要があります。
在宅支援の拡大には管理栄養士の時間確保が欠かせない
在宅栄養管理では、利用者宅での栄養指導だけでなく、栄養ケア計画の作成や記録業務、多職種との情報共有など多くの業務があります。利用者ごとに状態や生活環境が異なるため、継続的なモニタリングのほか、関係職種との連携にも時間がかかってしまいます。施設によっては、管理栄養士が厨房業務を兼務しているケースもあるため、献立管理や食事提供に関わる業務にも多くの時間を費やさねばならず、在宅支援に十分な時間を確保できないこともあります。
厚生労働省による「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会では、医療・介護のニーズ増加に対応するために、人材確保や生産性向上を推進していくことが重要課題として示されています。今後、限られた人材で質の高いサービスを提供していくためには、厨房業務の効率化や役割分担を進めつつ、管理栄養士が専門性を発揮できる環境を整える必要があります。
クックチルで厨房業務の負担軽減を図れる
厨房業務の効率化を進める方法のひとつが、クックチルやニュークックチルの活用です。クックチルとは、調理後の食事を急速冷却し、チルド状態で配送・保管した後に再加熱して提供する調理方式です。原材料の管理から下準備などが不要となるため、調理工程の負担軽減につながります。
一方、ナリコマのニュークックチル方式は、クックチル方式よりもさらに食事提供に関わる負担を減らせます。再加熱カートを活用することで、喫食時間に合わせた加熱管理の負担を軽減でき、あらかじめタイマーを設定しておけば提供時間に合わせて自動で再加熱され、職員が付きっきりで管理する必要がありません。人手不足が進むなかでも安定した食事提供を行いやすい点は、ニュークックチルの大きな特長です。
クックチルやニュークックチルの活用によって、施設では盛付や配膳を中心とした運用が可能となり、調理業務の負担を抑えながら安定した食事提供体制を構築できます。365日の日替わり献立や治療食にも対応しており、人手不足が深刻化するなかでも運営しやすい厨房づくりにつながります。

栄養管理に注力しやすい環境づくりにつながる
厨房業務の負担が軽減されることで、管理栄養士は本来注力すべき業務に時間を充てやすくなります。献立作成や食材の発注、在庫管理や厨房応援などに費やしていた時間を、栄養アセスメントや利用者への栄養指導などに回せるようになるでしょう。在宅栄養管理では、利用者一人ひとりの状態変化に合わせた支援が求められます。そのためには、管理栄養士が専門職としての役割を十分に発揮できる環境づくりが欠かせないのです。
訪問栄養指導や栄養ケア・ステーションなどの外部支援に加え、厨房業務の効率化にも取り組むことで、 管理栄養士が在宅支援に継続して取り組みやすい体制づくりにつながります。在宅栄養管理の強化を検討する際には、ナリコマのクックチルやニュークックチル活用も選択肢のひとつとして考えてみてはいかがでしょうか?
在宅栄養管理の外注とナリコマ連携で持続可能な支援体制を整えよう

在宅栄養管理の体制づくりを考える際、管理栄養士が専門性を発揮できる環境をどうやって確保できるかという視点は欠かせません。訪問栄養指導や栄養ケア・ステーションなどの外部支援を活用することで栄養管理体制を補強できます。しかし今後さらに人材確保が難しくなることを考えると、施設内の業務負担を見直しながら、限られた人材で質の高い支援を続けられる体制づくりも重要です。
在宅栄養管理の強化や厨房業務の効率化をご検討中の場合は、ぜひナリコマへご相談ください。施設の状況や課題に合わせて、管理栄養士が本来の業務に注力しやすい環境づくりをご提案いたします。
クックチル活用の
「直営支援型」は
ナリコマに相談を!
