特別養護老人ホーム みやこの苑
特別養護老人ホーム福岡県に拠点を置き、特別養護老人ホーム・デイサービス・グループホームなどを運営するみやこの苑さま。法人として70年にわたり地域の福祉を支えてきました。長年、自前での食事提供にこだわってきましたが、将来の調理員不足とコスト高騰を見据えて厨房改革を決断されました。今回インタビューにご協力いただいたのは、みやこの苑の施設長である片本さま。給食改革の必要性や導入の経緯、DX推進など今後の展望についてお話しいただきました。
導入の背景
創立70周年を迎える当施設は、地元業者とのつながりを大切にしながら自前で提供することに誇りを持ってきました。しかしながら、現場で長年働いていた私は施設長に就任する前から、厨房の改革は必要だと考えていました。
5〜6年前から世間で言われる介護人材の不足以上に、調理員の不足に大きな課題を感じていたからです。同時に、施設の売上に対して食費が占める割合は約6.5%と、決して小さくない比率だったこともありました。
人材不足の影響から冷凍品やカット野菜などを使用することが増えていたので、既につくられた食事を導入することと大差がないと考え、完調品の導入を検討し始めました。
選んだ理由
とはいえ、70年間続けてきたやり方を変えることへの反発は、想像以上に大きいものでした。長年お付き合いのある業者さまとの関係もありますし、何より経営層や現場の職員からは「味や品質が落ちるのではないか」など、不安の声が数多く挙がりました。
そこでまずは、ご利用者さまに率直な意見をいただくためデイサービスで1年間、他社の冷凍食材を試験的に導入することから始めました。ご利用者さまには、あえて食事を切り替えたことは伏せて提供しましたが、評判もよく、これが大きな後押しになりました。
特別養護老人ホームなどにも本格導入を検討するにあたり、改めて3社で比較検討をすることにしました。そのなかで、ナリコマさんを最終的に選んだ決め手は味もそうですが、バックアップ体制と4形態の介護食が揃っていたことです。
これまで自前で作っていたソフト食は、どうしても調理する人によって硬さや味にばらつきが出てしまい手間もかかっていました。ナリコマさんのソフト食は、見た目も良く、味も硬さも均一で食べやすい。この点は、実際に食事を提供する職員たちからも絶賛の声が上がりました。どんなに美味しくても、すべてのご利用者さまに対応できなければ意味がありませんからね。
導入後の効果
コスト面では、食材費と人件費をあわせると最終的に年間約600万円の削減に成功しました。ですが、本当の価値はその先にあります。
クックチルは調理の専門スキルが必要ないので、経験を問わず誰もが働ける環境が整いました。また、コスト削減で捻出したお金をパート職員の時給に充てることで、たくさん応募いただけるようにもなりました。現在は、短時間のパート職員をメインにご活躍いただき、安定した人員で運営をすることができています。
今後は近隣の福祉専門学校に通う外国人留学生にも、厨房のアルバイトとして活躍してもらう計画を立てています。言葉の壁があっても、マニュアル化された作業ならスムーズに取り組めるはずです。将来的には、外国籍の方から現場を牽引する人材を育てていきたいと思っています。
サービス面では、長年目指してきた利用者さま本位のケア、その実現への道筋が見えたことです。これまではどうしても厨房の都合が優先され、施設全体で同じ時間に食事を提供していました。これは本来のユニットケアの姿ではありません。今後は、各ユニットにて利用者さまの生活リズムに合わせた食事提供を計画しています。
実は3年ほど前から、国の補助金も活用してDX担当者を育成しています。メーカーの方が来られても、デジタルについて話せる人がいなかったら話も進みませんよね。新しい仕組みを導入するとなった時にはどうしてもデジタルについて理解できる方が必要です。
AIを活用して短時間のパート職員を適正配置できる独自のシフト管理アプリを制作したり、厨房にモニターを入れて食数を一元管理したりと新たな取り組みも進められるようになりました。さらには、iPhoneとインカムを使って話すだけで記録が取れるしくみを導入するなど、デジタル化を進めていく予定です。
このように、未来への投資に充てられることは非常に大きいメリットです。新たな取り組みにリソースを使えることは、コスト削減ができたからこそ実現したのかもしれません。
厨房は、施設の中でも少し特別な場所になりがちです。しかし、これからの時代を乗り越えていくためには、そこへも目を向け、未来のための決断を下すことが不可欠だと感じています。また、ナリコマさんはわからないことや困ったことがあっても、スピード感をもって真摯に対応いただけるので非常に助かっています。
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原材料調理を行っていましたが、人手不足に困りクックチルを導入しました。社員比率を下げた運営が可能となり、発注など栄養士の業務負担も軽減されました。