急な給食委託会社の撤退を受け、さまざまな選択肢に悩む施設が増えています。人材不足や人件費の高騰といった社会課題があるなかで、すべてを委託会社に丸投げするにはリスクがあります。今後、コストを抑えつつ理想の厨房を運営していくために、クックチルを活用した「直営支援型」への切り替えを選択する施設が増加していくことでしょう。
「直営支援型について詳しく知りたい」「給食委託会社の撤退で悩んでいる」「ナリコマのサービスについて知りたい」という方はぜひご相談ください。
こちらもおすすめ
社会課題に関する記事一覧
-
患者の栄養ケアを充実させる多職種連携や加算について解説!食事提供のポイントもチェック
多くの病院では昼夜さまざまな職種のスタッフが働いており、患者をケアしています。治療している疾患の種類や症状の程度、服薬履歴、アレルギーの有無、家族構成など、患者の状態・状況は千差万別。それぞれの事情を考慮し、患者にとって最適なケアをしなければなりません。
今回お届けする記事のテーマは「病院における栄養・食事管理」です。関連性の高い多職種連携(チーム医療体制)、診療報酬の加算制度などについてもお伝えします。ぜひ最後までお読みいただき、参考になさってください。 -
リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算とは?多職種連携による包括的な医療の重要性を解説
近年の日本は高齢化が急速に進んでいることから、医療・介護福祉サービスの提供体制を整える動きが強まっています。安定した提供体制に欠かせない要素の一つが、経営面で大きな支えとなる報酬です。医療機関と介護福祉施設が受け取る基本的な報酬は公定価格(診療報酬、介護報酬)が適用されます。いろいろな加算が設けられていることも大きな特徴であり、それぞれ定められた要件を満たして加算を取得すると、収益の増加やサービスの質向上につながります。
今回の記事は、診療報酬における加算の一つ「リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算」に注目。今後求められる医療体制や多職種連携について詳しく解説し、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の概要をまとめてお伝えします。加算と関連する食事提供のポイントなどもみていきますので、ぜひ最後までお読みください。 -
訪問栄養指導を行う管理栄養士の役割とは?在宅支援の業務内容と人手不足・業務負担の課題
在宅医療や在宅介護の利用者が増えるなか、訪問栄養指導の重要性が高まっています。管理栄養士は利用者の栄養状態を評価し、一人ひとりに合った食事や栄養管理を提案することで、在宅療養を支える重要な役割を担っています。
一方で、訪問栄養指導には栄養指導だけでなく、記録作成や多職種連携、栄養ケア計画の作成など多くの業務が伴います。そのため、現場では業務負担や人手不足が課題となることも少なくありません。
今回は、訪問栄養指導を行う管理栄養士の役割や業務内容を整理しながら、現場で起こりやすい課題や、今後求められる栄養管理体制について解説します。
経営課題に関する記事一覧
-
法改正対応に向けた食事体制の見直しとは?ニュークックチルの活用と加算取得のポイントを解説
2024年度の診療報酬改定では、食事提供体制加算や施設基準の見直しなど、食事関連の制度が大きく変わりました。法改正対応を進めるには、最新の加算要件や届け出内容の確認、記録体制の整備が欠かせません。
今回は、改定内容の全体像と現場で必要な対応策をわかりやすく整理しました。さらに、食事体制の見直しを進める中で活用できる選択肢のひとつとして、業務効率化や適温提供に強みを持つニュークックチルもご紹介します。 -
BCP策定はひな形の活用がおすすめ!介護施設で効率良く作成するポイント
BCPは「Business Continuity Plan」の頭文字を取った言葉で、事業継続計画を意味しています。危機的な状況下でも重要な事業を中断させない、または早期復旧させるための計画です。介護施設では、BCPの策定が義務付けられており、感染症用と自然災害用の2種類を整備する必要があります。
これらのBCPを策定する際に、厚生労働省が公開しているガイドラインやひな形を活用することで、必要な項目を整理しやすくなります。この記事では、BCPをスムーズに策定するのに役立つガイドラインやひな形の特徴とあわせて、ひな形を使ってBCPを効率良く策定するためのポイントを解説します。 -
給食委託会社切り替え時に必要なものって?
施設給食に対する悩みが増えてきたら、それは給食委託会社の切り替え時かもしれません。
委託会社切り替えのメリットやデメリット、次の給食会社を選ぶ際に確認しておきたいポイントもご紹介!
給食委託会社以外の運営方式「直営支援方式」についても解説しています。

